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財政改革でGDPの最大7.1%が浮く、世界銀行が3つの方策を示す

KEY POINTS

ニュースの要点
世界銀行が9月28日に公共財政レビュー(PFR)を公表し、フィリピンは財政改革と人的資本への投資によってGDPの3.6〜7.1%にあたる節約と追加の歳入を生めると指摘しました。改革は3つの束にまとめられています。
この動きの意味
行政が単独で進められる第1の束だけでGDPの2.2〜4.4ポイント分の財政余地が生まれるとされます。中心は公共調達の集約で、高額品と共通品の調達をまとめて枠組み契約を結べば年4,350億ペソを節約できるという試算です。
今後の注目点
政府が調達の集約に動くか。未計上歳出への5%上限が2027年予算の審議で議論になるか。法人税優遇の整理が投資誘致とどう折り合うか。独立財政評議会の設置が進むか。

世界銀行が9月28日、フィリピンの公共財政レビュー(PFR)を公表しました。報告書の題は「Building on Reform: Public Finance for a Rising Philippines」です。

結論は数字で示されています。財政改革と人的資本への投資で、GDPの3.6〜7.1% にあたる節約と追加の歳入を生めるというものです。

フィリピン・マレーシア・ブルネイ担当の世界銀行局長Zafer Mustafaoğlu氏は、マンダルヨン市での発表でこう述べました。「GDPの3.6〜7.1%という財政上の利得、つまり制度の手の届くところにすでにある数千億ペソは、その旅の次の章の燃料になる。より多くの子どもが字を読めるようになり、より多くの家族が病気による経済的な破綻から守られ、数百万のフィリピン人が貧困から抜け出す」

3つの束

束誰が動かすか中身
手元にある財政余地行政調達の集約、納税手続きの簡素化、法人税優遇の整理、未計上歳出の抑制
財政の穴を塞ぐ立法・制度電子インボイスと税務調査の拡大、付加価値税の免除の合理化、財政管理の近代化、脆弱世帯への現金給付の強化
人的資本に狙いを定める予算配分保健・教育・社会保障の的を絞った支出、社会制度の共通名簿、基礎学力の強化、医療扶助の整理

世界銀行のフィリピン担当上級エコノミストJaffar Al-Rikabi氏によれば、第1の束だけで GDPの2.2〜4.4ポイント分の財政余地が生まれます。経済成長を犠牲にせずに余裕を作れるという主張です。

第3の束にある社会制度の共通名簿については、およそ200万人を貧困から引き上げる効果があると見込まれています。

調達をまとめるだけで年4,350億ペソ

具体策のうち、金額がはっきり出ているのが公共調達です。

公共調達はGDPの6〜7%を占めますが、制度が細かく分かれているために政府は本来より高く買っているとAl-Rikabi氏は指摘します。

「需要を束ねて、主要な供給者との間でいわゆる枠組み契約を結べば、政府ははるかに低い価格を交渉でき、各省庁がいつ調達してもその価格を使えるようになる」「高額品と共通品についてこの種の契約を結ぶだけで、GDPの1.8〜2ポイント程度を節約できると我々は見積もっている」

金額にすると、年 4,350億ペソです。

未計上歳出に上限を

もう一つの提案が、未計上歳出(unprogrammed appropriations)の抑制です。

未計上歳出は、財源が確保できた場合にのみ執行される予算枠で、裁量の余地が大きいことが以前から指摘されてきました。世界銀行は 総予算の5%程度という上限と、執行の明確な基準を設けることを提案しています。

「我々の提案はおよそ5%だ」とAl-Rikabi氏は記者説明会で述べ、「国際的な経験からも、未計上歳出をどう使うかの基準を定めることが求められる。例えばODA事業に関連する想定外の費用が生じたから必要だ、といった形だ。つまり上限と、使途の明確な基準の両方だ」としました。

2027年度国家支出計画では、未計上歳出に1,119億8,400万ペソが配分されています。今年の1,509億ペソから25.8%減で、7兆2,000億ペソの予算案全体の1.6%にあたります。すでに提案水準を下回っている計算です。

前提は「信頼」

世界銀行が繰り返しているのは、量より質という論点です。

「必要なのは、より質の高い財政制度だ。歳入をより効率的に、より公平に集め、公的支出を家計と経済にとってより良い結果に変える制度である。その質の向上こそが、持続的な歳入の拡大を可能にする」

同行は、納税者は税制が公平で予算が有効だと感じるときにこそ財政努力を支持しやすいとして、公共の信頼が前提になると述べています。

日本企業にとっての含み

直接効いてくるのは第2の束です。電子インボイスと税務調査の拡大は、12月31日が期限の電子インボイス義務化の延長線上にあります。付加価値税の免除の合理化と法人税優遇の整理は、経済特区の優遇を前提に進出している企業には無関係ではありません。

IMFも9月の4条協議で、歳入の側に軸足を移すよう求めていました。国際機関が同じ方向を指している以上、税制側の変更は今後の論点として残ります。

換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。本文の金額は国家予算の規模を示す統計値のため円換算していない。

SOURCES / 出典

  1. BusinessWorldメディア
    World Bank says fiscal reforms could unlock up to 7.1% of PHL GDPbworldonline.com
  2. GMA Newsメディア
    World Bank: PH seen to unlock up to 7.1% of GDP with fiscal reformsgmanetwork.com

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#世界銀行#財政改革#公共調達#税制#予算#GDP

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