エルニーニョの農業被害が68.7億ペソ、22万人と24.9万haに及ぶ
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 農業省(DA)が、9月26日時点のエルニーニョによる農業被害を68億7,000万ペソと発表しました。影響を受けたのは22万3,214人の農家と24万9,028ヘクタールの農地で、14地方にわたります。生産の損失は16万3,812トンです。
- この動きの意味
- 損失の内訳はトウモロコシが71.38%、コメが22.29%、高付加価値作物が5.78%です。トウモロコシの12万6,883トンは2026年の生産目標880万トンの1.44%、コメの2万5,196トンは目標2,029万トンの0.12%にあたります。政府は被害額を上回る109億6,000万ペソの支援を投入しています。
- 今後の注目点
- 気象庁が見込む2027年前半までの継続と、年末の「非常に強い」段階への移行。コメとトウモロコシの価格への波及。回復不能とされた5万6,262ヘクタールの扱い。飼料用トウモロコシの不足が畜産と鶏肉に及ぼす影響。
農業省(DA)が、エルニーニョによる農業被害をまとめました。9月26日時点で 68億7,000万ペソ(約171億円)です。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 被害額 | 68億7,000万ペソ(約171億円) |
| 影響を受けた農家 | 22万3,214人 |
| 影響を受けた農地 | 24万9,028ヘクタール |
| うち回復の見込みあり | 19万2,766ヘクタール |
| うち回復不能 | 5万6,262ヘクタール |
| 生産の損失 | 16万3,812トン |
対象は14地方です。コルディリェラ、カガヤン・バレー、中部ルソン、カラバルソン、ミマロパ、ビコール、西ビサヤ、ネグロス島、中部ビサヤ、東ビサヤ、サンボアンガ半島、ダバオ、ソクサージェン、カラガが挙がっています。
被害の7割はトウモロコシ
作物別の内訳を見ると、偏りがはっきりしています。
このほかキャッサバ、家畜、家禽にも被害。2026年9月26日時点
量で見ると、トウモロコシが12万6,883トン、コメが2万5,196トンです。ただし生産目標に対する比率では印象が変わります。
- トウモロコシ:2026年目標880万トンの 1.44%
- コメ:2026年目標2,029万トンの 0.12%
全国の供給量に対しては、まだ小さい割合です。
支援は被害額を上回っている
政府が投入した支援は 109億6,000万ペソで、被害額を上回ります。
- 生産支援(種子、肥料、土壌改良材):105億3,000万ペソ
- 作物保険の支払い:4億2,707万ペソ(4万2,383人の農家へ)
現物の対応としては、338台の揚水ポンプの設置、2万3,459羽の在来鶏の配布、カガヤン・バレーとマガット・ダム周辺での人工降雨が挙げられています。
まだ終わっていない
重要なのは、これが途中経過だという点です。
農業省が引用する気象庁(DOST-PAGASA)の見通しでは、強いエルニーニョは現在進行中で、2027年前半まで続くとされています。年末には「非常に強い」段階に達する可能性もあります。
農業省自身、報告した数字は検証途中だと断っています。
物価と調達への効き方
この数字は、農業だけの話にとどまりません。
IMFは2027年のフィリピンの物価見通しを3.3%から4.1%へ引き上げました。その最大の理由が米価で、IMFは標準シナリオに25%の上昇を織り込んでいます。エルニーニョはその前提を押し上げる側に働きます。
トウモロコシの被害が7割を占めることも見逃せません。フィリピンのトウモロコシは主に飼料に回ります。飼料が細れば、鶏肉と豚肉の生産費が上がります。食品加工や外食をフィリピンで手がける企業にとっては、原料価格の側から効いてくる話になります。
換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- GMA NewsメディアDA records P6.87-B agricultural damage, losses amid ongoing El Nino impactgmanetwork.com
- Daily TribuneメディアEl Nino deals P6.87-B blow to agriculture sectortribune.net.ph
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