7月の銀行貸出が10.4%増、企業向けが伸び個人向けは鈍る
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 主要銀行の貸出残高が7月に前年同月比10.4%増え、6月の9.8%から加速しました。残高は約15兆ペソ(約37兆円)です。企業向けは12兆6,000億ペソで9.8%増、個人向けは2兆ペソで17.1%増でした。
- この動きの意味
- 中央銀行が借入の増えた分野として挙げたのは、電力・ガス・蒸気・空調、卸小売、製造、金融・保険、情報技術です。設備や在庫に資金が向かっている形で、個人向けはクレジットカードと自動車ローンの伸びが弱まり、家計の慎重さが出ています。
- 今後の注目点
- 政策金利5%のもとで貸出の伸びが続くか。個人向けの鈍化が広がるか。7月に6%へ上がった失業率が返済に影響するか。マネーサプライの伸びがさらに落ちるか。
フィリピンの主要銀行の貸出残高が、7月に前年同月比 10.4%増えました。6月の9.8%から加速しています。残高はおよそ 15兆ペソ(約37兆円)です。
中身は方向が分かれています。
| 残高 | 伸び率(7月) | 伸び率(6月) | |
|---|---|---|---|
| 企業向け | 12兆6,000億ペソ(約31兆円) | 9.8% | 9.2% |
| 個人向け | 2兆ペソ(約5兆円) | 17.1% | 17.8% |
企業向けが加速し、個人向けは鈍りました。
借りているのはどの業種か
中央銀行(BSP)が、借入の増えた分野として挙げたのは次のとおりです。
- 電力・ガス・蒸気・空調
- 卸売と小売
- 製造
- 金融・保険
- 情報技術
電力が筆頭に来ているのは、廃棄物発電400メガワットやバイオマス160メガワットの入札、大規模太陽光と蓄電池への投資が続いている流れと重なります。発電所を建てるには先に資金が要ります。
情報技術が入っているのも、AI基盤に344億ドル(約5兆3,600億円)を投じる国家計画が動き出す局面と整合します。
個人向けの鈍化は、どこに出ているか
伸び率17.1%は水準としてなお高いのですが、鈍った部分がはっきりしています。クレジットカードと自動車ローンです。中央銀行はその理由を、消費者の心理が弱いことに求めています。
自動車については、実際の販売にも出ています。1〜7月の新車販売は24万1,725台と前年同期から10.2%減りました。ローンの伸びが鈍るのと、車が売れないのは同じことの表と裏です。
そして7月の失業率は6%と4年ぶりの高さになりました。借り手の返済能力という点では、ここから先が本番になります。
金融の全体像
通貨供給量(M3)の伸びは10.3%で、前月の10.7%からわずかに落ちました。貸出は伸びているのに、お金全体の増え方は緩んでいます。
UnionBankのチーフエコノミストRuben Carlo Asuncion氏は「企業と家計の双方からの資金需要は健全で、国内の経済活動を支え続けている」との見方を示しました。
中央銀行は8月に政策金利を0.25ポイント引き上げて5%としています。Eli Remolona総裁は、これで引き締めが終わることを期待しつつ、必要ならさらに動く用意があるとしていました。金利が5%でも企業が借りているという事実は、いまの局面では前向きな材料に数えられます。
換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアPH bank lending accelerates as business loans pick upbusiness.inquirer.net
- PhilSTARメディアCredit growth rebounds to 2-month high in Julyphilstar.com
参考(本文の補足)
- Bangko Sentral ng PilipinasBangko Sentral ng Pilipinas
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