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フィリピンの企業景況感が7月に0から-20.3へ急落、中東情勢と燃料高が重荷

KEY POINTS

ニュースの要点
中央銀行の企業景況調査で、7月の当月分の景況感指数が6月の0から-20.3へ落ちた。悲観派が楽観派を20.3ポイント上回る状態である。調査は7月7日から31日に全国506社に行われた。
この動きの意味
企業が挙げた理由は中東情勢の再燃と燃料高に加え、競争の激化、需要不足、そして高い金利だった。物価を抑えるための3会合連続の利上げが、借入で回す事業に逆風として効く構図が数字に出ている。
今後の注目点
8月分の調査で符号がプラスに戻るか。3か月以内の事業拡大計画が13.6%からさらに下がるか。増員計画の11.0%が実際の雇用につながるか。企業が見込む1年先のインフレ率5.6%が下がるか。

中央銀行(BSP)が公表した企業景況調査で、7月の当月分の景況感指数が -20.3 に沈んだ。6月はちょうど0だったので、1か月で20ポイント超の悪化になる。

この指数は「事業環境が良くなる」と答えた企業の比率から「悪くなる」と答えた比率を引いたものである。0は楽観と悲観がちょうど拮抗している状態で、-20.3は悲観派が楽観派を20.3ポイント上回ったことを意味する。調査は7月7日から31日にかけて全国506社に対して行われた。

見ている期間6月7月
当月0-20.3
先行き3か月18.83.7
先行き12か月42.429.4

3つの期間すべてで下がったが、符号が変わったのは当月だけである。先行き12か月は29.4とプラスを保っており、企業は「いまは苦しいが、1年後はまだ良い」と見ている。

何が重荷になったのか

企業が挙げた理由は、中東での緊張の再燃と、高止まりする燃料価格だった。これに国内側の要因が重なる。競争の激しさ、需要の不足、そして高い金利である。

金利については、BSPが4月・6月・8月と3回続けて0.25ポイントずつ引き上げ、政策金利は5%になっている。物価を抑えるための利上げが、借入で回す事業には逆風として効く構図である。企業が見込む1年先のインフレ率は5.6%で、6月から変わらなかった。BSPの目標圏である2〜4%の上限を上回ったままである。

悲観のなかで、採用の計画だけは増えた

景況感の悪化と噛み合わない数字がひとつある。雇用計画である

計画の中身6月7月
3か月以内に増員する企業1.8%11.0%
12か月以内に増員する企業20.2%
3か月以内に事業拡大する企業20.4%13.6%
12か月以内に事業拡大する企業18.7%20.8%

3か月以内の事業拡大は20.4%から13.6%へ減った。ところが3か月以内に人を増やすと答えた企業は1.8%から11.0%へ増えている。設備や店舗を広げる計画は先送りしつつ、人手は確保しに動いているという読み方ができる。12か月先の拡大計画も18.7%から20.8%へわずかに増えた。

目先の悲観と、1年先の構えを分けて見る必要がある。

製造業の指標とは、方向が逆に出ている

ここで比べる対象の粒度が変わることを断っておく。この調査は全国506社を業種横断で聞いたもので、7月の数字である。

一方、8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は54.9と10年ぶりの高さだった。こちらは製造業に限った指標で、月も1か月あとになる。測っている対象も期間も違うので、どちらかが誤りというわけではない

ただ、この2つを並べると見えることがある。製造の現場は動いているが、経営者の側は金利と燃料と需要を見て身構えている。日本の企業がフィリピンで取引先や合弁相手を探すとき、相手が7月に何を見て何をやめたのかは、8月の生産の数字だけでは分からない

SOURCES / 出典

  1. Philippine Daily Inquirerメディア
    Business confidence sinks as geopolitical risks mountbusiness.inquirer.net
  2. BusinessWorldメディア
    Philippine business sentiment turns sour in July amid inflation, war woesbworldonline.com
  3. PhilSTARメディア
    Business confidence collapses in Julyphilstar.com

参考(本文の補足)

  1. Bangko Sentral ng PilipinasBangko Sentral ng Pilipinas

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#企業景況感#BSP#企業景況調査#政策金利#雇用計画#マクロ経済

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