ペソが1ドル62.59の史上最安値、インフレ鈍化も歯止めにならず
フィリピン・ペソが9月4日に1ドル62.59ペソで引け、史上最安値を更新した。同じ日にインフレ率の鈍化が発表され株価は上昇したが、通貨だけが逆に振れた。米ドル高と米国の高金利に加え、副大統領への逮捕状で政治の先行きが読みにくくなったことも売り材料になった。経済担当相のBalisacan氏は貿易・経常赤字の拡大という構造要因を挙げ、財政の立て直しと輸出主導への転換が必要だとしている。
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フィリピン・ペソが9月4日に1ドル62.59ペソで引け、史上最安値を更新した。同じ日にインフレ率の鈍化が発表され株価は上昇したが、通貨だけが逆に振れた。米ドル高と米国の高金利に加え、副大統領への逮捕状で政治の先行きが読みにくくなったことも売り材料になった。経済担当相のBalisacan氏は貿易・経常赤字の拡大という構造要因を挙げ、財政の立て直しと輸出主導への転換が必要だとしている。
フィリピン統計庁が公表した8月の総合インフレ率は6.1%で、7月の6.2%から4か月連続の鈍化となった。ただし下がったのは食品と電気で、コメは19.4%高、ディーゼル燃料は55.7%高と加速している。年初からの平均は5.2%と中央銀行の目標2〜4%の上限をなお上回り、政策金利は8月に5%へ引き上げられたばかり。統計庁も市中銀行も9月からの再加速を見込む。
フィリピンSECが、電子マネーGCashを運営するMyntの登録届出書を有効とした。最大923億2,000万ペソ(約2,300億円)の新規株式公開で、想定時価総額は6,689億6,000万ペソ(約1兆6,700億円)とフィリピン史上最大になる。上場は10月20日、銘柄コードはGCASH。市場に出す株の比率は通常の15%ではなく12%で、大型案件向けの緩和措置を使う最初の会社になった。
多国籍企業がフィリピンに置く自社の業務拠点(GCC)で働く人が、2026年に約28万9,000人になる見込みである。2025年は約200拠点で約27万人だった。ColliersとIBPAP、ZMG Ward Howellの共同調査による。担うのは経理、リスク管理、データ分析、サイバーセキュリティ、技術開発など、外部委託とは違う領域である。
セブのリム家が率いる上場石油販売会社Top Line Business Developmentが、東京のEV充電機器メーカー、ジゴワッツと基本合意を結んだ。フィリピンでEV充電設備を展開する計画で、2027年前半の初期展開を目指す。同社はビサヤ地方で23か所の給油所を運営し、27か所の改装を控える。設置場所はまだ検討中である。
フィリピンの政府系ファンド、マハルリカ投資公社の上半期の資本投下が188億ペソに達した。2025年の1年分59億ペソを半年で上回り、219%増えた。内訳は石油精製のPetronへの150億ペソの短期運転資金枠と、港湾運営会社の株式追加取得47億9,000万ペソが中心である。初の資産売却も完了し、年25%の利回りを得た。
4営業日続けて最安値を更新していたペソが、9月4日に62.52ペソへ小幅に戻した。前日の62.565ペソから4.5センタボの上昇である。アナリストは、中央銀行の介入は特定の水準を守るためではなく、物価に響くような急な変動をならすためのものだと指摘する。中央銀行は今年の物価上昇率を6.1%と見込み、年末にかけて食品が押し上げる可能性を挙げている。
フィリピンの国家政府の債務が7月末に19兆3,900億ペソとなり、過去最高を更新した。6月末から1.7%、前年同月から10.39%増えている。この水準はすでに、2026年末の見通しである19兆7,660億ペソの98.09%にあたる。増加の理由は国内外での新規借入と、ペソ安による外貨建て債務の評価替えである。
フィリピンで7-Elevenを展開するPhilippine Seven Corp.が、年内に5,000店に達する見通しを示した。5,000店目はセブ州ラプラプ市で12月3日に開く予定である。4,000店目から2年での到達になる。上半期は純利益が3.8%増の18億4,000万ペソ、全店売上は15.1%増えた。6月末の店舗数は4,650だった。
