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S&Pが2.9%、ADBが3.3%へ。成長見通しの下方修正が続く

KEY POINTS

ニュースの要点
S&Pグローバル・レーティングが、フィリピンの2026年の成長率見通しを4.1%から2.9%へ引き下げました。同時にアジア開発銀行(ADB)も、7月の3.8%から3.3%へ下げています。
この動きの意味
どちらも政府目標の3.5〜4.5%を下回ります。理由は上期の実績が予想より弱かったこと、そして公共投資の落ち込みです。
今後の注目点
ADBの見立てでは、フィリピンは今年、発展途上の東南アジアで下から4番目の成長にとどまります。2027年は両者とも5%台への回復を見込んでいます。

S&Pグローバル・レーティングアジア開発銀行(ADB)が、同じ日にフィリピンの成長見通しを下げました。

数字

2026年のフィリピン成長率の見通し(単位:%
S&P(改定後)
2.9
ADB(改定後)
3.3
政府目標の下限
3.5
S&P(改定前)
4.1

S&Pは4.1%から、ADBは3.8%から引き下げた。政府目標は3.5〜4.5%。

改定後改定前
S&P(2026年)2.9%4.1%
ADB(2026年)3.3%3.8%(7月)
S&P(2027年)5.4%5.8%
ADB(2027年)5.1%5.3%
S&P(2028年)6.0%6.2%

S&Pの下げ幅は、アジア太平洋で最も大きなものです。

理由

S&Pのアジア太平洋担当上級エコノミスト Vishrut Rana 氏は、次のように述べています。

2026年の成長見通しを下げた。上期の成長が予想より弱かったこと、そして回復の道筋がより緩やかになることを映している。経済が足場を取り戻すには、しばらく時間がかかる

Vishrut RanaS&Pグローバル・レーティング アジア太平洋担当上級エコノミスト

ADBは、2026年の下方修正について「公共投資の弱さが寄与した」とし、家計消費も高いインフレと弱い消費者心理のもとで低調だったとしています。

そのほかに挙がった要因です。

  • 中東情勢の長期化
  • 投資の弱さ
  • 高いエネルギー費用
  • エルニーニョによる食品価格の高止まり
  • 公共の資本支出の急な落ち込み

東南アジアでの位置

ADBの見立てでは、フィリピンは今年、発展途上の東南アジアで下から4番目です。

2026年の成長率
ベトナム7.8%
インドネシア5.2%
マレーシア4.9%
ラオス4.0%
東ティモール4.0%
カンボジア3.9%
フィリピン3.3%
ミャンマー2.2%
タイ2.0%
ブルネイ1.2%

ベトナムの半分以下という位置づけになります。

インフレ

2026年2027年
ADB5.9%(据え置き)4.4%(3.9%から引き上げ)
S&P5.5%3.6%

日系企業にとっての読みどころ

2日前にBMIが3.3%へ引き下げたばかりです。今回でADBもBMIと同じ3.3%に並び、S&Pはさらに低い2.9%を示しました。

見通しの束が3%前後へ収束しつつあるというのが、この数日の変化です。9月上旬まではADBの3.8%が上限として残っていましたが、それが下りました。

実務上の含意は、2027年度の計画をどの数字で立てるかです。2.9%と3.3%の差は小さく見えますが、2025年の4.4%からは大きく落ちます。消費財、建設資材、自動車といった内需に連動する事業は、前年比で伸びない前提を置くほうが安全です。

一方、両者とも2027年は5%台への回復を見込んでいます。回復の前提は同じ、公共支出の正常化です。治水事業をめぐる捜査で止まった公共工事が動き出すかどうかに、2027年の数字がかかっています。

SOURCES / 出典

  1. BusinessWorldメディア
    S&P, ADB sharply downgrade Philippine growth outlookbworldonline.com
  2. The Philippine Starメディア
    ADB, S&P cut Philippines growth forecastsphilstar.com

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#S&P#ADB#GDP#公共投資#インフレ#格付け

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