レビステ氏、自ら創業した太陽光会社の株を30億ペソ分売却。持分は11.51%へ
KEY POINTS
- ニュースの要点
- レビステ議員が率いるSolar Philippines Power Project Holdingsが、SP New Energy Corp.の株式24億株を1株1.25ペソで売り、30億ペソを得た。持分は16.30%から11.51%へ下がった。買い手は開示されていない。
- この動きの意味
- SPNECはレビステ氏が創業した会社だが、2023年にパンギリナン氏のメラルコ系が過半を取得し、現在は57.33%を握る。今回の売却で創業者の持分は1割台前半まで縮み、社名も別のものへ変える計画が出ている。
- 今後の注目点
- 買い手が誰だったのかが開示されるか。残る11.51%も売却されるか。SPNECの社名変更が実行されるか。エネルギー省の240億ペソの制裁金がどう決着するか。
バタンガス州選出の下院議員 レアンドロ・レビステ 氏が支援する Solar Philippines Power Project Holdings(SPPPHI)が、太陽光発電の SP New Energy Corp.(SPNEC)の株式を売った。規制当局への届け出によると、24億株を1株1.25ペソで売却し、30億ペソ(約78億円)を得た。
これでSPPPHIのSPNEC持分は 16.30%から11.51% に下がる。買い手は開示されていない。
創業者が、自分の会社の1割台まで退いた
SPNECはレビステ氏が創業した会社である。ただし現在の株主構成を見ると、主導権はすでに移っている。
- Meralco PowerGenパンギリナン氏側
- Solar Philippinesレビステ氏側。今回11.51%へ
- Metro Pacific Investments同じくパンギリナン氏側
- その他開示された3社以外
「その他」は開示された3社の合計から編集部が差し引いて算出した。
マニュエル・パンギリナン氏の Meralco PowerGen(MGEN)が 57.33% を持ち、同氏系の Metro Pacific Investments も3.20%を握る。メラルコ側は2023年、SPPPHIから過半を取得してSPNECの経営権を得ていた。
パンギリナン氏は今年2月、グループとしてレビステ氏の持分の取得を申し出てはいないと述べた一方で、同氏が外国の投資家と売却の交渉をしていることには言及していた。
MGENはSPNECの社名を MGEN Renewable Energy Holdings に変える方針を示しており、アナリストはこれを裏口上場か、レビステ氏に紐づく問題からの距離取りと見ている。フィリピン証券取引所は先日、別件で「裏口上場」の認定を行い、当該銘柄の売買を停止している。
同じ日の別の開示では、SPNECの取締役会がSPPPHIの子会社2社(Provincia Investments と JJPNM Agro Industrial)から土地を取得することを承認した。金額は明らかにされていない。
背景にある240億ペソの制裁金
売却の背景を理解するには、SPPPHIが置かれている状況を見る必要がある。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年1月 | 再生可能エネルギーの事業契約が一斉に解除される。SPPPHIは 33件・合計11,400メガワット超が対象 |
| 同 | エネルギー省が 240億ペソ(約624億円)の制裁金を科す |
| — | エネルギー規制委員会が、レビステ氏の別会社 Solar Para Sa Bayan に対し、西ミンドロでの違法・高額な電気料金をめぐり最大1億5,000万ペソ(約3億9,000万円)の制裁を示唆 |
| 2026年8月末 | オンブズマン事務局が、レビステ氏と母親のロレン・レガルダ上院議員に対する 横領・汚職の告発への答弁を命じる |
告発の争点は、議会から与えられた事業許可のもとで約束した太陽光の電力を供給できなかったことである。Solar Para Sa Bayan は2019年に、遠隔地で分散型電源とマイクログリッドを建設・運営する許可を得ていた。
レビステ氏は2025年の選挙でバタンガス第1区の下院議員に当選し、政界に入った。1年足らずのあいだに、下院議員が1人あたり200万ペソ(約520万円)のクリスマス手当を受け取っていたという告発や、公共インフラ支出の汚職の指摘など、複数の論争に関わっている。
太陽光の主導権が財閥側へ寄っている
この動きを、フィリピンの再生可能エネルギー全体のなかに置くとこう見える。創業者主導で急拡大した会社が、既存の電力・インフラ財閥の傘下へ移っていく過程である。
同じ日には、ユチェンコ財閥系のPetroGreenがパンガシナンの太陽光発電所で最終認可を得たことも明らかになった。フィリピンの太陽光は、資金と許認可の両方を扱える体力のある側に集まりつつある。
換算は1ペソ=2.6円(2026年8月21日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアLeviste’s Solar Philippines further cuts stake in SPNEC, raises P3Bbusiness.inquirer.net
- The Philippine StarメディアLeviste raises P3 billion from SPNEC share salephilstar.com
- BusinessWorldメディアSolar Philippines sells P3 billion worth of SPNEC sharesbworldonline.com
参考(本文の補足)
- SP New Energy CorporationSP New Energy Corporation
- MGENMeralco PowerGen Corporation
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