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東南アジアで最多13件、フィリピンのクリーンエネルギー政策

KEY POINTS

ニュースの要点
国際的な気候・エネルギー調査機関Zero Carbon Analyticsによると、2026年2月から8月のあいだにフィリピンが打ち出した再生可能エネルギーと電化に関する政策は13件で、追跡した東南アジア6か国のなかで最多でした。6か国の合計は37件です。
この動きの意味
対象はフィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポール、ベトナムです。6か国全体では、再エネ・電化の37件に対し化石燃料寄りが29件。長期を見据えた政策に限ると、再エネ・電化が24件に対し化石燃料は6件で、4対1の開きがあります。
今後の注目点
政策が実際の設備につながるか。フィリピンが同時に進める石炭5ギガワットの扱い。戦略石油備蓄の整備。エネルギー安全保障と脱炭素の両立がどう整理されるか。

国際的な気候・エネルギー調査機関であるZero Carbon Analyticsが、東南アジア6か国のエネルギー政策を数えました。

対象期間は2026年2月から8月。フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポール、ベトナムの6か国です。

政策の数で見る

東南アジア6か国東南アジア6か国の政策数(2026年2〜8月、Zero Carbon Analytics)(単位:件)
再エネ・電化
37
化石燃料
29

うちフィリピンの再エネ・電化は13件で6か国中最多

6か国の合計では、再エネ・電化が 37件、化石燃料寄りが29件でした。差はそれほど大きくありません。

ただし、期間を区切ると景色が変わります。長期を見据えた政策に限ると、再エネ・電化が 24件に対し化石燃料は 6件。4対1の開きです。調査にあたった研究者は、化石燃料寄りの措置の多くが短期の危機対応であるのに対し、再エネの政策は長期の構造変化を狙ったものだと指摘しています。

このなかで、フィリピンの再エネ・電化政策は 13件。6か国で最多でした。

フィリピンの13件に含まれるもの

報道で挙げられているのは次のとおりです。

  • Sariling Kuryente法案
  • 250メガワットの太陽光容量の前倒し
  • 新規の再エネ事業に蓄電池の併設を求める要件
  • 電気自動車の普及を広げる措置

Power Philippinesによれば、3月にはMTerra Solarの最初の250メガワットが450メガワット時の蓄電池とともに送電を開始しました。この事業の第1期は2,000億ペソ規模で、全体では世界最大級とされます。

背景にあるのは安全保障

政策が出た時期には理由があります。

2026年3月、マルコス大統領はホルムズ海峡をめぐる紛争による石油市場の混乱を受けて、国家エネルギー非常事態を宣言しました。調査は、2月以降の政策をこの文脈で捉えています。

つまりこれらの政策は、気候対策であると同時に エネルギー安全保障の手段として打ち出されたということです。石油とガスの市場が荒れるなかで、輸入に頼らない電源を増やすという論理です。6か国すべてで短期の再エネ政策が化石燃料政策を上回ったのも、同じ事情によると見られます。

同時に化石燃料も進めている

ただし、フィリピンの政策は一方向ではありません。

同じ期間に、化石燃料に関する政策も 9件出しています。エネルギー政策全体のおよそ4割です。内容には、最大5ギガワットの石炭火力の前倒しと、政府が管理する戦略石油備蓄の設置が含まれます。

「クリーンエネルギー政策で地域の先頭」という見出しと、「石炭5ギガワットの前倒し」が同じ政府から同時に出ている。これが現在のフィリピンのエネルギー政策の実像です。

ビサヤでは発電不足による停電が続いており、8月の卸電力価格は20年ぶりの高値をつけました。供給を増やすことが最優先という状況では、電源の種類を選んでいる余裕がないという判断も成り立ちます。

電力を大量に使う事業をフィリピンで検討する企業にとっては、再エネの調達可能性と、系統全体の電源構成の両方を見る必要があるということになります。

本記事は政策の件数を扱い、金額の記載が主題でないため為替換算を行っていない。

SOURCES / 出典

  1. GMA Newsメディア
    PH leads race for clean energy among emerging SE Asia countries -- studygmanetwork.com
  2. Power Philippinesメディア
    PH leads region in clean energy policies amid Iran warpowerphilippines.com

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#再生可能エネルギー#エネルギー政策#東南アジア#調査#蓄電池#石炭

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