PHILIPPINES STARTUP
INSIGHTSトレンド

フィリピンの電気代が東南アジアで一番高い、直撃するのは半導体と精密電子の工場

フィリピンの平均電力価格が2026年6月に1キロワット時12.43ペソとなり、シンガポールを抜いて東南アジアで最も高くなりました。この高さが最も重くのしかかる日系企業は、半導体と精密電子の製造業です。単価が原価に乗るうえ、停電が頻発する地域では自家発電を持たされ、製造コストがさらに上がります。しかも影響は、進出をやめた素材・部品産業という形でも現れています。

INSIGHTS市場分析

英語と安さで選ばれたフィリピンの画面に、世界の口座と診療記録が映っている

フィリピンのコールセンターが選ばれてきた理由は、英語が通じて安いことです。業界団体自身の資料がそう書いています。ところがそこに届いているのは、世界の銀行と医療のユーザーからの問い合わせでした。選ばれた理由と任されている中身が噛み合っていません。2年で2度、オーストラリア企業の顧客情報がマニラを経路に抜かれ、アナリストは「顧客はリスクを拠点の所在地で値付けする」と言います。

INSIGHTS市場分析

フィリピンの物価は日本の3分の1?牛乳もクルマも日本より高い【2026年9月】

PHILIPPINES STARTUP編集部の私は、マニラに住んでいたことがあります。週2回外食して、プール付きのマンションに住んだら、生活費は東京とほとんど変わりませんでした。むしろ高い月もありました。100品目を東京と比べたら、「日本の3分の1」に当てはまったのは19品目だけ。牛乳もガソリンもクルマも日本より高い。日本人が住むBGCとマカティの家賃、必要な月額、そして物価上昇がいま企業に何を起こしているかまで書きました。

フィリピンのテック・スタートアップを中心に、企業・資金・技術・政策などの最新動向を届ける。

  • 8月の電力市場の精算をやり直し、最大56%下がる試算

    フィリピンのエネルギー省が、卸電力市場の価格上限を地域別に適用する規制委員会の決定を支持しました。市場運営者は8月分の精算をやり直し、修正後の請求書を9月20日までに出すよう命じられています。試算ではビサヤ54%、ミンダナオ56%の下げ幅です。

    エネルギー省エネルギー規制委員会
  • 人事・人物

    原子力規制庁の初代トップに、7団体がArcilla氏を推薦

    フィリピンの科学・医学・工学の7団体が、新設の原子力規制庁PhilATOMの初代長官にCarlo Arcilla氏を充てるよう大統領に要請しました。同氏は2017年から2026年まで原子力研究所を率い、原子力法の起草にも関わっています。規制機関の人事は、原発計画の前提になります。

    PhilATOMフィリピン原子力研究所
  • 政府・政策

    停電が続くパナイに775メガワット、最初の稼働は2028年

    フィリピンのエネルギー省が、西ビサヤのパナイ島向けに2030年までの電源計画を示しました。合計775メガワット。ただし最初の稼働は2028年で、いま起きている停電には間に合いません。蓄電池253メガワットと、ルソンとつなぐ連系線も並行します。

    エネルギー省NGCP
  • 政府・政策

    ASEANが投資の「量」から「質」へ舵、過去最高の翌年に

    マニラで開かれたASEAN経済相会議で、域内への投資を量ではなく質で測る方針が確認されました。2025年の対内直接投資は2,439億ドルと過去最高。フィリピンはグリーンレーン制度で239件・6兆3,200億ペソを認定し、約42万人の雇用を見込みます。

    フィリピン貿易産業省ASEAN
  • 鶏肉の輸入が2027年に78万トンへ、15%増の見込み

    米農務省の見通しで、フィリピンの鶏肉輸入が2027年に78万トン(調理前重量換算)になります。2026年の68万トンから14.7%増です。国内生産も192万トンへ5.8%増える見込みですが、外食と食品加工の需要の伸びに追いついていません。

    米農務省フィリピン農業省
  • 企業動向

    First Genが地熱子会社の売却を否定、50億ドルの提案を退ける

    フィリピンのFirst Genが、地熱最大手のEnergy Development Corp.(EDC)を売らないと明言しました。インドネシアのBarito Groupが50億ドル(約7,800億円)でEDC買収を打診していたものです。First Genは今後5年で最大1,600億ペソを投じ、うち700億ペソを地熱に振り向けます。

    First GenEnergy Development Corp.
DATABASE

フィリピンの企業を、産業と資本で引く

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868
収録企業
12産業
産業グループ
261
上場企業
173
VC・PE出資

資金の出どころは産業でまるで違います。エネルギー・通信53社のうち37社が上場企業なのに対し、人材・ビジネスサービス81社のうち0。フィリピン経済の古い層と新しい層が、同じ表の中に並んでいます。

上場VC・PE出資非公開・不明

InsightsINSIGHTS

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フィリピン市場で起きている変化を整理・分析し、その背景と可能性を読み解く。

フィリピンの法人税ゼロは、もう大手日本企業の得になっていない

フィリピンの経済特区に入ると数年間は法人税がゼロになります。ところが日本は2024年4月から、税負担の軽い海外子会社の分を親会社に課税し始めました。フィリピンには自国で先に取る制度がないため、免除された分は日本に納めることになります。下院の調査によれば、売上上位1%の法人の実効税率の中央値は5〜6%しかありません。

三井住友は、なぜフィリピンの同じ財閥に5年で4回も出資したのか

日本の三井住友グループが、フィリピンで5年に4回、同じ企業グループの会社に出資しています。銀行に3回、そのリース会社、そして風力発電会社。フィリピンでは外国企業が銀行を100%買えるのに、三井住友は4分の1弱で止めています。買い取るつもりがないなら、何を狙っているのか。会社そのものより、その財閥が持つ顧客基盤でした。

企業分析

ジョリビーとは?値段・メニューと、日本に店舗が無い理由【2026年版】

フィリピンでいちばん店が多いファストフードはマクドナルドではなく、赤い蜂が看板のジョリビー。国内1,600店超で本家の倍近い。ただし世界1万341店のうち、いちばん店数が多いブランドはフライドチキンではなく韓国のコーヒーチェーンである。値段とメニュー、そして日本に店が無い理由を整理する。

企業分析

600社が使ったSalariumは2023年にサービスを無期限停止、倒産も解散もしていない

フィリピンで勤怠から給与の振り込みまでを1つで担っていたSalariumは、2019年時点で約600社が使い、2021年までに2万社へ広げると語っていた会社でした。2023年8月に利用企業が資金を引き出せなくなり、12月31日にサービスを無期限で停止します。ただし倒産も解散もしていません。法人はいまも登記に残ったままです。何が起きたのかをたどります。

市場分析

フィリピンの平均年収は約67万円。職業別の給料ランキングTOP10と最低賃金【2026年版】

フィリピンの平均年収は約67万円。日本の478万円と並べると7.1倍の差がある。ただしこの平均は、日本企業が採用する層の給料ではない。フィリピン統計庁の2024年調査から、職業別の給料ランキングTOP10、産業ごとの相場、日本を上回る速さで進む最低賃金の引き上げを整理する。

2025年のフィリピン最大の資金調達は5億円。それを超えるお金が国外から来る理由

Forbes Asiaの「100 to Watch」に、フィリピンから2社が入りました。並べてみると、フィリピンで大きな資金を集めた会社には共通点があります。お金を出しているのが、ほぼ全部フィリピンの外の投資家です。理由は起業家の考え方ではなく、国内のベンチャーファンドの大きさにありました。