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フィリピンの成長率、目標を3.5〜4.5%へ下げた後も届かないとの見方

KEY POINTS

ニュースの要点
政府が2026年の成長率目標を5〜6%から3.5〜4.5%へ下げたのに対し、マカティ・ビジネスクラブのEdgar Chua会長はそれも下回りうるとした。4〜6月期の実績は2.3%で5年ぶりの低さ、上半期は2.6%である。
この動きの意味
逆風の中心が民間から政府に移っている。中東情勢による燃料高に加え、治水事業の汚職が歳出の執行を鈍らせているという指摘で、経営者団体は景気対策と同じ列に情報自由法や反政治王朝法といった統治機構の改革を並べた。
今後の注目点
7〜9月期の成長率が2%台から戻るか。政府の支出執行が巻き返すか。UA&Pが前提にした原油の落ち着きが、9月8日の燃料値上げでどう崩れるか。治水汚職の捜査が歳出にどこまで影響するか。

フィリピン政府は2026年の成長率目標を、当初の5〜6%から 3.5〜4.5% へ引き下げている。経済界からは、その下げた目標にも届かないという声が出てきた。

経営者団体マカティ・ビジネスクラブ(MBC)のEdgar Chua会長は、2026年の成長は政府目標より遅くなりうるとの見方を示した。

実績を見ると、その懸念には根拠がある。4〜6月期の実質GDP成長率は 2.3% で、5年ぶりの低さだった。上半期の平均は2.6%である。

主体2026年の見方
政府(当初の目標)5〜6%
政府(改定後の目標)3.5〜4.5%
マカティ・ビジネスクラブ3.5〜4.5%を下回る
RCBC3〜4%(歳出の巻き返しが前提)
実績(1〜6月)2.6%

逆風は、外と中の両方から来ている

MBCが挙げた要因は3つである。

ひとつは 中東情勢で、エネルギーと商品価格を押し上げている。8月のインフレ率が6.1%まで下がってもディーゼル燃料が55.7%高だったのは、この経路によるものである。

もうひとつが 治水事業をめぐる汚職問題である。これが政府支出への信頼を損ない、結果として歳出の執行を鈍らせている。政府がお金を使えなくなると、そのぶん成長率が落ちる。

3つめが 投資家心理の冷え込みで、1〜5月の海外直接投資が33.4%減ったことと同じ現象を別の角度から見たものになる。

一方で、10〜12月期に4%超という見方もある

悲観一色ではない。ここで比べる期間の粒度が変わることを断っておく。

アジア太平洋大学(UA&P)が8月に出した市場分析レポートは、10〜12月期の四半期成長率が4%を超えうるとした。年間の見通しではなく、年末の3か月についての予測である。

根拠として挙げているのは次のものである。

  • 政府のインフラ支出が大きく戻ること
  • 6月時点の就業者数が5,080万人と高水準にあること
  • 輸出が堅調なこと
  • 海外で働くフィリピン人からの送金
  • 原油価格の落ち着き

ただし最後のひとつは、すでに前提が崩れかけている。9月8日から燃料価格が1リットルあたり最大5ペソ(約12円)上がるためである。イラン情勢の再燃が理由で、UA&Pが想定した「原油の落ち着き」とは逆の方向に動いている。

UA&Pは2027年については5〜6%への加速を見込んでおり、これは政府目標と一致する。

経営者団体が求めたのは、景気対策ではなかった

MBCの提言の並びが、この局面の性格をよく表している。

景気の側では、政府支出の加速、インフラと教育への投資を求めた。ここまでは通常の要望である。ところが同じ提言に、制度の話が並んでいる

  1. 情報自由法(政府の情報公開を義務づける法律)の成立
  2. 銀行秘密法(預金情報の秘匿を定める法律)の改正
  3. 反政治王朝法(一族による公職の独占を制限する法律)の成立
  4. 官民連携事業を、収益ではなく 最低コストとサービスの質で選ぶこと

経営者団体が景気対策と同じ列に統治機構の改革を置いたのは、治水汚職が示したものが一過性の不祥事ではないと見ているからだろう。Chua会長は、多くのフィリピン人を貧困から引き上げるには 7% の成長が要るとも述べています。実績2.6%との距離は大きい。

RCBCのエコノミストMichael Ricafort氏は、政府が支出の遅れを取り戻せば2026年通年で3〜4%はありうるとしている。鍵は民間ではなく、政府がお金を使えるかどうかに移っている。

換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。

SOURCES / 出典

  1. PhilSTARメディア
    MBC: 2026 growth unlikely to meet government targetphilstar.com
  2. PhilSTARメディア
    Philippines may post above 4% growth in Q4 – UA&Pphilstar.com

参考(本文の補足)

  1. Makati Business ClubMakati Business Club
  2. UA&PUniversity of Asia and the Pacific

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#GDP成長率#マカティ・ビジネスクラブ#UA&P#治水汚職#財政支出#マクロ経済

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