株価が6,000割れ寸前、為替の取引高が倍増し介入観測が出た
フィリピンの株価指数が1.11%下げて6,007.78で引け、6,000の節目に迫りました。ペソは小幅に戻したものの、銀行間の為替取引高が前日の倍近い19億ドルに膨らみ、中央銀行が市場に出た可能性が指摘されています。原油高とペソ安がインフレ懸念を呼んでいます。
統計、市場調査、経済指標の発表。
フィリピンの株価指数が1.11%下げて6,007.78で引け、6,000の節目に迫りました。ペソは小幅に戻したものの、銀行間の為替取引高が前日の倍近い19億ドルに膨らみ、中央銀行が市場に出た可能性が指摘されています。原油高とペソ安がインフレ懸念を呼んでいます。
フィリピン小売業協会が、2026年のEC売上は10〜15%、実店舗は5〜10%の伸びになると見込みました。差を生んでいるのは1万ペソ以下の輸入品を免税にする制度です。海外から直接届く商品には付加価値税も関税もかからず、国内の小売と条件が揃っていません。
フィリピン産のウベ(紫芋)が海外で人気を集める一方、生産が追いついていません。上半期の生産は17%増の5,658トンにとどまり、調査会社BMIは供給の制約が長引けば成長が続かないと指摘しています。9月に始まった生外の輸出停止が、逆に農家の作付け意欲を削ぐ懸念もあります。
フィリピンへの現金送金が7月に32億4,000万ドルとなり、7か月ぶりの高さになりました。前年同月比1.9%増です。1〜7月の累計は203億9,000万ドルで2.3%増。送金元は米国が39.7%で突出し、シンガポール、サウジアラビア、日本と続きます。日本は4番目です。
フィリピンの政府系ファンドMaharlikaが、ペソ安で保有するドル資産のペソ建て評価が上がると説明しました。ただし外貨建ての保有は小さく、損益への影響は限定的だとしています。むしろ効くのは、ドルで稼ぐ投資先の利益がペソ建てで膨らむ経路です。
ペソが1ドル62.86ペソで引け、過去最安値を更新しました。前営業日から18センタボの下げで、2営業日続落です。米国の8月のインフレ指標が利上げ観測を強め、原油が1バレル100ドルを超えていることが重なりました。中央銀行は水準を目標にしないとしつつ、無秩序な動きには介入する構えです。
フィリピンが砕米の比率が高い米の輸入を増やす見通しです。収穫期の農家を守るため、砕米5%の上等な輸入米を入れない方針を取った結果、輸入は砕米の多い等級へ移ります。米農務省は2026年の輸入を550万トンと見込んでおり、年初の政府見通しを大きく上回ります。
国際エネルギー機関が、フィリピンの石炭需要は2026年に約4,700万トンで横ばい、2030年には15%増の5,400万トンになると見込みました。石炭は電源構成の約6割を占めます。中東情勢で燃料市場が逼迫するなか、既存の石炭火力は高い稼働率で回っています。
6月末のフィリピンの対外債務が1,549億3,000万ドルとなり、過去最高を更新しました。3月末から5.1%増で、GDPに対する比率は30%から31.6%に上がっています。政府の外債発行と民間銀行の借り入れが押し上げました。中央銀行は管理可能な水準としています。
上期の成長率が2.6%にとどまり、年間目標の下限に届くには下期に4.4%が必要になりました。最大の要因は公共工事の32.4%減です。治水事業をめぐる汚職の摘発で発注側が慎重になり、工事が止まっています。経済計画相は、逮捕が進んだことで流れが変わりうるとしています。
6月のフィリピンへの海外直接投資の純流入は4億4,700万ドル(約700億円)で、前年同月から35.1%増えました。ただし5月の6億3,800万ドルからは3割減で、上半期の合計は33億8,000万ドルと前年同期比17.8%減です。減っているのはグループ内の貸付で、25.8%落ちました。6月の出し手の筆頭は日本でした。
