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ビサヤとミンダナオの卸電力価格が20年で最高、ルソンは逆に34%下落

KEY POINTS

ニュースの要点
8月の卸電力市場の平均価格が、ビサヤで1キロワット時18.59ペソ(前月比64.9%上昇)、ミンダナオで19.56ペソ(88.2%上昇)となりました。市場が動き始めた2006年以降で最も高い水準です。全国平均は9.29ペソで11.8%の上昇でした。
この動きの意味
要因は石炭火力を中心とした発電所の計画外停止が重なったことで、供給力は4.1%減って1万9,739メガワットになりました。一方でルソンは4.80ペソへ34.2%下がっており、同じ国のなかで約4倍の価格差が生じています。
今後の注目点
9月の電気料金にどこまで転嫁されるか。停止した石炭火力がいつ復帰するか。二次価格上限の地域別適用が見直されるか。ビサヤの供給警報が収まるか。

8月の卸電力市場(WESM)の価格が、地域によって正反対に動きました。

地域8月の平均前月比
ミンダナオ19.56ペソ(約49円)+88.2%
ビサヤ18.59ペソ(約46円)+64.9%
ルソン4.80ペソ(約12円)-34.2%
全国平均9.29ペソ(約23円)+11.8%

ビサヤとミンダナオの水準は、この市場が動き始めた 2006年以降で最も高いものです。20年で最悪の値ということになります。

同じ国で、4倍の差がついた

目を引くのは地域差です。ミンダナオの19.56ペソに対し、ルソンは4.80ペソ。約4倍の開きがあります。

原因は供給側にあります。石炭火力を中心に、発電所の計画外停止が重なりました。全国の供給力は4.1%減って1万9,739メガワットになっています。ビサヤでは供給が細る黄色警報と赤色警報が繰り返し出され、ミンダナオでも石炭設備の強制停止で需給が逼迫しました。

卸電力市場は地域ごとに需給を突き合わせて価格を決める仕組みなので、発電所が止まった地域だけが跳ね上がります。ルソンが下がったのは、大規模太陽光と蓄電池の稼働が進んでいることと無関係ではないと見られます。

価格の上限は、効きにくかった

制度上の歯止めは存在します。72時間の平均が1キロワット時12.41ペソを超えると、二次価格上限の7.423ペソが発動します。8月はこれが何度か作動しました。

ただし効き方には限界がありました。この上限は 地域別ではなく全国一律で判定されるため、ビサヤやミンダナオだけが高騰している状況では十分に働きません。

請求書に乗るのは9月

この価格は、そのまま消費者に届きます。

対象となるのは7月26日から8月25日の検針期間で、9月の請求から反映されます。電気料金のうち発電にかかる費用は、通常は請求額の半分を超えます。

IEMOPの取引業務担当バイスプレジデントIsidro Cacho Jr.氏は、卸電力市場への依存度が高い需要家について「値上がりを見込んでおくべき」としています。

事業への効き方

フィリピンの電気代は6月時点で東南アジアで最も高くなっていましたが、今回の数字はそれが全国一律の話ではないことを示しています。

ルソンに工場を置く企業と、ビサヤやミンダナオに置く企業とで、8月の電気代はまったく違う動き方をしました。電気を大量に使う事業ほど、この差は原価に直接乗ります。立地を検討する際に見るべきは全国平均ではなく、その系統の需給と発電所の構成だということになります。

換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。

SOURCES / 出典

  1. PhilSTARメディア
    Power spot prices highest in 20 yearsphilstar.com
  2. Philippine Daily Inquirerメディア
    VisMin consumers brace for higher power rates in Septemberbusiness.inquirer.net

参考(本文の補足)

  1. Philippine Daily InquirerBrownouts loom as Visayas grid hits red alert again
  2. IEMOPIndependent Electricity Market Operator of the Philippines

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#WESM#卸電力価格#ビサヤ#ミンダナオ#電力供給#IEMOP#停電

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