富裕層のカード利用が半年で49%増、アジアで最も速い伸び
KEY POINTS
- ニュースの要点
- Visaの自社データで、フィリピンの富裕層向けカードの利用額が2026年4月時点で半年前より49%増えました。アジアの各市場のなかで最も高い伸び率です。同社は上位2つの新しい階層をフィリピンに投入しました。
- この動きの意味
- 同社はフィリピンの富裕層向けカードの保有者が今後数年で5倍になると見込んでいます。一方、中央銀行の調査では48%が緊急資金を用意するのは非常に難しいと答えています。同じ市場で、消費の上と下が別の方向に動いています。
- 今後の注目点
- 49%という伸びが続くか。新階層を発行する銀行がどこになるか。富裕層向けの旅行・飲食の需要が実際に増えるか。
Visa の自社データで、フィリピンの 富裕層向けカードの利用額が2026年4月時点で半年前より 49% 増えました。
アジアの各市場のなかで、最も高い伸び率です。
上の階層を2つ足した
Visaはこれを受けて、フィリピンで Visa Infiniteの品揃えを広げました。従来の階層の上に、2つが加わります。
| 階層 | 位置づけ |
|---|---|
| Visa Infinite | 日常の利用で価値を高める。旅行と生活の特典 |
| Visa Infinite Privilege | より広い利用範囲と、選び抜いた体験 |
| Visa Infinite Private | 招待制。超富裕層向けに、個別に仕立てたサービス |
これは2026年7月にアジア太平洋で発表された刷新をフィリピンに展開したものです。域内ではUOBやHong Leong Bankがすでに発行を始めています。
Visaの見立てでは、アジア太平洋の富裕層世帯は2030年まで年8%で増え、同地域は世界の超富裕層の約31%を抱えます。富裕層の消費の伸びは、他のカード保有者の約3倍の速さです。
Visaフィリピンのカントリーマネージャー Jeffrey V. Navarro 氏は「フィリピンのような消費が牽引する経済では、決済は人々がどう食べ、旅し、買い、好きなことを追うかを形づくり続ける」と述べています。
同社は、フィリピンの富裕層向けカードの保有者が 今後数年で5倍になると見込んでいます。
同じ市場の、別の数字
ここで並べておくべき数字があります。
中央銀行の 2025年消費者金融・金融包摂調査によれば、フィリピンの成人の 48% が「緊急の資金を用意するのは非常に難しい」と答えました。さらに 15% は「用意できない」と答えています。貯蓄で収入の途絶を乗り切れるとしたのは 10人に3人です。
| 富裕層カードの利用額(半年) | +49% |
| 緊急資金の用意が非常に難しい | 48% |
| 緊急資金を用意できない | 15% |
同じ市場で、消費の上と下が別の方向に動いています。
中央銀行は、この状況を受けてシンガポールのGlobal Finance & Technology Networkと組み、責任ある与信・緊急貯蓄・保険の3分野で解決策を募る取り組みを始めました。Maya、Tala、Pru Life UK、フィリピンデジタル銀行協会が参加しています。
日系企業にとっての読みどころ
読みどころは、「フィリピンの消費者」を1つの塊として見ないことです。
小売、飲食、旅行、金融のいずれでも、フィリピン市場の伸びは平均値では説明できなくなっています。富裕層向けの商品は49%で伸び、生活防衛層は緊急資金すら持てない。どちらの層を相手にするかで、必要な価格帯も販路も別物になります。
電子商取引が実店舗より速く伸びているのも、海外送金が消費を支えているのも、この分化と無関係ではありません。
SOURCES / 出典
- Fintech News PhilippinesメディアAffluent Card Spending in the Philippines Jumped 49% in Six Monthsfintechnews.ph
- Visa企業公式一次情報Visa Reimagines Visa Infinite for Asia Pacific's Modern Affluentvisa.com.sg
参考(本文の補足)
- Fintech News Philippines48% of Filipinos Can't Easily Raise Emergency Funds, BSP Says
- フィリピン中央銀行Consumer Finance and Inclusion Survey (CFIS)
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