家計消費の伸びが5四半期連続で鈍化。スーパーは年末商戦に期待せず
経済計画開発省のBalisacan長官が、下半期の家計消費について「大きな反転は期待できない。緩やかなものだ」と述べた。第2四半期の家計最終消費支出は2.8%増で5四半期続けての鈍化、2021年1〜3月以来の低さである。物価高と、汚職問題で32.4%減った公共建設が重しになっている。小売の現場は年末商戦に期待していない。
統計、市場調査、経済指標の発表。
経済計画開発省のBalisacan長官が、下半期の家計消費について「大きな反転は期待できない。緩やかなものだ」と述べた。第2四半期の家計最終消費支出は2.8%増で5四半期続けての鈍化、2021年1〜3月以来の低さである。物価高と、汚職問題で32.4%減った公共建設が重しになっている。小売の現場は年末商戦に期待していない。
月1万2,000ペソの電気代に対し年金は8,000ペソ。パンパンガ州の64歳男性は35万ペソで8キロワットピークの太陽光を自力設置し、2年近く請求ゼロを続けている。Meralcoの家庭用料金は1キロワット時14.48ペソで国内4番目の高さ。政府はエネルギー非常事態宣言を受けてネットメータリングの審査を10営業日に短縮した。
保険委員会(IC)によると、フィリピンのプレニード(葬儀・教育・年金の前払い型商品)業界の2026年上半期の純利益が前年同期比52.89%減った。運用収益の落ち込みが理由で、契約販売や保険料収入、資産はいずれも伸びている。ICは金額を開示しておらず、公式データも未公表である。
BusinessWorldがアナリスト20人に聞いた調査で、8月の消費者物価上昇率の中央値は6.0%になった。7月の6.2%から鈍化し、3月の4.1%以来5か月ぶりの低さになる見通し。ただし中央銀行(BSP)の目標3%を超えるのは6か月連続である。8月はフィリピンを4つの台風が襲い、食品価格を押し上げた。
財務省国庫局のデータで、7月の政府の借入総額が前年同月比75.4%増の2,913億7,500万ペソ(約7,580億円)になった。93.1%が国内調達で、財務省証券の発行が中心である。エコノミストは、赤字と償還を賄うための起債の前倒しと時期の集中によるもので、財政の急激な悪化ではないと見ている。
フィリピン統計庁(PSA)の速報値で、7月の製造業の生産者物価指数(PPI)が前年同月比2.983%上昇した。6月の2.980%からわずかに加速し、前年同月の0.1%下落からは反転した。伸びの69%はコークス・石油精製品によるもので、コンピューター・電子・光学製品も5.8%上がった。
中央銀行(BSP)のデータで、2025年に個人が始めた決済の74.91%(件数ベース)がデジタルだった一方、事業者が行った決済は18.75%にとどまった。差は56.2ポイントで、前年の52.4ポイントからさらに開いている。個人側が上がるなかで、事業者側は19.8%から下がった。
預金保険公社(PDIC)のデータで、3月末時点の銀行預金残高が前年同期比9.8%増の22兆400億ペソ(約57兆円)になった。1年前の5.3%増から伸びが加速している。増加額の約4分の3を個人と民間企業が占め、定期預金の伸びが最大だった。口座数は18%増の1億7,860万で、増加分の99%が普通預金である。
鉱山地球科学局(MGB)の速報値で、2026年1〜6月の金属鉱物の生産額が前年同期比41%増の2,021億8,000万ペソ(約5,260億円)になった。金とニッケルの価格上昇が牽引している。ただし金は生産量が12%減っており、値上がりが数量の減少を打ち消した形である。ニッケル鉱石は生産量も25%増えた。
中央銀行(BSP)が8月28日、8月の消費者物価上昇率を5.5〜6.5%と予想した。実現すれば6か月連続で目標を上回る。悪天候による米・野菜・果物・魚の値上がりと高止まりする燃料費が押し上げ要因で、精米の小売価格は前年同月比で約20〜23%高い。統計庁の発表は9月4日である。
フィリピン統計庁(PSA)によると、7月の貿易赤字は前年同月比34.9%増の59億7,000万ドル(約9,500億円)に拡大した。輸出は10.8%増、輸入は19.8%増で、どちらも電子産業が牽引している。電子製品の輸入は61.3%増えて輸入全体の32.6%を占め、鉱物燃料を抜いて最大の輸入品目になった。
日本格付研究所(JCR)が8月28日、フィリピンの格付を投資適格の「A-」で据え置いた。見通しは「安定的」。外貨準備1,108億ドルなどの対外的な備えが外的ショックへの耐性を支えているとみる。2026年の成長率は3%台半ばと予想し、成長は下半期に回復に向かうとした。8月22日にはR&Iも同じA-を維持している。
8月28日、ペソは前日比37.7センタボ安の1ドル62.265ペソで引け、初めて62ペソ台に入った。前日に更新したばかりの61.888ペソをさらに下回る。株式市場も同じ日にPSEiが0.80%安の5,956.33で引け、6月24日以来2か月ぶりに6,000を割った。BSPの3会合連続利上げと、相次ぐ成長率の下方修正が重なった。
予算管理省(DBM)のデータで、2026年上半期のインフラ・資本支出が前年同期比40.8%減の3,674億ペソ(約9,550億円)に落ち込んだ。洪水対策事業をめぐる不正問題を受けて支払い審査を厳格化した影響が続く。一方で財務省国庫局によると7月の財政赤字は前年同月の4.6倍にあたる1,063億ペソ(約2,760億円)に拡大した。支出は社会扶助と防衛・鉄道で膨らんでいる。
ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)が年次協議を終え、フィリピンの2026年の実質GDP成長率見通しを4.1%から3.4%へ引き下げた。政府目標の3.5〜4.5%を下回る。2027年も5.5%から4.8%へ下げており、政府が掲げる5〜6%に届かない。投資の落ち込みと高いインフレが理由である。
デ・ラ・サール大学の経済学者らが、フィリピンの長期的な成長率が6%を超えることは難しいとの試算を示した。2040年に約5.1%、2050年に約3.6%、2024〜2050年の平均は4.8%になるという。政府が掲げる6.5〜8%の目標を下回る。Moody's Analyticsも2026年の予想を3%へ引き下げた。
保険委員会の集計で、2026年上期の損害保険の正味保険料は441億9,000万ペソ(約1,149億円)となり9.96%増えた。一方、純利益は73億7,000万ペソで44%増と、保険料の4倍以上の速さで伸びている。自動車保険が保険料の約4割を占める。前日に伝えた生命保険とは対照的な収益構造になっている。
気候・持続可能都市研究所(ICSC)の試算で、再生可能エネルギーが2024〜2025年の2年間で電力費を992億ペソ(約2,579億円)押し下げたとされる。卸電力市場の価格を1キロワット時あたり0.3916ペソ下げた計算で、8月に発効した固定価格買取制度の負担金の引き上げ幅を上回る。
フィリピン統計庁の速報値で、2025年の1世帯あたり平均年間所得が41万1,350ペソ(約107万円)となり、2023年から16.5%増えた。一方、支出は24.7%増と所得を上回っている。所得の54.6%は賃金で、海外からの送金は8.5%。地域差も大きく、首都圏とバンサモロ自治地域では2倍以上の開きがある。
アジア開発銀行(ADB)が、フィリピンの中小零細企業が受けている銀行融資は全体の4%未満にとどまると指摘した。中小零細は登録事業所の99.5%を占め、労働者の6割超を雇い、GDPの3分の1以上を生んでいる。報告された中小企業向け融資の83%以上は首都圏に集中する。資金の不足は670億〜1,800億ペソと推計されている。
シンガポールのOCBCが、フィリピンの2026年の成長率予想を3.8%から3.2%へ引き下げた。実現すればASEAN5でタイに次いで低く、コロナ禍を除けば17年ぶりの低さになる。ベトナムは8.2%へ引き上げられており、域内の差が開いている。4〜6月期の成長率は2.3%で、4四半期続けて鈍化した。
Cushman & Wakefieldの集計で、マニラのデータセンターの開発計画が2026年上期に13%縮み97メガワットになった。稼働中の設備は22%増えたが、コロケーションの空室率は43.6%で、調査対象となったアジア太平洋15市場のうち最も高い。域内全体が開発を急拡大させるなかで、マニラだけが逆を向いている。
業界団体CAMPIとTMAの集計で、7月のフィリピンの新車販売は3万7,319台となり前年同月比2.5%減った。1〜7月は10.2%減。一方、電動車(xEV)は7月に7,086台で161.8%増え、月間販売の29.5%を占めた。電池式EVは13倍を超える伸びで、首位はVinFastだった。
フィリピン経済区庁(PEZA)が承認した投資額が、2026年1〜8月で2,164億7,000万ペソ(約5,628億円)となり、前年同期の2.05倍になった。196件で、雇用2万6,994人、輸出見込み66億ドルを伴う。投資元はフィリピン国内が最多で、オランダ、韓国、シンガポール、台湾が続く。日本は上位5位に入っていない。
Knight Frankの集計で、マニラの一等地オフィスの入居コストが1平方フィートあたり年27.87ドルとなり、アジア太平洋の24市場で3番目に低い水準となった。賃料は前年同期比0.9%減。一方Colliersによれば、4〜6月期の成約面積は前期比24%減で、地方は2022年以来もっとも弱い上期だった。
保険委員会の集計で、2026年1〜6月の生命保険料収入が2,299億8,000万ペソ(約5,980億円)となり、前年同期から17.91%増えた。変額保険が1,500億ペソを占める。一方、業界の純利益は3.42%増の214億2,000万ペソにとどまり、保険金の支払いは19.57%増えている。
Moody'sがフィリピンの格付けをBaa2、見通しを安定的で据え置いた。三大格付け会社のうち安定的な見通しを保つのはMoody'sだけになる。同社は中期的な成長力を評価する一方、2026年4〜6月期の成長率が2.3%と16年ぶりの低さに落ちたこと、利払いが歳入の14%を超えることを課題に挙げた。
不動産大手CBREの調査で、ケソン市のオフィス38万4,300平方メートルのうち55%が未契約と分かった。46%は築5年未満、83%はPEZA認定を受けた床で、条件は悪くない。BGCやマカティではIT-BPMの縮小・移転で空室が増えており、企業は郊外の業務地区へ動いている。
中央銀行(BSP)のデータで、1〜7月のInstaPayとPESONetの送金額が19兆1,620億ペソ(約49.8兆円)、前年同期比44.8%増となった。件数は49億7,600万件で155%増。1件あたりの平均額は6,785ペソから3,851ペソへ43%下がっており、6月の手数料規制が小口の送金を動かしたことがうかがえる。
フィリピンの保険浸透率が2026年第2四半期に1.96%となり、前年同期の1.79%から上がった。収入保険料は16.2%増の2,829億ペソ(約7,355億円)。1人あたりの保険料は2,468ペソで15.2%増えたが、保険監督庁の目標2.0%にはまだ届かない。