7月の海外送金が32億ドルで7か月ぶりの高水準、日本は4番目
KEY POINTS
- ニュースの要点
- フィリピンへの現金送金が7月に32億4,000万ドルとなり、2025年12月以来7か月ぶりの高さになりました。前年同月比1.9%増です。1〜7月の累計は203億9,000万ドルで2.3%増でした。
- この動きの意味
- 送金はフィリピンの個人消費を支える最大の外貨の流れです。ペソ安が進む局面では、同じドルがより多くのペソになるため、受け取る側の手取りは増えます。中東情勢による混乱があっても水準は保たれています。
- 今後の注目点
- 通年で中央銀行の見通し366億ドルに届くか。ペソ安が送金の前倒しを促すか。日本からの送金比率が上がるか。
フィリピンへの 現金送金が7月に 32億4,000万ドル(約5,051億円)となり、2025年12月以来7か月ぶりの高さになりました。前年同月の31億8,000万ドルから 1.9%増です。
1〜7月の累計は 203億9,000万ドル(約3兆1,800億円)で、前年同期の199億3,000万ドルから 2.3%増でした。
送金元の内訳
1〜7月の送金元の構成は、次のとおりです。
| 順位 | 国・地域 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | 米国 | 39.7% |
| 2 | シンガポール | 7.1% |
| 3 | サウジアラビア | 6.3% |
| 4 | 日本 | 5.0% |
| 5 | 英国 | 4.7% |
| — | その他 | 37.1% |
日本は4番目の送金元です。技能実習や特定技能でフィリピン人労働者を受け入れる企業にとって、この比率は自社の外にある事実ではありません。
就労形態別では、陸上就労者が163億5,000万ドル(2.4%増)、海上就労者が40億4,000万ドル(2.0%増)です。海上就労者についてはシンガポールが10.3%で最大の送金元になります。
銀行以外の経路も含む 個人送金は、7月が36億ドルで2.0%増、1〜7月が227億3,000万ドルで2.3%増でした。
伸び率は高くない
水準は高いものの、伸びは力強いとは言えません。
RCBCのチーフエコノミストMichael Ricafort氏は、この伸び率を「2022年5月以降の4年余りで最も遅い部類」だと指摘しています。一方で7月は月次としては過去4番目に高く、学校の新学期に伴う出費が押し上げたとしています。
中東情勢の影響については、混在しているという見方です。インフレの加速という逆風がある一方で、ドル高が送金の誘因になるという面があります。
ペソ安が効く方向
ここが日系企業にとっての読みどころです。
送金はドル建てで届き、ペソに替えられて使われます。ペソが下がれば、同じドルがより多くのペソになります。ペソは1ドル62.86ペソで過去最安値を更新したばかりで、Ricafort氏は2月28日から9%下げたとしています。
つまり、送金の伸びが鈍くても、受け取る世帯の手取り(ペソ建て)は増えます。消費財や小売を扱う企業にとって、この点は需要の見方に関わります。ただし同時に輸入物価も上がるため、購買力の正味の変化は品目によって違います。
中央銀行は2026年通年の送金を 366億ドル(約5兆7,100億円)と見込んでいます。2025年の356億3,000万ドルという過去最高からの積み増しです。
換算の基準は1ドル155.9円(2026年9月4日時点)です。
SOURCES / 出典
- Fintech News PhilippinesメディアPhilippines Cash Remittances Rise to US$3.24 Billion in July 2026fintechnews.ph
- Daily TribuneメディアOFW remittances reach $20.39 billion in first seven months — BSPtribune.net.ph
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