銀行の総資産が30.7兆ペソ、貸出は10.8%増で資産の伸びを上回る
KEY POINTS
- ニュースの要点
- フィリピン中央銀行の速報値で、2026年7月末の銀行業の総資産は30兆7,200億ペソ(約76兆5,000億円)。前年同月の27兆7,400億ペソから10.7%増えました。
- この動きの意味
- 貸出は10.8%増、預金は7.9%増。貸出の伸びが預金を上回っており、調達より運用が先に伸びている形です。
- 今後の注目点
- 自己資本の伸びが3.8%にとどまっている点。資産が10.7%伸びるなかで資本が追いついていません。
フィリピン中央銀行(BSP)の速報値で、2026年7月末の銀行業の総資産が前年から1割伸びました。
数字
| 2026年7月末 | 2025年7月末 | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 30兆7,200億ペソ | 27兆7,400億ペソ | +10.7% |
| 貸出 | 16兆9,100億ペソ | 15兆2,600億ペソ | +10.8% |
| 預金 | 22兆600億ペソ | 20兆4,400億ペソ | +7.9% |
| 投資 | 8兆9,100億ペソ | 8兆2,400億ペソ | +8.0% |
| 自己資本 | 3兆6,500億ペソ | 3兆5,200億ペソ | +3.8% |
30兆7,200億ペソは約76兆5,000億円にあたります。
総資産には、貸出、投資、現金、そのほかの保有資産が含まれます。
月次では減っている
前年比では10.7%増ですが、6月末の31兆1,290億ペソからは1.33%減りました。7月単月では資産が縮んでいます。
前年比では増えているが、前月比では減っている。
貸出の中身
貸出の内訳は7月の銀行貸出が10.4%増という既報で扱いました。要点だけ再掲します。
- ユニバーサル銀行と商業銀行の貸出残高は前年同月比 10.4%増(6月は9.8%)
- 事業向けは+9.8%。電力・ガス、製造業、金融サービス、情報通信が伸びた
- 消費者向けは17.1%増。ただしクレジットカードと自動車ローンは弱含み
- 広義流動性(M3)は20兆5,000億ペソで+10.3%(6月は10.7%)
貸出が10.8%伸び、預金は7.9%。調達より運用が先に伸びています。
日系企業にとっての読みどころ
見どころは、資産が10.7%伸びるなかで自己資本が3.8%しか伸びていないことです。
資本を積まずに資産を伸ばせば、1単位の資本が支える資産は増えます。景気が良いうちは収益性の指標が上がりますが、不良債権が出たときの耐性は下がります。
現地で銀行と取引する日本企業にとっては、貸出が積極的に伸びている局面だと読めます。事業向け貸出が伸びている分野は電力・ガス、製造業、金融サービス、情報通信で、いずれも日系企業の事業領域と重なります。
一方、経常赤字がGDP比6.4%まで広がり、政策金利は8月に5%へ引き上げられました。調達コストが上がるなかで貸出を伸ばしている点は、頭に置いておく必要があります。不良債権比率は7月に3.35%で、悪化しているのは個人向けです。
1ペソ=2.49円で換算しています(2026年9月4日時点)。
SOURCES / 出典
- The Philippine StarメディアBank assets rise to P30.7 trillion in Julyphilstar.com
- Daily TribuneメディアBank loans grow faster as money supply slows in Julytribune.net.ph
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