マレーシアの通信インフラ会社EDOTCO Groupが、フィリピンでの事業拡大を表明した。設備の共用と技術面での提携に重点を置く。フィリピンを地域のなかで優先市場と位置づけている。あわせてフィリピン法人のカントリー・マネージング・ディレクターにSunil Issac氏を指名した。同社は2019年に参入し、現在は全国で約3,000の通信塔を運営している。
フィリピン政府が、9月に予定していた5年物の大型国債の発行を見直している。ペソ安と金利の上昇で調達費用が高くなっているためである。国庫長官は「借入戦略が市場環境の変化に応じたものであり続けるよう再評価している」と述べた。9月には1,000億ペソ超の個人向け国債が満期を迎える。
エネルギー省のGarin長官が、地熱発電で世界2位の座を取り戻すには2,100メガワットの新設が必要で、約126億ドルの投資を集める必要があると述べた。1メガワットあたり600万ドルかかる計算である。政府は掘削費を折半する制度に600億ペソの追加投入を検討しており、アジア開発銀行やランドバンクとの新たな協議に応じる用意があるとした。
メラルコの発電子会社MGENが、2,000億ペソを投じるMTerra Solarの第1期で商業運転を開始した。8月26日付である。送電会社が950メガワットの太陽光と825メガワットの蓄電池を系統につなぐ承認を出した。全体では3,500メガワットピークの太陽光と4,500メガワット時の蓄電池からなり、完成すれば世界最大級の統合型太陽光事業になるとしている。
Savills Philippinesによると、オルティガスセンターの第2四半期のオフィス純成約面積が約1万4,800平方メートルとなり、第1四半期の約2,800平方メートルから5倍以上に増えた。BGCとほぼ同じ水準で、マカティの9,500平方メートル、ケソン市の8,800平方メートルを上回る。賃料はBGCの3分の2以下で、業務受託とテクノロジー企業が需要を支えている。
Moody's Ratingsが、フィリピンのデータセンター建設が2030年までに生む経済効果を試算した。建設段階の年間の押し上げは2025年の名目GDPの0.04%、稼働後でも0.12%にとどまる。雇用への寄与は0.01%で、設備の7割と情報機器の全量が輸入という前提を置いている。同社は電力の確保でフィリピンが対象7市場のうち最も厳しいとした。
財務省が、国際的な最低法人税率の国内版であるQDMTTについて、年平均244億ペソの増収になると試算した。対象は連結売上7億5,000万ユーロ以上で実効税率が15%を下回る多国籍企業グループで、1,001グループ・4,037社が該当する。親会社の国別では日本が24%と最も多い。所得ベースの優遇税制が事実上効かなくなる可能性にも財務省が言及した。
FWD Life Insuranceが、上半期の新契約年換算保険料で首位を維持した。52億6,000万ペソで前年同期比23.5%増、市場占有率は12.2%である。生保業界全体の保険料収入は2,299億8,000万ペソで17.91%増えた。伸びを牽引したのは変額保険だが、伸び率では従来型の24.25%増が上回っている。
Globe TelecomのCarl Cruz社長兼CEOが、傘下のデータセンター事業STT GDCフィリピンについてREITでの上場も選択肢に残ると述べた。具体的な計画はまだない。同社の稼働容量は年末に30〜32メガワットとなり、その時点で全量が使われる見込みである。すべて設備を入れれば124メガワットまで伸びる余地がある。
MUFGグローバルマーケッツリサーチが、ペソの見通しを引き下げた。第3四半期は1ドル62.20ペソ、第4四半期は62ペソで、いずれも従来予想より弱い。ペソは9月3日に62.565の最安値をつけ、4日続けて記録を更新した。同社は貿易赤字と金利差、そして原油価格を主な要因に挙げ、原油が10%上がるとペソは0.9%下がるという目安を示した。
内国歳入庁が、電気料金に含まれる送配電ロス分への付加価値税を撤廃する通達を9月中旬に出す。エネルギー規制委員会が8月26日、この費用を政府が定めた通過費用と位置づけ、発電会社や配電会社の売上に含めないと決めたことを受けた措置である。同委員会は年60億ペソの消費者負担の軽減を見込む一方、財務省は年100億ペソの減収を見込んでいる。
