1〜7月の輸出が549億ドルと統計開始以来で最高、貿易赤字は29%拡大
フィリピンの2026年1〜7月の輸出額が549億2,000万ドル(約8兆5,600億円)となり、統計庁が現在の集計を始めた1991年以降で最も高い1〜7月の実績になった。前年同期比12.9%増で、輸出の増加は19か月連続。ただし同じ期間の貿易赤字は29%広がって373億4,000万ドルになった。輸出の58.8%を占める電子製品が、部品を輸入に頼る構造による。
統計、市場調査、経済指標の発表。
フィリピンの2026年1〜7月の輸出額が549億2,000万ドル(約8兆5,600億円)となり、統計庁が現在の集計を始めた1991年以降で最も高い1〜7月の実績になった。前年同期比12.9%増で、輸出の増加は19か月連続。ただし同じ期間の貿易赤字は29%広がって373億4,000万ドルになった。輸出の58.8%を占める電子製品が、部品を輸入に頼る構造による。
フィリピンの私的年金PERAの加入者が6月末で3万55人と、1年前の6,193人から385%増えた。ただし累計拠出額は7億5,755万ペソ(約19億円)で45.3%増にとどまり、1人あたりでは8万4,186ペソから2万5,206ペソへ70%減った。加入者の78%を占めるのは自営業で、1人あたりの積立額は9分の1になっている。
フィリピンの燃料価格が9月8日午前6時から上がる。ディーゼルが1リットルあたり4.50〜5.00ペソ(約11〜12円)、ガソリンが4.00〜4.50ペソの値上げ幅である。イランをめぐる情勢の再燃、ディーゼル在庫の減少、中東とロシアの製油所の混乱が理由。8月のインフレ率はディーゼルが前年同月比55.7%高で、そこにさらに上乗せされる。
政府は2026年の成長率目標を5〜6%から3.5〜4.5%へ引き下げたが、マカティ・ビジネスクラブのChua会長はそれにも届かないとの見方を示した。4〜6月期の成長率は2.3%と5年ぶりの低さで、上半期は2.6%。中東情勢による燃料高、治水事業の汚職による歳出の停滞、投資家心理の冷え込みが要因に挙がる。一方でUA&Pは10〜12月期に4%超もありうるとする。
2026年1〜5月のフィリピンへの海外直接投資の純流入は21億7,800万ドル(約3,400億円)で前年同期比33.4%減った。5月単月は2億1,000万ドルと2015年3月以来の低さ。証券投資も1〜7月で39億4,000万ドルの純流出である。外資規制の自由化は進んだのに投資が来ない理由として、電気代・物流費・港湾混雑・熟練労働者の不足といった事業コストが挙げられている。
中央銀行の企業景況調査で、7月の当月分の景況感指数が-20.3に沈んだ。6月の0から1か月で20ポイント超の悪化で、悲観派が楽観派を上回る状態に転じた。全国506社への調査で、企業は中東情勢の再燃、燃料高、競争の激化、需要不足、高い金利を挙げている。一方で3か月以内に増員すると答えた企業は1.8%から11.0%へ増えており、目先の悲観と1年先の構えは分かれている。
フィリピン・ペソが9月4日に1ドル62.59ペソで引け、史上最安値を更新した。同じ日にインフレ率の鈍化が発表され株価は上昇したが、通貨だけが逆に振れた。米ドル高と米国の高金利に加え、副大統領への逮捕状で政治の先行きが読みにくくなったことも売り材料になった。経済担当相のBalisacan氏は貿易・経常赤字の拡大という構造要因を挙げ、財政の立て直しと輸出主導への転換が必要だとしている。
フィリピン統計庁が公表した8月の総合インフレ率は6.1%で、7月の6.2%から4か月連続の鈍化となった。ただし下がったのは食品と電気で、コメは19.4%高、ディーゼル燃料は55.7%高と加速している。年初からの平均は5.2%と中央銀行の目標2〜4%の上限をなお上回り、政策金利は8月に5%へ引き上げられたばかり。統計庁も市中銀行も9月からの再加速を見込む。
