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ウベは世界で売れているのに、作る土地と種芋が足りない

KEY POINTS

ニュースの要点
調査会社BMIが、フィリピンのウベ産業について供給の制約が長引けば現在の成長を保てないと指摘しました。2026年上半期の生産は前年同期の4,838トンから17%増の5,658トンにとどまっています。
この動きの意味
制約は2つあります。種芋の不足と、栽培できる土地の地理的な限界です。加えて9月に始まった生ウベの輸出停止が国内の価格を下げ、農家の作付け意欲をさらに削ぐ可能性があるとしています。
今後の注目点
種芋の供給が増えるか。2027年予算の3億ペソがどこに使われるか。輸出停止が農家の手取りにどう出るか。

フィリピン産の ウベ(紫芋)は、海外で「purple yam」として人気を集めています。ところが、作るほうが追いついていません

生産は増えているが、水準が低い

フィリピン統計庁のデータでは、2026年上半期のウベの生産は 5,658トンでした。前年同期の4,838トンから 17%増です。

伸び率だけ見れば悪くありません。ただし絶対量が小さく、調査会社 BMIは、供給の制約が長引けば現在の成長の勢いを保てないと指摘しています。

制約は2つです。

制約中身
種芋の不足次の作付けに使う植物材料が国内で足りない
土地の制約栽培できる場所が地理的に限られている

農家が動かない理由

BMIが挙げたもうひとつの要因が、農家の様子見です。

農業は多くのフィリピン農家にとって主たる収入源です。だからこそ、新しい作物に切り替える判断は慎重になります。小規模な農家には、作付けを広げるための資金もありません。

「売れている作物だから作る」とは、簡単にはならないという構造です。

輸出停止が、逆に効く可能性

ここが読みどころです。

農業省は9月、生のウベと種芋の輸出を無期限で停止しました。国内の種芋を守り、品種が流出して他国が競合になることを防ぐ狙いです。

ただしBMIは、この措置が 農家の作付け意欲を削ぐ可能性を指摘しています。輸出という販路が閉じれば、国内の紫芋の価格が下がります。価格が下がれば、農家が新たに植える理由も減ります。

種芋を守る措置が、種芋を増やす動機を弱めうるという捩れです。

政府の手当て

マルコス大統領は、2027年の国家予算案でウベ産業の育成に 3億ペソ(約7億5,000万円)を計上しました。9月には業界団体 United Ube PH Association Inc. も設立されています。

BMIは、ウベの世界的な広がりを一時的な消費の流行ではなく「ますます重要な農業上・商業上の機会」だと位置づけつつ、供給側の構造的な課題が長期の持続性を脅かしているとしています。

日系企業にとっての読みどころ

日本でも、ウベを使った菓子やアイスクリームが増えています。原料の調達を考える企業にとって、今回の指摘は実務的です。

生の芋は買えません。輸出が止まっているためです。買えるのは加工品で、その加工品の原料も、国内の生産が上限になります。年5,658トン(上半期)という規模は、大量調達を前提にした商品設計には足りません。

調達を検討するなら、量の確保より、契約栽培のような供給の作り方から入る必要があります。

換算の基準は1ペソ2.49円(2026年9月4日時点)です。

SOURCES / 出典

  1. PhilSTARメディア
    Ube industry growth stalled by supply gapsphilstar.com
  2. PhilSTARメディア
    Government suspends shipments of raw ubephilstar.com

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#ウベ#農業#BMI#輸出#食品#農業省

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