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6月の海外直接投資は35%増、それでも上半期は18%減という読み方

KEY POINTS

ニュースの要点
6月の海外直接投資の純流入は4億4,700万ドルで、前年同月の3億3,100万ドルから35.1%増えました。ただし5月の6億3,800万ドルからは約3割減で、上半期の合計は33億8,000万ドルと前年同期比17.8%の減少です。
この動きの意味
上半期に減った中身は、グループ内の貸付が25.8%減、再投資利益が19.4%減。増えたのは株式の純流入だけで59.4%伸びました。米国の高金利とペソ安で、親会社が現地法人へ貸す形の資金が回りにくくなっているという説明が出ています。
今後の注目点
中央銀行が見込む通年70億ドルに届くか。上半期で49%しか消化していない残りを下半期で埋められるか。グループ内貸付が戻るか。日本からの出資が続くか。

同じ統計から、正反対の見出しが立ちます。

「6月は35%増」「上半期は18%減」 も、どちらも正しい。比べている相手が違うだけです。

金額比較
6月の純流入4億4,700万ドル(約700億円)前年同月3億3,100万ドルから +35.1%
同上5月の6億3,800万ドルから 約3割減
1〜6月の合計33億8,000万ドル(約5,270億円)前年同期41億2,000万ドルから -17.8%

月次で見れば前年より増え、半期で見れば大きく減っている。この統計は月ごとの振れが大きいので、方向は半期で見るのが妥当です。

減っているのは「貸付」である

上半期の中身を分けると、何が起きているかが分かります。

区分上半期前年比
グループ内の貸付20億6,000万ドル(約3,210億円)-25.8%
再投資利益8億2,900万ドル(約1,290億円)-19.4%
株式の純流入4億8,900万ドル(約760億円)+59.4%

いちばん大きいグループ内の貸付が、いちばん減っています。

海外直接投資と聞くと工場や出資を思い浮かべますが、統計上はこの「親会社などが現地法人に貸すお金」が最大の構成要素です。そしてこれは 金利と為替に敏感です。

アテネオ・デ・マニラ大学のLeonardo Lanzona氏は、世界の金融市場の変動を要因に挙げたうえで、こう説明しています。米国の高い金利とペソ安により、運転資金をフィリピンの現地法人へ貸す形で回す誘因が下がった

つまり、事業を畳んでいるというより、お金の置き場所を変えているという側面があります。ペソが1ドル62.59ペソの史上最安値をつけたことと合わせて読む必要があります。

一方で、株式の純流入だけは59.4%増えました。出資の形で入る資金は増えている。貸付が引き、出資が入るという入れ替わりが起きています。

6月の出し手は、日本が筆頭

6月に株式の形で資金を出した国の上位は、日本、米国、シンガポールの順でした。向かった先は製造業、金融・保険、不動産です。

日本が筆頭に来ている点は、JICAが公共事業道路省と技術協力に署名したことや、ルソン経済回廊に日本が創設国として入っていることと重ねて見る価値があります。

通年70億ドルに届くか

中央銀行は2026年通年の純流入を 70億ドル(約1兆900億円)と見込んでいます。上半期の33億8,000万ドルは、その 49% です。

数字の上では折り返し地点にありますが、下半期に同額を積む必要があります。Reyes Tacandong & Co.のシニアアドバイザーJonathan Ravelas氏は「当面の資金流入は弱いままかもしれないが、長期の展開は、改革をどれだけ実際の投資案件に変えられるかによる」としています。

換算は1ドル=155.9円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。

SOURCES / 出典

  1. Philippine Daily Inquirerメディア
    PH FDI loses momentum amid growth woesbusiness.inquirer.net
  2. PhilSTARメディア
    Foreign investments down 18% in 6 monthsphilstar.com

参考(本文の補足)

  1. Bangko Sentral ng PilipinasBangko Sentral ng Pilipinas

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#海外直接投資#FDI#BSP#グループ内融資#マクロ経済#日本

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