EU・ASEANビジネス協議会の調査で、フィリピンに拠点を持たない欧州企業のうち、新規進出を考えているのは8%にとどまりました。ベトナムの34%、インドネシアの32%に大きく離され、調査対象で最下位です。一方で、すでに進出している企業の43%は今後5年で事業を広げるとしています。入っている企業は残り、新しい企業は来ないという形です。
Ooklaの調査で、マニラ首都圏の携帯回線の中央値が下り75.57Mbpsとなり、東南アジアで遠隔勤務者に人気の13都市のうち下位に沈みました。セブは55.48Mbpsで最下位です。首位はベトナムのダナンで215.56Mbps、マニラの約2.9倍でした。5Gの利用可能率はマニラで50.4%と前年の41.4%から上がっていますが、回線の揺らぎはセブが域内最悪の18ミリ秒でした。
フィリピンの銀行の不良債権比率が7月に3.35%となり、6月の3.29%から上がりました。金額は5,850億ペソ、貸出全体は17兆4,000億ペソです。中身を見ると、個人向けが5.49%へ悪化する一方、企業向けは3.27%と6か月ぶりの低さまで下がっています。クレジットカードは5.34%、自動車ローンは5.51%。物価高と生活費の重さが家計の返済力を削っています。
8月の卸電力市場の価格が、ビサヤで1キロワット時18.59ペソ(64.9%上昇)、ミンダナオで19.56ペソ(88.2%上昇)となり、市場が始まった2006年以降で最も高くなりました。石炭火力の計画外停止が重なったためです。一方ルソンは4.80ペソへ34.2%下がり、同じ国のなかで4倍の開きが生じています。この価格は9月の請求に乗ります。
フィリピンの医療保障サービス(HMO)業界の2026年上半期の収入が564億3,200万ペソ(約1,400億円)となり、前年同期から20.0%増えました。一方で加入者へ支払った給付・保険金は412億2,700万ペソで13.6%増にとどまり、純利益は20億9,300万ペソへ42.3%伸びています。会費が給付より速く上がった形で、企業が負担する従業員の医療保障の費用に直結します。
フィリピンの主要銀行の貸出残高が7月に前年同月比10.4%増え、6月の9.8%から加速しました。残高は約15兆ペソ(約37兆円)です。企業向けが12兆6,000億ペソで9.8%増と伸びる一方、個人向けは2兆ペソで17.1%増と6月の17.8%から鈍りました。クレジットカードと自動車ローンの伸びが弱まっており、家計の慎重さが出ています。
フィリピンの7月の失業率が6%となり、2022年6月以来の高さになりました。失業者は314万人で、6月の259万人から55万人増えています。ただし数字の中身を見ると、就業者が5,055万人から4,921万人へ134万人減る一方、労働力人口も89万人減っており、職探しそのものをやめた人が相当数いることになります。不完全就業率も12.9%へ上がりました。
調査会社BMIは、フィリピンの2026年の自動車生産を12万7,453台と前年から8.7%減ると予測しました。1〜7月の新車販売も24万1,725台と10.2%減っています。ところが電気自動車・ハイブリッド・プラグインハイブリッドの販売だけは3万8,286台と136.4%増えました。同社はまた、フィリピンが地域の自動車生産拠点になる道は険しいとも指摘しています。
HSBCは、フィリピンのサービス輸出産業がAIの影響下でも底堅く、雇用も伸び続けていると分析しました。一方で業界団体IBPAPは2028年の売上目標を、2022年に掲げた590億ドルから433億〜505億ドルへ下げています。雇用目標も250万人から185万〜214万人へ。崩壊は起きていないが、描いていた成長の絵は縮んだ、という状態です。
アジア開発銀行の神田眞人総裁が、フィリピンの2026年の成長率について3.8%は達成可能との見方を示しました。同行は7月にこの数値を4.4%から引き下げています。上半期の実績は2.6%、4〜6月期は2.3%と2021年以来の低さで、達成には下期の公共事業の執行と個人消費の回復が要ります。神田総裁は課題を「資金ではなく執行」と表現しました。