多国籍企業がフィリピンに置く自社の業務拠点(GCC)で働く人が、2026年に約28万9,000人になる見込みである。2025年は約200拠点で約27万人だった。ColliersとIBPAP、ZMG Ward Howellの共同調査による。担うのは経理、リスク管理、データ分析、サイバーセキュリティ、技術開発など、外部委託とは違う領域である。
4営業日続けて最安値を更新していたペソが、9月4日に62.52ペソへ小幅に戻した。前日の62.565ペソから4.5センタボの上昇である。アナリストは、中央銀行の介入は特定の水準を守るためではなく、物価に響くような急な変動をならすためのものだと指摘する。中央銀行は今年の物価上昇率を6.1%と見込み、年末にかけて食品が押し上げる可能性を挙げている。
フィリピンの国家政府の債務が7月末に19兆3,900億ペソとなり、過去最高を更新した。6月末から1.7%、前年同月から10.39%増えている。この水準はすでに、2026年末の見通しである19兆7,660億ペソの98.09%にあたる。増加の理由は国内外での新規借入と、ペソ安による外貨建て債務の評価替えである。
Savills Philippinesによると、オルティガスセンターの第2四半期のオフィス純成約面積が約1万4,800平方メートルとなり、第1四半期の約2,800平方メートルから5倍以上に増えた。BGCとほぼ同じ水準で、マカティの9,500平方メートル、ケソン市の8,800平方メートルを上回る。賃料はBGCの3分の2以下で、業務受託とテクノロジー企業が需要を支えている。
Moody's Ratingsが、フィリピンのデータセンター建設が2030年までに生む経済効果を試算した。建設段階の年間の押し上げは2025年の名目GDPの0.04%、稼働後でも0.12%にとどまる。雇用への寄与は0.01%で、設備の7割と情報機器の全量が輸入という前提を置いている。同社は電力の確保でフィリピンが対象7市場のうち最も厳しいとした。
FWD Life Insuranceが、上半期の新契約年換算保険料で首位を維持した。52億6,000万ペソで前年同期比23.5%増、市場占有率は12.2%である。生保業界全体の保険料収入は2,299億8,000万ペソで17.91%増えた。伸びを牽引したのは変額保険だが、伸び率では従来型の24.25%増が上回っている。
MUFGグローバルマーケッツリサーチが、ペソの見通しを引き下げた。第3四半期は1ドル62.20ペソ、第4四半期は62ペソで、いずれも従来予想より弱い。ペソは9月3日に62.565の最安値をつけ、4日続けて記録を更新した。同社は貿易赤字と金利差、そして原油価格を主な要因に挙げ、原油が10%上がるとペソは0.9%下がるという目安を示した。
S&P Globalが発表した8月のフィリピンの製造業購買担当者景気指数(PMI)は54.9で、7月の51.8から上昇した。2016年12月以来の高い伸びで、東南アジアの主要国で最も高い。輸出向けの新規受注は6か月ぶりに増え、雇用も5か月ぶりに増加した。第2四半期のGDPが2.3%だったのとは逆の方向を向いている。
フィリピンの工業用不動産で、投機的な先行建設からビルド・トゥ・スーツ・先行契約型への移行が進んでいる。開発費と資金調達コストの上昇が背景にある。計画中・建設中の工業団地860ヘクタールのうち560ヘクタールが中部ルソンで、従来の中心だったカビテ・ラグナ・バタンガスを上回る。PEZAの上半期の投資承認額は94.42%増えた。
7月にフィリピンへ入った短期の外国資金は、差し引き6,647万ドルの純流入だった。前年同月から91.05%減である。純流入は3か月続いているが、1〜7月の累計では39億4,000万ドルの流出超で、前年同期の22億9,000万ドルの流入超から反転した。入ってくる額はほぼ横ばいで、出ていく額が60.8%増えたことが原因である。
経済計画開発省のBalisacan長官が、下半期の家計消費について「大きな反転は期待できない。緩やかなものだ」と述べた。第2四半期の家計最終消費支出は2.8%増で5四半期続けての鈍化、2021年1〜3月以来の低さである。物価高と、汚職問題で32.4%減った公共建設が重しになっている。小売の現場は年末商戦に期待していない。
