上期の経常赤字が154億ドル、GDP比6.4%まで広がった
KEY POINTS
- ニュースの要点
- フィリピン中央銀行の集計で、2026年上期の経常収支赤字は154億4,000万ドル(約2兆4,100億円)。前年同期の101億8,000万ドルから51.7%拡大し、GDP比は4.3%から6.4%になりました。
- この動きの意味
- 原因はモノの貿易です。輸入が12.4%増、輸出は9.2%増。役務の黒字と海外送金では埋まらない差が開いています。
- 今後の注目点
- 第2四半期だけで60.7%拡大している点。赤字の拡大はペソの下押し要因として残ります。
フィリピン中央銀行(BSP)の集計で、2026年上期の経常収支赤字が広がりました。
数字
| 2026年上期 | 2025年上期 | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 経常赤字 | 154億4,000万ドル | 101億8,000万ドル | +51.7% |
| GDP比 | 6.4% | 4.3% | — |
| モノの貿易赤字 | 377億ドル | 326億3,000万ドル | +15.5% |
| 輸入(モノ) | 724億4,000万ドル | — | +12.4% |
| 輸出(モノ) | 347億3,000万ドル | — | +9.2% |
154億4,000万ドルは約2兆4,100億円にあたります。
伸びの差が開いている
問題は単純です。輸入が12.4%伸び、輸出は9.2%しか伸びていない。もとの規模が輸入724億ドル対輸出347億ドルと2倍以上違うので、同じ率でも差は開きます。
支える側も力不足でした。
- 役務の黒字 52億2,000万ドル(+1.6%)
- 銀行経由の現金送金 171億5,000万ドル(+2.4%)
- 第一次所得の黒字 13億6,000万ドル(-28.7%)
役務と送金の伸びは2%前後。貿易赤字の15.5%増には追いつきません。
四半期で見ると悪化している
赤字額なので、棒が長いほど収支は悪い。
第2四半期の赤字は 89億7,000万ドルで、前年同期の55億8,000万ドルから60.7%拡大しました。第1四半期の64億7,000万ドルより大きく、上期の中で悪化が進んでいる形です。
国際収支全体は改善している
一方、上期の国際収支(BOP)赤字は 39億ドルで、前年同期の56億ドルから33%縮小しました。GDP比は2.4%から1.6%へ。
経常赤字が広がっても全体が改善したのは、金融収支の流入が効いたためです。BSPは、居住銀行の非居住者向け貸付債権が純減したことと、対外借入が増えたことを挙げています。
経常が悪く、金融で埋めているという構図です。
日系企業にとっての読みどころ
経常赤字のGDP比6.4%は、ペソの下押し要因として残ります。すでにペソは1ドル62.86ペソの過去最安値を記録しています。
現地で仕入れて日本へ出す事業には追い風ですが、日本から部材を入れて現地で売る事業には逆風です。
もう一点、赤字を埋めているのが借入だという点も見ておく必要があります。対外債務は過去最高の1,549億ドルに達しています。金利が上がる局面では、この埋め方は続けにくくなります。
1ドル=155.9円で換算しています(2026年9月4日時点)。
SOURCES / 出典
- The Philippine StarメディアCurrent account gap widens as imports outpace exportsphilstar.com
- Daily TribuneメディアBoP deficit narrows 33% to $3.9 billiontribune.net.ph
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