フィリピンの保険浸透率が第2四半期に1.96%、収入保険料は16.2%増
KEY POINTS
- ニュースの要点
- フィリピンの保険浸透率(保険料収入のGDP比)が2026年第2四半期に1.96%となり、前年同期の1.79%から上がった。収入保険料は前年同期比16.2%増の2,829億1,000万ペソ(約7,355億円)。
- この動きの意味
- 生命保険が18%増、損害保険が10%増で、伸びの大半は生命保険が作っている。1人あたりの保険料は2,468ペソで15.2%増えた。ただし保険監督庁が掲げる浸透率2.0%には届かず、第1四半期の2.04%からは下がっている。
- 今後の注目点
- 通年で2.0%を超えるか。変額保険(投資型)が15%増、伝統的な生命保険が24%増と、後者の伸びが上回っている点。デジタル起点の新規参入がこの数字をどこまで動かすか。
フィリピンの保険浸透率(収入保険料のGDP比)が、2026年第2四半期に 1.96% となった。前年同期の1.79%から上がっている。保険監督庁(Insurance Commission)の集計による。
ただし直前の第1四半期は2.04%で、そこからは下がった。同庁が掲げる2.0%の目標にも届いていない。
伸びを作っているのは生命保険
業界全体の収入保険料は2,829億1,000万ペソ(約7,355億円)で、前年同期の2,433億9,000万ペソ(約6,328億円)から 16.2% 増えた。
| 区分 | 2026年第2四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 生命保険 | 2,299億8,000万ペソ(約5,979億円) | +18% |
| うち変額保険 | 1,500億ペソ(約3,900億円) | +15% |
| うち伝統的生命保険 | 799億5,000万ペソ(約2,079億円) | +24% |
| 損害保険 | 441億9,000万ペソ(約1,149億円) | +10% |
| 共済(MBA) | 87億3,000万ペソ(約227億円) | +7% |
生命保険が全体の8割を占め、伸び率でも損害保険を上回る。内訳では、投資性のある変額保険(15%増)より、伝統的な生命保険(24%増)のほうが速い。
1人あたりの保険料(保険密度)は2,468.63ペソ(約6,400円)で、前年同期の2,142.19ペソ(約5,570円)から15.2%増えた。
業界の財務
| 項目 | 2026年第2四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2兆7,600億ペソ(約7兆1,760億円) | +8.5% |
| 負債合計 | 2兆2,500億ペソ(約5兆8,500億円) | +9.57% |
| 純資産 | 5,155億5,000万ペソ(約1兆340億円) | +4% |
| 払込資本・保証基金 | 874億4,000万ペソ(約2,273億円) | +2% |
| 支払保険金 | 908億7,000万ペソ(約2,363億円) | +17% |
浸透率2%未満という水準は、東南アジアの中でも低い部類にあたる。市場が薄いということは、伸びしろが残っているということでもある。
円換算は2026年8月21日時点のレート(1ドル=159円、1ペソ=2.6円)による目安です。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアPH insurance penetration inched up to 1.96% in Q2business.inquirer.net
- The Philippine StarメディアInsurance penetration rises on higher premium collectionsphilstar.com
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTS三井住友は、なぜフィリピンの同じ財閥に5年で4回も出資したのか
日本の三井住友グループが、フィリピンで5年に4回、同じ企業グループの会社に出資しています。銀行に3回、そのリース会社、そして風力発電会社。フィリピンでは外国企業が銀行を100%買えるのに、三井住友は4分の1弱で止めています。買い取るつもりがないなら、何を狙っているのか。会社そのものより、その財閥が持つ顧客基盤でした。
600社が使ったSalariumは2023年にサービスを無期限停止、倒産も解散もしていない
フィリピンで勤怠から給与の振り込みまでを1つで担っていたSalariumは、2019年時点で約600社が使い、2021年までに2万社へ広げると語っていた会社でした。2023年8月に利用企業が資金を引き出せなくなり、12月31日にサービスを無期限で停止します。ただし倒産も解散もしていません。法人はいまも登記に残ったままです。何が起きたのかをたどります。
2025年のフィリピン最大の資金調達は5億円。それを超えるお金が国外から来る理由
Forbes Asiaの「100 to Watch」に、フィリピンから2社が入りました。並べてみると、フィリピンで大きな資金を集めた会社には共通点があります。お金を出しているのが、ほぼ全部フィリピンの外の投資家です。理由は起業家の考え方ではなく、国内のベンチャーファンドの大きさにありました。



