建設中のクラーク整備拠点に初の顧客。エミレーツがA380の重整備を2030年まで委託
KEY POINTS
- ニュースの要点
- ルフトハンザ・テクニック・フィリピンが、建設中のクラーク国際空港の機体整備拠点で最初の顧客としてエミレーツ航空を確保した。A380の重整備を2030年まで行う複数年契約で、クラークの稼働開始は2028年の予定である。それまではマニラの既存拠点で作業する。
- この動きの意味
- 施設が完成する2年前に長期の顧客が決まった。クラークは第1期でワイドボディ3機、全体で9機を扱える規模になり、7機のマニラ拠点を上回る。首都圏の空港の外に、大型機の整備という高付加価値の産業が移る動きにあたる。
- 今後の注目点
- 2028年の稼働開始が予定どおり進むか。第2期の着工がいつになるか。エミレーツ以外の顧客が決まるか。クラーク周辺で整備人材の採用が動くか。
建設中の施設に、稼働の2年前に顧客がついた。
ルフトハンザ・テクニック・フィリピン(LTP)が、クラーク国際空港に建設中の機体整備拠点について、最初の顧客を確保した。相手は エミレーツ航空で、同社の A380 の重整備を 2030年まで行う複数年契約である。
A380は世界最大の旅客機で、エミレーツはその最大の運航会社である。
2028年までは、マニラでやる
クラークの拠点が動き出すのは 2028年の予定で、そのときエミレーツが最初の顧客になる。それまでの整備は、パサイ市のニノイ・アキノ国際空港(NAIA)にある既存の施設で行う。エミレーツにはそこで 2つの整備ラインが割り当てられている。
ルフトハンザ・テクニックの欧州・中東・アフリカ担当法人営業副社長 Kai Roepke 氏は「世界を代表するMRO(整備・修理・オーバーホール)の提供者として、世界最大の旅客機の運航を支え、エミレーツとの協業をさらに強められることを誇りに思う」と述べた。
両社の関係は2023年に始まり、LTPはこれまでにエミレーツのA380に対して 30回を超える整備を行ってきた。今回の契約は、同社がこれまでに結んだなかで金額の大きいものの1つだという。金額は公表されていない。
クラークの拠点は、マニラより大きくなる
クラーク第1期の3機にはA380が2機含まれる。第2期は第1期の約2倍の規模で、2028年の稼働開始後に着工する。
LTPは8月にクラークで着工した。工事は2段階に分かれる。
| 内容 | |
|---|---|
| 第1期 | ワイドボディ機を同時に 3機。うちA380が2機 |
| 第2期 | 第1期の 約2倍の規模。2028年の稼働開始後に着工 |
| 完成後 | 合計 9機 |
全体が完成すると、7つの整備ベイを持つNAIAの既存施設を上回る規模になる。
首都圏の外へ、高付加価値の整備が移る
この動きの意味は、立地にある。大型機の重整備という、設備も人材も要る産業が、首都圏の空港ではなくクラークに置かれるということである。
LTPは、ルシオ・タン氏率いる MacroAsia とドイツのルフトハンザ・テクニックの合弁会社である。
クラークでは他の投資も動いている。ニュークラークシティでは1,620ヘクタールのAI・先端製造の拠点構想が進み、上下水道の整備で優先提案者資格が付与されたばかりである。ベトジェットがクラーク=ホーチミン線を11月に開設するなど、路線も増えている。
工業用不動産の供給の重心も、南のカビテ・ラグナ・バタンガスから中部ルソンへ動いている。クラークはその中部ルソンにある。
換算は1ペソ=2.6円(2026年8月21日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアEmirates signs on as first Lufthansa customer in Clarkbusiness.inquirer.net
- MacroAsia Corporation企業公式一次情報MacroAsia Corporationmacroasiacorp.com
参考(本文の補足)
- Lufthansa Technik PhilippinesLufthansa Technik Philippines
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