配車アプリのinDriveの調査で、マニラ首都圏の74%が直近3か月に少なくとも1回は配車アプリで移動していた。利用頻度は週3回。理由の上位は「急いでいるとき」「悪天候のとき」「夜間の安全」で、いずれも本来は公共交通が担う機能である。同社はフィリピンで2025年に完了乗車が8倍に伸び、手数料10%という価格で7都市に広がっている。
フィリピンの2026年1〜7月の輸出額が549億2,000万ドル(約8兆5,600億円)となり、統計庁が現在の集計を始めた1991年以降で最も高い1〜7月の実績になった。前年同期比12.9%増で、輸出の増加は19か月連続。ただし同じ期間の貿易赤字は29%広がって373億4,000万ドルになった。輸出の58.8%を占める電子製品が、部品を輸入に頼る構造による。
フィリピンの私的年金PERAの加入者が6月末で3万55人と、1年前の6,193人から385%増えた。ただし累計拠出額は7億5,755万ペソ(約19億円)で45.3%増にとどまり、1人あたりでは8万4,186ペソから2万5,206ペソへ70%減った。加入者の78%を占めるのは自営業で、1人あたりの積立額は9分の1になっている。
フィリピンの燃料価格が9月8日午前6時から上がる。ディーゼルが1リットルあたり4.50〜5.00ペソ(約11〜12円)、ガソリンが4.00〜4.50ペソの値上げ幅である。イランをめぐる情勢の再燃、ディーゼル在庫の減少、中東とロシアの製油所の混乱が理由。8月のインフレ率はディーゼルが前年同月比55.7%高で、そこにさらに上乗せされる。
政府は2026年の成長率目標を5〜6%から3.5〜4.5%へ引き下げたが、マカティ・ビジネスクラブのChua会長はそれにも届かないとの見方を示した。4〜6月期の成長率は2.3%と5年ぶりの低さで、上半期は2.6%。中東情勢による燃料高、治水事業の汚職による歳出の停滞、投資家心理の冷え込みが要因に挙がる。一方でUA&Pは10〜12月期に4%超もありうるとする。
2026年1〜5月のフィリピンへの海外直接投資の純流入は21億7,800万ドル(約3,400億円)で前年同期比33.4%減った。5月単月は2億1,000万ドルと2015年3月以来の低さ。証券投資も1〜7月で39億4,000万ドルの純流出である。外資規制の自由化は進んだのに投資が来ない理由として、電気代・物流費・港湾混雑・熟練労働者の不足といった事業コストが挙げられている。
中央銀行の企業景況調査で、7月の当月分の景況感指数が-20.3に沈んだ。6月の0から1か月で20ポイント超の悪化で、悲観派が楽観派を上回る状態に転じた。全国506社への調査で、企業は中東情勢の再燃、燃料高、競争の激化、需要不足、高い金利を挙げている。一方で3か月以内に増員すると答えた企業は1.8%から11.0%へ増えており、目先の悲観と1年先の構えは分かれている。
フィリピン・ペソが9月4日に1ドル62.59ペソで引け、史上最安値を更新した。同じ日にインフレ率の鈍化が発表され株価は上昇したが、通貨だけが逆に振れた。米ドル高と米国の高金利に加え、副大統領への逮捕状で政治の先行きが読みにくくなったことも売り材料になった。経済担当相のBalisacan氏は貿易・経常赤字の拡大という構造要因を挙げ、財政の立て直しと輸出主導への転換が必要だとしている。
フィリピン統計庁が公表した8月の総合インフレ率は6.1%で、7月の6.2%から4か月連続の鈍化となった。ただし下がったのは食品と電気で、コメは19.4%高、ディーゼル燃料は55.7%高と加速している。年初からの平均は5.2%と中央銀行の目標2〜4%の上限をなお上回り、政策金利は8月に5%へ引き上げられたばかり。統計庁も市中銀行も9月からの再加速を見込む。