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銀行の不良債権比率が8月も3.35%、貸出の伸びが不良化を上回る

KEY POINTS

ニュースの要点
中央銀行(BSP)のデータによると、8月末の銀行業界の不良債権(NPL)比率は3.35%で、7月と同じ水準でした。前年同月の3.5%からは下がっています。
この動きの意味
不良債権の残高自体は増えています。前年同月比8.4%増の5,963億ペソ、前月比でも1.8%増。それでも比率が動かないのは、貸出残高が13.2%増の17兆7,830億ペソと、より速く伸びたためです。
今後の注目点
延滞債権比率が7月の4.24%から4.33%へ上がっていること。引当金のカバー率が前年の94.4%から93.17%へ下がっていること。物価と金利が高いまま推移した場合の返済能力。

8月末の銀行業界の不良債権(NPL)比率は 3.35% でした。7月と同じ水準です。

時点不良債権比率
2026年8月末3.35%
2026年7月末3.35%
2025年8月末3.50%

不良債権とは、返済期日から90日以上が過ぎても支払われていない貸出のことです。借り手が返せない可能性が高いとみなされます。

分母が速く伸びている

比率が動かない理由は、分子と分母の両方が増えているからです。

項目8月末前月比前年同月比
不良債権5,963億ペソ+1.8%+8.4%
貸出残高17兆7,830億ペソ+1.63%+13.21%

ユニオンバンクのチーフエコノミストRuben Carlo O. Asuncion氏はこう説明しています。

「不良債権が前年比8.4%増えた一方、銀行業界の貸出は13.2%というより速い伸びを示した。与信の伸びが問題債権の積み上がりを上回り続けているということだ」

同氏は、比率が前年より下がったことは「貸出の規模に対する資産の質の改善」を映すとし、8月の3.35%という横ばいは「厳しい事業環境のもとでも資産の質がおおむね安定していることを示す」と述べました。

延滞は増えている

ただし、比率だけを見ていると見落とすものがあります。

項目8月末7月末2025年8月末
延滞債権7,698億9,100万ペソ7,422億6,600万ペソ6,930億8,500万ペソ
延滞債権比率4.33%4.24%4.41%
再編成債権3,405億8,100万ペソ3,419億6,000万ペソ3,289億1,700万ペソ
再編成債権比率1.92%1.95%2.09%

延滞債権は前月比3.72%増、前年比11.08%増です。比率でも7月の4.24%から4.33%へ上がりました。延滞は不良債権の手前の段階なので、ここが増えていることは先行きの材料になります。

再編成債権は前月比では減っており、比率も下がっています。

備えは薄くなっている

貸倒引当金は5,555億9,600万ペソで、前月比1.8%増、前年比6.99%増。貸出全体に対する比率は3.12%で前月と同じですが、前年の3.31%からは下がっています。

NPLカバー率(不良債権に対する引当金の割合)は 93.17% で、前月と変わらず、前年同月の94.4%からは下がりました。

BSPはBusinessWorldに対し、引当の動きは制度全体の不安や資産の質の悪化を映したものではなく、個人向け貸出の伸びに合わせたリスク管理の一環だと説明しています。

読みどころ

今の構図は単純です。貸出を速く増やしている限り、不良債権が増えても比率は悪く見えない。8月の銀行貸出は11%増で3か月ぶりの速さでした。

Asuncion氏は先行きに留保を付けています。物価の高止まり、金利が長く高いままの状態、経済活動の鈍化が、借り手の返済能力を圧迫し、資産の質を悪化させうるという指摘です。

7月時点では、悪化していたのは個人向けだけでした。クレジットカード残高が23.3%伸びているなかで延滞比率が上がり始めていることは、分母の伸びが止まったときに何が起きるかを示唆しています。

換算は本文の金額が兆・億ペソ単位の金融統計であり、比率の読み取りが主眼のため行っていない。目安として1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)である。

SOURCES / 出典

  1. BusinessWorldメディア
    Philippine banks' bad loan ratio steadies in Augustbworldonline.com
  2. PhilSTARメディア
    Banks' bad loan ratio steady at 3.35% in Augustphilstar.com

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#不良債権#銀行#中央銀行#与信#金融統計#NPL

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