大成建設が出資する太陽光、パンガシナンで最終認可。年間3,600万kWh
KEY POINTS
- ニュースの要点
- ユチェンコ財閥系のPetroGreen Energyが、パンガシナン州ブガロンの25メガワットピークの太陽光発電所についてエネルギー規制委員会から適合証明を取得した。系統へ電力を送る前に必要な最後の認可である。7月には送電会社と地元の電力協同組合から系統接続の承認を得ていた。
- この動きの意味
- 事業会社のRizal Green Energyは、PetroGreenと日本の大成建設の合弁である。建設資金はユチェンコ財閥の銀行RCBCからの融資で、日本の資本と現地財閥の資金・許認可が1つの案件に組み合わさっている。
- 今後の注目点
- エネルギー省の緑エネルギー料金の推薦状と、国家送電会社との支払い契約が結ばれるか。イサベラ州の6メガワットピークの案件が商業運転に入るか。Rizal Green Energyの残る案件がいつ動くか。
ユチェンコ財閥系の PetroGreen Energy(PGEC)が、パンガシナン州ブガロンの 25メガワットピークの太陽光発電所について、エネルギー規制委員会(ERC)から 適合証明(Certificate of Compliance)を取得した。同社が9月1日に発表した。
適合証明は、系統へ電力を送る前に必要な最後の認可にあたる。7月には国家送電網会社(NGCP)と中部パンガシナン電力協同組合から系統接続の承認を得ていた。
この案件に、日本の資本が入っている
事業を進めているのは Bugallon Green Energy で、その親会社が Rizal Green Energy(RGEC)である。RGECは PetroGreenと日本の大成建設の合弁会社 である。
- 2024年4月🇯🇵 日本の建設会社が出資
大成建設がRizal Green Energyに参画
- 2025年11月建設資金を現地の銀行から
RCBCが8億2,600万ペソを融資
- 2026年4月試験運転を開始
系統への送電試験
- 2026年9月最終認可
ERCが適合証明を交付
RCBCはユチェンコ財閥の銀行で、PetroGreenも同じ財閥に属する。
資金の面も見ておきたい。Bugallon Green Energy は2025年11月、RCBC から8億2,600万ペソ(約21億円)の融資を受けて建設費を賄っている。RCBCはユチェンコ財閥の銀行で、PetroGreenも同じ財閥に属する。つまりこの案件は、日本の建設会社が資本を出し、財閥系の銀行が資金を貸し、財閥系の事業会社が運営する構成になっている。
RCBCの機関営業部門を率いる Elizabeth Coronel 執行副社長は、この融資が同行のサステナブルファイナンスの枠組みで行われたと説明していた。
年間3,600万kWh、1万5,000世帯分
発電所の規模は次のとおりである。
| 発電容量 | 25メガワットピーク |
| 年間発電量 | 約3,600万キロワット時 |
| 供給できる世帯数 | 1万5,000世帯超 |
| 二酸化炭素の削減 | 年間約2万5,000トン |
PGEC の電力市場担当アシスタント・バイスプレジデント Dave Gadiano 氏は「商業運転に入れば、国家送電会社からの固定された保証つきの支払いによって安定した収入が見込める」と述べた。今後はエネルギー省から緑エネルギー料金の推薦状を得て、国家送電会社と再生可能エネルギーの支払い契約を結ぶ段取りになる。
RGECはこのほかにも案件を持っており、合計111.58メガワットの4件からなる。ブガロンのほか、ボホールのダゴホイ(27メガワット)、サンホセ(20メガワット)、イサベラのリンバウアン(I期・II期で41メガワット)である。このうちリンバウアンI期の6メガワットピークは、いま試運転の準備段階にある。
PGECはすでにタルラック、ボホール、ヌエバエシハで4件の大規模太陽光を運転しており、さらに4件が計画中である。親会社は上場企業の PetroEnergy Resources(PERC)で、石油の探鉱開発、再生可能エネルギー、発電を手がける。PERCの株価は発表当日、2.3%高の1株4ペソで引けた。
日本勢とユチェンコ財閥の接点が、また1つ増えた
この案件が目を引くのは、日本企業とユチェンコ財閥の組み合わせが、これで複数になっているためである。
- 三井住友銀行が、財閥の銀行 RCBCに約24% を出資している
- 三井住友ファイナンス&リースが、RCBCのリース子会社に30%を出資
- SMFLみらいパートナーズが、同じPetroEnergy系のPetroWind Energyに35%を出資
- そして今回、大成建設がPetroGreen系のRizal Green Energyに出資
三井住友グループが同じ財閥に絞って出資を重ねてきた構図は、すでに整理した。そこに建設会社が加わったことになる。
なお、同じパンガシナン州ではACENと現地企業のYanaraが75メガワットの太陽光でRCBCから23億ペソ(約60億円)の融資を受けている。同じ州、同じ銀行、別の事業者という並びになっている。
換算は1ペソ=2.6円(2026年8月21日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアYuchengco firm’s Pangasinan solar farm gets ERC nod for commercial operationsbworldonline.com
- BusinessWorldメディアBugallon Green gets P826-M loan for Pangasinan solar plantbworldonline.com
- SolarQuarterメディアTaisei Corporation Partners With Rizal Green Energy Corporation To Advance Renewable Energy In The Philippinessolarquarter.com
参考(本文の補足)
- PetroGreen Energy CorporationPetroGreen Energy Corporation
- Energy Regulatory CommissionEnergy Regulatory Commission
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTS三井住友は、なぜフィリピンの同じ財閥に5年で4回も出資したのか
日本の三井住友グループが、フィリピンで5年に4回、同じ企業グループの会社に出資しています。銀行に3回、そのリース会社、そして風力発電会社。フィリピンでは外国企業が銀行を100%買えるのに、三井住友は4分の1弱で止めています。買い取るつもりがないなら、何を狙っているのか。会社そのものより、その財閥が持つ顧客基盤でした。
キャストの高齢化が進んでいる?日本におけるフィリピンパブの歴史と現状を解説します
こんにちは!しゅんP(@i_sh69)です! 本日は日本におけるフィリピンパブの歴史とその現状について調べていきたいと思います! 皆さんはフィリピンパブに行かれたことはありますか? 若い世代の方々はあ
グローバルに活躍するビジネスパーソン必修の「ポータブルスキル」とは?
こんにちは!しゅんP(@i_sh69)です! 皆さんは「ポータブルスキル」をご存じですか? ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても通用する「持ち運び可能な能力」のことを指すんですね。 この概念は