月1万2,000ペソの電気代に対し年金は8,000ペソ。パンパンガ州の64歳男性は35万ペソで8キロワットピークの太陽光を自力設置し、2年近く請求ゼロを続けている。Meralcoの家庭用料金は1キロワット時14.48ペソで国内4番目の高さ。政府はエネルギー非常事態宣言を受けてネットメータリングの審査を10営業日に短縮した。
保険委員会(IC)によると、フィリピンのプレニード(葬儀・教育・年金の前払い型商品)業界の2026年上半期の純利益が前年同期比52.89%減った。運用収益の落ち込みが理由で、契約販売や保険料収入、資産はいずれも伸びている。ICは金額を開示しておらず、公式データも未公表である。
BusinessWorldがアナリスト20人に聞いた調査で、8月の消費者物価上昇率の中央値は6.0%になった。7月の6.2%から鈍化し、3月の4.1%以来5か月ぶりの低さになる見通し。ただし中央銀行(BSP)の目標3%を超えるのは6か月連続である。8月はフィリピンを4つの台風が襲い、食品価格を押し上げた。
財務省国庫局のデータで、7月の政府の借入総額が前年同月比75.4%増の2,913億7,500万ペソ(約7,580億円)になった。93.1%が国内調達で、財務省証券の発行が中心である。エコノミストは、赤字と償還を賄うための起債の前倒しと時期の集中によるもので、財政の急激な悪化ではないと見ている。
フィリピン統計庁(PSA)の速報値で、7月の製造業の生産者物価指数(PPI)が前年同月比2.983%上昇した。6月の2.980%からわずかに加速し、前年同月の0.1%下落からは反転した。伸びの69%はコークス・石油精製品によるもので、コンピューター・電子・光学製品も5.8%上がった。
中央銀行(BSP)のデータで、2025年に個人が始めた決済の74.91%(件数ベース)がデジタルだった一方、事業者が行った決済は18.75%にとどまった。差は56.2ポイントで、前年の52.4ポイントからさらに開いている。個人側が上がるなかで、事業者側は19.8%から下がった。
預金保険公社(PDIC)のデータで、3月末時点の銀行預金残高が前年同期比9.8%増の22兆400億ペソ(約57兆円)になった。1年前の5.3%増から伸びが加速している。増加額の約4分の3を個人と民間企業が占め、定期預金の伸びが最大だった。口座数は18%増の1億7,860万で、増加分の99%が普通預金である。
鉱山地球科学局(MGB)の速報値で、2026年1〜6月の金属鉱物の生産額が前年同期比41%増の2,021億8,000万ペソ(約5,260億円)になった。金とニッケルの価格上昇が牽引している。ただし金は生産量が12%減っており、値上がりが数量の減少を打ち消した形である。ニッケル鉱石は生産量も25%増えた。
中央銀行(BSP)が8月28日、8月の消費者物価上昇率を5.5〜6.5%と予想した。実現すれば6か月連続で目標を上回る。悪天候による米・野菜・果物・魚の値上がりと高止まりする燃料費が押し上げ要因で、精米の小売価格は前年同月比で約20〜23%高い。統計庁の発表は9月4日である。
フィリピン統計庁(PSA)によると、7月の貿易赤字は前年同月比34.9%増の59億7,000万ドル(約9,500億円)に拡大した。輸出は10.8%増、輸入は19.8%増で、どちらも電子産業が牽引している。電子製品の輸入は61.3%増えて輸入全体の32.6%を占め、鉱物燃料を抜いて最大の輸入品目になった。
日本格付研究所(JCR)が8月28日、フィリピンの格付を投資適格の「A-」で据え置いた。見通しは「安定的」。外貨準備1,108億ドルなどの対外的な備えが外的ショックへの耐性を支えているとみる。2026年の成長率は3%台半ばと予想し、成長は下半期に回復に向かうとした。8月22日にはR&Iも同じA-を維持している。