鶏肉の輸入が2027年に78万トンへ、15%増の見込み
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 米農務省(USDA)の見通しで、フィリピンの2027年の鶏肉輸入は78万トン(調理前重量換算)。2026年の改定値68万トンから14.7%増える計算です。
- この動きの意味
- 国内生産も192万トンへ5.8%増える見込みですが、伸び幅では輸入が上回ります。食品加工と外食の需要が、人口増と景気の回復を背景に伸びるためです。
- 今後の注目点
- ブラジルが価格で優位に立ち、輸入の多くを取る見込み。7月時点で機械分離鶏肉(MDM)はブラジル産が全輸入の約66%を占めています。
米農務省(USDA)の年次見通しで、フィリピンの鶏肉輸入が増える予測が示されました。
数字
USDAの年次見通し。2026年は改定値。
| 2027年 | 2026年 | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 輸入 | 78万トン | 68万トン | +14.7% |
| 国内生産 | 192万トン | 182万トン | +5.8% |
輸入は調理前重量(ready-to-cook)換算の数字です。
国内生産も増えるが、輸入の伸びのほうが速い。この差が今回の見通しの骨格です。
なぜ増えるのか
USDAが挙げた理由は需要側です。
- 食品加工業からの需要の増加
- 外食産業からの需要の増加
- その背景にある人口の増加と、2027年の景気の改善見通し
国内生産の伸びを支えるのは供給側の改善です。大手の統合型養鶏事業者と商業農場の拡大、省力化・時間短縮の技術、種鶏の改良、現場の教育が挙がっています。
ブラジルが取る
USDAは「ブラジルからの輸入が、フィリピンの鶏肉輸入全体の大半を占めると見込まれる」としています。理由は価格です。
7月時点で、機械分離鶏肉(MDM。骨から機械で肉を削ぎ取ったもの。ソーセージやナゲットなどの加工品に使う)は、ブラジル産が全輸入の3分の2近く(およそ66%)を占めていました。
米国産も増える見通しです。牽引するのは鶏もも肉(leg quarters)で、ファストフードのメニューに使われます。
EU諸国とカナダからの輸入も増える見通しです。
供給元が広がった理由
もう一つの要因が、地域限定の扱い(regionalization)です。
従来は、ある国で高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が出ると、その国からの輸入を丸ごと止めていました。地域限定の取り決めがあれば、発生した地域だけを止めて、それ以外からは輸入を続けられます。
フィリピン農業省はオランダ、英国、ベルギー、チリとこの取り決めを結びました。ポーランド、英国、チリからの輸入は、これにともなって伸びています。
日系企業にとっての読みどころ
見どころは2つです。
外食と食品加工の需要が伸びると見込まれていること。USDAは2027年の景気改善を前提に置いています。フィリピンで外食や中食を手がける日本企業にとっては、需要側の見通しとして参考になります。
もう一つは、原料の調達先がブラジルに偏っていることです。MDMの66%が一国から来るという構造は、その国の生産や物流に問題が起きたときに直撃します。鳥インフルの地域限定措置で供給元は広がりましたが、価格で選べばブラジルに戻ります。
加工食品を現地で作る事業では、原料の調達先を複線化しておくかどうかが、来年以降のコスト変動への耐性を分けます。
SOURCES / 出典
- The Philippine StarメディアPhilippines chicken imports seen rising next yearphilstar.com
- GMA News OnlineメディアChicken meat imports to PH to increase by nearly 15% in 2027 - USDAgmanetwork.com
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