PHILIPPINES STARTUP
INSIGHTS日本 × フィリピン

フィリピンの法人税ゼロは、もう大手日本企業の得になっていない

フィリピンの経済特区に入ると数年間は法人税がゼロになります。ところが日本は2024年4月から、税負担の軽い海外子会社の分を親会社に課税し始めました。フィリピンには自国で先に取る制度がないため、免除された分は日本に納めることになります。下院の調査によれば、売上上位1%の法人の実効税率の中央値は5〜6%しかありません。

INSIGHTS市場分析

英語と安さで選ばれたフィリピンの画面に、世界の口座と診療記録が映っている

フィリピンのコールセンターが選ばれてきた理由は、英語が通じて安いことです。業界団体自身の資料がそう書いています。ところがそこに届いているのは、世界の銀行と医療のユーザーからの問い合わせでした。選ばれた理由と任されている中身が噛み合っていません。2年で2度、オーストラリア企業の顧客情報がマニラを経路に抜かれ、アナリストは「顧客はリスクを拠点の所在地で値付けする」と言います。

INSIGHTS日本 × フィリピン

三井住友は、なぜフィリピンの同じ財閥に5年で4回も出資したのか

日本の三井住友グループが、フィリピンで5年に4回、同じ企業グループの会社に出資しています。銀行に3回、そのリース会社、そして風力発電会社。フィリピンでは外国企業が銀行を100%買えるのに、三井住友は4分の1弱で止めています。買い取るつもりがないなら、何を狙っているのか。会社そのものより、その財閥が持つ顧客基盤でした。

フィリピンのテック・スタートアップを中心に、企業・資金・技術・政策などの最新動向を届ける。

  • 政府・政策

    ニッケル生産で世界2位のフィリピンが、鉱石の輸出から加工へ舵を切る

    マルコス大統領が8月21日に署名した大統領令122号は、重要鉱物の精錬・素材加工・電池製造への投資を呼び込み、許認可を簡素化し、放置された鉱区を取り上げる内容である。DMCI Miningのレイエス社長は産業が良い時期に入りつつあると評価した。フィリピンはニッケル生産で世界2位だが、輸出鉱石の約8割は未加工のまま中国へ向かう。国内でHPAL加工を行う2工場は、いずれも住友金属鉱山が手がけたものである。

    DMCI Mining Corporation住友金属鉱山
  • 2GOが陸と海の移動を1つの予約にまとめる「TraveLink」を開始

    海運大手の2GO Groupが、バス・バン・フェリーを1回の取引でまとめて予約できるサービス「TraveLink」を9月4日に始めた。アジアの旅行予約プラットフォーム12Go Asiaが複数の交通手段をまたぐ予約技術を提供し、2GOが国内の船の路線網を出す。最初の5行程のうち3つは、港を持たない山間の都市バギオを起点にしている。

    2GO GroupInc.LogisticsE-Commerce
  • 提携

    造船の職業訓練センターをザンバレスに、韓国のODAで検討が動き出す

    フィリピン労働雇用省が、造船の職業訓練センターをザンバレス州に設ける構想を進めている。韓国の政府開発援助(ODA)事業として、HD現代重工業と韓国舶用機資材研究院が事業化調査を担い、韓国産業技術振興院と産業通商資源部が管理する。調査は2026年後半に予定され、設置場所はこれから選ぶ。同州には、HD現代が旧韓進の造船所を引き継いで動かすアギラ・スービック造船所がある。

    Department of Labor and EmploymentHD Hyundai Heavy Industries
  • 企業動向

    スールー海のガス鉱区、推定資源量が3倍の8兆立方フィートへ上方修正

    スールー海南西部のサービス契約80番にあるHalcon探鉱対象で、ガスの見込み量が2.6兆立方フィートから8兆立方フィートへ引き上げられた。掘り当てる確率も18%から24%へ上がった。ただしこれは確認された埋蔵量ではなく、掘る前の推定である。ルソン島の電力の約4割を支えるマラムパヤが2027年ごろ枯渇するとされるなか、争いのない海にある鉱区として注目される。PXP Energyの株価は4.04%上昇した。

