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IEAがフィリピンの石炭需要は2030年に15%増と見込む、発電の6割

KEY POINTS

ニュースの要点
国際エネルギー機関(IEA)が、フィリピンの石炭需要は2026年に約4,700万トンで横ばい、2030年には15%増の5,400万トンになると見込みました。ASEAN全体では2026年に約5億7,400万トンに達します。
この動きの意味
石炭はフィリピンの電源構成の約6割を占めます。中東情勢で燃料市場が逼迫し、電力の非常事態が続くなかで、政府は既存の石炭火力を最大限動かす方向にあります。新設の凍結には例外があり、これから300万〜500万kWが加わる見込みです。
今後の注目点
例外扱いの案件がどれだけ実際に建つか。再エネ比率35%(2030年)の目標と石炭の増加が両立するか。石炭価格とペソの動きが電気料金にどう跳ねるか。

国際エネルギー機関(IEA)が、フィリピンの石炭需要の見通しを示しました。

時点需要
2026年4,700万トン(ほぼ横ばい)
2030年5,400万トン(2026年から 15%増
(参考)ASEAN全体・2026年5億7,400万トン

ASEAN全体の伸びは、主に電力部門、とくにインドネシアとベトナムが牽引するとされています。フィリピン、インドネシア、ベトナムの電力需要の増加が、域内の石炭消費を押し上げる構図です。

発電の6割が石炭

フィリピンの事情は、数字がはっきりしています。石炭は電源構成の 約60% を占め、域内でも石炭への依存が強い電力系統のひとつです。

IEAは「フィリピンの石炭火力はすでに高い稼働率で動いており、それが需要を支えている」としています。

エネルギー省のSharon Garin長官は、石炭が「依然として最も安い選択肢のひとつ」だと述べています。中東での供給の混乱で世界の燃料市場が逼迫し、電力の非常事態が続くなかで、政府は石炭設備の稼働を最大化する方向にあります。

2020年の「新設凍結」には例外がある

フィリピンは2020年に石炭火力の新設を凍結しました。ただし すでに稼働している設備と、決定済みの案件は対象外です。

この例外扱いの案件について、政府は作業計画を伴う石炭の移行計画をまとめる予定で、300万〜500万kWの新しいベースロード電源が加わる見込みとされています。

凍結しているのに増える、という状態です

日系企業にとっての読みどころ

3つの前提が同時に成り立っています。

  1. 電気は当面、石炭で作られる。再エネ比率の目標は2030年に35%、2040年に50%だが、現在は25%
  2. 石炭は「安い」とされているが、フィリピンの電気代は東南アジアで最も高いその理由は電源構成だけでなく税制にもある
  3. 石炭は輸入に頼る部分が大きく、ペソ安が効く

つまり、石炭に依存していることは電気代の安さを意味していません。フィリピンで工場を持つ企業が再生可能エネルギーへ切り替える動きは、環境目標だけでなくコストと調達の安定性の両方から出てきています。

IEAの見通しは、その切り替えが「石炭の減少」としてはまだ表れないことを示しています。増える電力需要の上に再エネが乗り、石炭は減らないという形です。

SOURCES / 出典

  1. PhilSTARメディア
    'Coal demand likely to keep steady pace'philstar.com
  2. PhilSTARメディア
    Philippines coal demand seen growing 15% by 2030philstar.com

参考(本文の補足)

  1. 国際エネルギー機関Coal Mid-Year Update 2026

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#石炭#IEA#電力#エネルギー#ASEAN#脱炭素

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