決済のPayMongoと融資のSkyroが提携し、Skyroの与信枠をPayMongoの加盟店でQR Ph経由で使えるようにする。Skyroは政府発行の身分証1枚で使える枠を提供しており、クレジットカードや銀行の信用履歴がなくても利用できる。PayMongoでは上半期の決済額の55%がQR Phで、2025年の16%から急伸している。
ルフトハンザ・テクニック・フィリピンが、建設中のクラーク国際空港の機体整備拠点で最初の顧客を確保した。エミレーツ航空とA380の重整備について2030年までの複数年契約を結んだ。クラークの稼働は2028年の予定で、それまではマニラの既存拠点で作業する。同社はルシオ・タン系のMacroAsiaとドイツのルフトハンザ・テクニックの合弁である。
建設大手Megawide Constructionが政府の住宅計画に参入し、今後3年で283億ペソの上乗せ収入を見込む。First Metro SecuritiesとDBS銀行の試算で、対象は住居のみの1万6,700戸である。2028年には同社の売上の36%を占めると見込まれる。住宅金融のPag-Ibig基金が子会社に100億ペソを永久優先株で出資する。
S&P Globalが発表した8月のフィリピンの製造業購買担当者景気指数(PMI)は54.9で、7月の51.8から上昇した。2016年12月以来の高い伸びで、東南アジアの主要国で最も高い。輸出向けの新規受注は6か月ぶりに増え、雇用も5か月ぶりに増加した。第2四半期のGDPが2.3%だったのとは逆の方向を向いている。
バタンガス州選出の下院議員レアンドロ・レビステ氏が率いるSolar Philippines Power Project Holdingsが、SP New Energy Corp.の株式24億株を1株1.25ペソで売却し、30億ペソを得た。持分は16.30%から11.51%に下がる。買い手は開示されていない。同社はエネルギー省から240億ペソの制裁金を科されている。
ユチェンコ財閥系のPetroGreen Energyが、パンガシナン州ブガロンの25メガワットピークの太陽光発電所について、エネルギー規制委員会から適合証明を取得した。系統に電力を送るために必要な最後の認可にあたる。事業主体のRizal Green Energyは、PetroGreenと日本の大成建設の合弁会社である。建設資金はRCBCからの8億2,600万ペソの融資で賄った。
イロイロを拠点とするCirPro Innovationsが、廃棄されるカラマンシーの皮から液体ペクチンを作っている。ジャムやアイスクリームの安定剤として使う果実由来の材料である。月20キロの皮から15〜18リットルを製造し、年内に年産600リットルへの引き上げを目指す。2024年設立で、日本のリバネスが開くコンテストで2025年の最優秀賞を取っている。
消費者団体マラヤン・コンシュメールが、知的財産庁に対しオンラインで売られる模倣品への取り締まりを強めるよう求めた。健康と安全のリスクを理由に挙げている。LazadaとShopeeは自主的な削除率をそれぞれ85.5%、93.6%と報告しており、貿易産業省も削除命令を出しているが、団体は「十分ではない」としている。
パンギリナン系のMetro Pacific Waterが、今後5年でフィリピンとベトナムの水事業に約230億ペソを投じる計画を示した。水源開発、浄水・配水設備、漏水対策、老朽管の更新が対象になる。同社の処理能力は1日7億9,800万リットルで、2025年の6億6,700万リットルから20%増えた。イロイロでは6,650万リットルの海水淡水化設備も開発中である。
フィリピン最大の外食企業Jollibee Foods Corp.が、分離を進めている海外事業の上場先に香港証券取引所を選んだ。1月の発表時点では米国市場を想定していた。海外事業を保有する持株会社JFCIのCEOには、現・最高財務責任者のRichard Shin氏を指名した。JFC本体はフィリピン証券取引所に残り、国内事業を担う。