BMIが2026年成長率を3.3%へ、第3四半期も弱いと見る
KEY POINTS
- ニュースの要点
- Fitch Solutions傘下のBMIが、9月18日付の報告でフィリピンの2026年の成長率を3.3%と見込みました。政府目標の3.5〜4.5%を下回ります。7〜8月の資本支出のデータが弱さを裏づければ、3.1%へ下げるとしています。
- この動きの意味
- 理由は2つです。公共インフラ投資の遅れと、家計消費の弱さ。治水事業をめぐる捜査の再燃が、公共・民間の建設の双方を止めていると見ています。
- 今後の注目点
- アジア開発銀行(ADB)は9月に3.8%は届くとしていました。両者の差は、下期の執行がどこまで戻るかにかかっています。
Fitch Solutions傘下の調査会社 BMI が、フィリピンの成長見通しを下げました。9月18日付の報告です。
数字
BMIは9月18日付、ADBは9月上旬の見解。政府目標は3.5〜4.5%。
| BMIの見通し | 3.3% |
| 下振れ時 | 3.1% |
| 政府目標 | 3.5〜4.5% |
| 上期の実績 | 2.6% |
| 通年3.3%に要る下期の平均 | 3.9% |
BMIは「フィリピン経済は、予想より弱い勢いで第3四半期に入ったことを初期の指標が示している」としています。
下振れの条件も明示されました。「7〜8月の資本支出のデータが我々の見立てを裏づければ、この調整をすることになりそうだ」。
何が効いているのか
公共インフラ投資の遅れが第一です。
| 2026年上期 | 2025年上期 | |
|---|---|---|
| インフラ・資本支出 | 3,674億ペソ(約9,148億円) | 6,202億ペソ(約1兆5,400億円) |
| 増減 | -40.8% | — |
BMIは背景を率直に書いています。治水事業をめぐる捜査が再燃し、大統領のいとこである前下院議長 Martin Romualdez 氏が汚職の容疑で逮捕されたことに触れ、「監視の強まりが事業の実施をさらに遅らせ、公共と民間の双方の建設に重しとなった」としています。
第二は 家計消費です。
- インフレが高いまま
- 労働市場が弱い(7月の失業率は4年ぶりの高さの6%、6月は4.9%)
BMIは「6〜7月は新卒が労働市場に入る時期ではあるが、増加の規模は労働市場全体の弱さを示しており、家計の慎重さを強めている」としています。
第三は天候です。8月から9月初めの豪雨と洪水で、インフラの被害が143億ペソ(約356億円)、農業の損失が44億ペソ(約110億円)と暫定推計されています。BMIは「これらの数字には、輸送の混乱、失われた労働日数、農業の不振の波及といった、より広い経済的な費用が含まれていない」と付け加えています。
ADBとの差
アジア開発銀行(ADB)は9月上旬、3.8%はまだ届くとしていました。ただし条件つきです。総裁の神田眞人氏は「下期に事業の執行と家計消費が力強く回復するかどうかにかかっている」としていました。
ADBの3.8%とBMIの3.3%の差は、下期の執行をどう見るかの差です。ADBは「公共投資の大幅な加速が要る」と条件を付け、BMIは「その加速は起きていない」と見ています。
日系企業にとっての読みどころ
2026年度の計画を立てる局面で、参照する数字が3.1%から3.8%まで散らばっています。0.7ポイントの幅は、消費財や建設資材の需要見通しにそのまま効きます。
実務上は、どちらの数字を使うかより、何が分かれ目かを押さえるほうが役に立ちます。分かれ目は1つです。
止まっている公共工事が、いつ、どの規模で動き出すか。
これは経済指標ではなく、捜査と行政手続きの問題です。運輸省の2027年予算では公共交通近代化計画も配分ゼロで、上期の経常赤字はGDP比6.4%まで広がりました。公共支出が戻らないかぎり、内需は弱いままです。
1ペソ=2.49円で換算しています(2026年9月4日時点)。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアPhilippine recovery in Q3 may have been weaker than expected — BMIbworldonline.com
- GMA News Onlineメディア3.8% GDP growth for PH in 2026 still possible, says ADBgmanetwork.com
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