    PXP Energy CorporationTetragon Energy Ltd.
  • 提携

    PEZAとPrimelectricが覚書、経済特区に専用の配電網を建てる検討へ

    フィリピン経済区庁(PEZA)と、実業家Enrique Razon Jr.氏が率いるPrimelectric Holdingsが覚書を交わした。経済特区のなかに配電設備を建てられるかを検討する内容で、PEZAが優先する特区を選び、Primelectricが採算を調べる。PEZAのPanga長官は「エネルギーの信頼性はもはや電力会社だけの問題ではなく、投資の問題である」と述べている。対象の特区や時期は未定。

    Primelectric Holdings Inc.Philippine Economic Zone Authority
  • 投資

    ACENがザンバレスの太陽光と蓄電池に92億ペソ、子会社2社へ融資

    アヤラ財閥系の再生可能エネルギー会社ACENが、完全子会社2社に合計92億4,000万ペソ(約230億円)の融資枠を設定した。SanMar Solarには最大60億ペソで、出力50万キロワット・容量100万キロワット時の蓄電池を既存の太陽光発電所に組み合わせる。GIGA ACE 8には最大32億4,000万ペソで、パラウィグの300メガワット太陽光と送電線・変電所に充てる。

    ACEN CorporationSanMar Solar Inc.
DATABASE

フィリピンの企業を、産業と資本で引く

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868
収録企業
12産業
産業グループ
261
上場企業
173
VC・PE出資

資金の出どころは産業でまるで違います。エネルギー・通信53社のうち37社が上場企業なのに対し、人材・ビジネスサービス81社のうち0。フィリピン経済の古い層と新しい層が、同じ表の中に並んでいます。

上場VC・PE出資非公開・不明

InsightsINSIGHTS

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フィリピン市場で起きている変化を整理・分析し、その背景と可能性を読み解く。

企業分析

ジョリビーとは?値段・メニューと、日本に店舗が無い理由【2026年版】

フィリピンでいちばん店が多いファストフードはマクドナルドではなく、赤い蜂が看板のジョリビー。国内1,600店超で本家の倍近い。ただし世界1万341店のうち、いちばん店数が多いブランドはフライドチキンではなく韓国のコーヒーチェーンである。値段とメニュー、そして日本に店が無い理由を整理する。

企業分析

600社が使ったSalariumは2023年にサービスを無期限停止、倒産も解散もしていない

フィリピンで勤怠から給与の振り込みまでを1つで担っていたSalariumは、2019年時点で約600社が使い、2021年までに2万社へ広げると語っていた会社でした。2023年8月に利用企業が資金を引き出せなくなり、12月31日にサービスを無期限で停止します。ただし倒産も解散もしていません。法人はいまも登記に残ったままです。何が起きたのかをたどります。

市場分析

フィリピンの平均年収は約67万円。職業別の給料ランキングTOP10と最低賃金【2026年版】

フィリピンの平均年収は約67万円。日本の478万円と並べると7.1倍の差がある。ただしこの平均は、日本企業が採用する層の給料ではない。フィリピン統計庁の2024年調査から、職業別の給料ランキングTOP10、産業ごとの相場、日本を上回る速さで進む最低賃金の引き上げを整理する。

2025年のフィリピン最大の資金調達は5億円。それを超えるお金が国外から来る理由

Forbes Asiaの「100 to Watch」に、フィリピンから2社が入りました。並べてみると、フィリピンで大きな資金を集めた会社には共通点があります。お金を出しているのが、ほぼ全部フィリピンの外の投資家です。理由は起業家の考え方ではなく、国内のベンチャーファンドの大きさにありました。

企業分析

マニラで見つけた課題を4か国に広げたKitaが、シードで約7億円を集めた理由

新興国の貸し手向けに与信審査を自動化するKitaが、シードで450万ドル(約7億円)を調達しました。創業者はマニラ出身で、フィリピンの貸し手と働くなかで課題を見つけています。ただし会社はサンフランシスコにあり、稼働しているのはフィリピン・インドネシア・メキシコ・米国の4市場。公開されている顧客6社のうち、フィリピンの貸し手は1社です。この設計の違いが、値段の付き方を変えています。

市場分析

3年で10社が上場廃止になったフィリピンで、2026年の新規上場がゼロである理由

2023年からの3年で、フィリピンの上場企業10社が取引所での売買をやめました。サンミゲル系、SM系、パンギリナン系、ゴコンウェイ家。この国を代表する資本ばかりです。一方、2026年は1月から8月まで、新しく上場した会社が1社もありません。それでいて、取引所で集まったお金は過去最高に向かっています。この3つが同時に起きる理由を、8月の3つの出来事からたどります。