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フィリピンのインフレ率は8月に6.1%へ、それでもコメは19.4%高

KEY POINTS

ニュースの要点
8月の総合インフレ率は6.1%で、7月の6.2%から4か月連続の鈍化。中央銀行の事前見通し5.5〜6.5%に収まった。ただしコメは19.4%高で7月より加速し、ディーゼル燃料は55.7%高と17ポイント上振れした。
この動きの意味
総合の数字が下がったのは食品と電気が緩んだためで、交通と燃料はむしろ上がっている。中東情勢が起点の燃料高はフィリピン国内の政策では止められず、家計の体感と統計の平均値がずれたままになる。
今後の注目点
9月の数字が統計庁の警告どおり再加速するか。10〜12月期にもう一度利上げがあるか。コメの二桁の値上がりが止まるか。ペソ安が輸入物価を通じてどこまで効いてくるか。

フィリピン統計庁(PSA)が9月4日に公表した8月の消費者物価指数によると、総合インフレ率は 6.1% だった。7月の6.2%からわずかに下がり、4か月連続の鈍化になる。中央銀行(BSP)が事前に示していた5.5〜6.5%の範囲に収まった。

ただし、下がったのは平均値であって、家計が毎日買うものの値段ではない。コメは前年同月比で19.4%高く、7月の17.1%からむしろ上がった。ディーゼル燃料は55.7%高で、7月の38.6%から17ポイントも加速している。

8月の品目別インフレ率(前年同月比)(単位:%
ディーゼル
55.7
ガソリン
36.2
コメ
19.4
電気
14.4
交通
13.5
住居・光熱
7.9
総合
6.1
食品
4.6

フィリピン統計庁の8月の消費者物価指数から。

総合が下がったのは、食品と電気が緩んだから

内訳を前月と並べると、どこが効いたのかがはっきりする。

品目7月8月
総合6.2%6.1%
食品5.2%4.6%
住居・光熱8.2%7.9%
電気16.9%14.4%
交通11.9%13.5%
コメ17.1%19.4%
ガソリン34.1%36.2%
ディーゼル38.6%55.7%

食品と電気が緩み、交通と燃料が押し上げる。差し引きで0.1ポイントの低下にとどまった。燃料の高騰は中東情勢によるもので、フィリピン国内の政策では止められない。物価が4月に頂点をつけたのも、この戦争がきっかけだった。

年初からの平均は5.2%で、BSPが目標とする2〜4%の上限をなお上回る。値動きの激しい品目を除いた基調的な物価(コアインフレ率)も4.1%で、7月の4.2%から小幅に下がっただけだった。

統計庁も銀行も、9月からの再加速を見ている

国家統計官のClaire Dennis Mapa氏は、9月の数字に注意を促した。「8月の野菜は前年より安かったが、9月は動きが変わる可能性が高い」と述べています。天候の影響を指している。

Chinabankのエコノミストは「9月から11月にかけて、前年の水準との比較とエルニーニョの影響で、インフレ率はじりじり上がる公算が大きい」との見方を示した。

金融政策の側はすでに引き締めに動いている。BSPは8月27日に政策金利を0.25ポイント引き上げて 5% とした。4月・6月に続く3会合連続の利上げで、1年以上ぶりの水準である。BSPは8月の時点で6%前後の着地を見込んでいた

先行きの見方は分かれる。ING BankのアジアパシフィックリサーチヘッドDeepali Bhargava氏は、10〜12月期にもう0.25ポイントの利上げがあり、インフレ率が目標圏に安定して戻るのは2028年より前にはならないと見る。一方、Pantheon Macroeconomicsの新興アジア担当チーフエコノミストMiguel Chanco氏は、利上げの局面はすでに終わったとし、目標圏への復帰は早ければ2027年3月とする。

同じ6.1%を見て、片方は「あと1回上げる」、もう片方は「もう上げない」と読む。それだけ判断の分かれ目にある。

日本の企業が見るべきところ

数字の水準よりも、下がり方の遅さが効いてくる。

政策金利5%は、フィリピンで事業資金を借りる会社にとって直接の負担になる。物価が目標圏に戻るまで数年かかるという見立てが正しければ、この金利は当面続く。加えてペソは9月4日に1ドル62.59ペソの史上最安値をつけており、輸入コストがさらに物価を押し上げる経路も残っている。

現地で物を売る事業は、コメと燃料が二桁で上がり続ける家計を相手にすることになる。数字上のインフレ率が6%台前半で落ち着いても、消費者の体感は総合の値より上に張り付いたままである可能性が高い。

SOURCES / 出典

  1. Philippine Daily Inquirerメディア
    PH inflation eased further to 6.1% in Augbusiness.inquirer.net
  2. PhilSTARメディア
    Inflation cools to 6.1 percent in Augustphilstar.com
  3. Philippine Daily Inquirerメディア
    Inflation eases to 6.1% in Augustbusiness.inquirer.net

参考(本文の補足)

  1. Philippine Daily InquirerPeso slumps to new record low of 62.59 vs greenback
  2. Philippine Daily InquirerBSP raises policy rate to 5%; peso sinks to new low
  3. Philippine Statistics Authorityフィリピン統計庁

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#インフレ率#消費者物価指数#PSA#BSP#政策金利#コメ価格#燃料価格#マクロ経済

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