消費者団体が知的財産庁に模倣品の取り締まり強化を要求。押収額は186億ペソ
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 消費者団体マラヤン・コンシュメールが、知的財産庁のTeodoro Pascua長官あてに書簡を送り、電子商取引の場で売られる模倣品への「即時かつ持続的で断固とした」取り締まりを求めた。偽の医薬品、ビタミン、サプリメント、化粧品に有害な化学物質が含まれうると指摘している。
- この動きの意味
- プラットフォーム各社と規制当局はすでに動いており、Lazadaは85.5%、Shopeeは93.6%の自主的な削除率を報告している。それでも団体が不十分だと言うのは、削除が追いつく速さと流入する量が釣り合っていないという主張にあたる。
- 今後の注目点
- 知的財産庁が職権による調査に着手するか。国家通信委員会と組んだサイト遮断が行われるか。繰り返し違反する事業者の許可取り消しが実際に出るか。少額免税の見直し議論と結びつくか。
消費者団体 マラヤン・コンシュメール(Malayang Konsyumer)が、知的財産庁(IPOPHL)の Teodoro Pascua 長官あてに書簡を送り、電子商取引の場で売られる模倣品への 「即時かつ持続的で断固とした」取り締まりを求めた。理由に挙げているのは健康と安全のリスクである。
同団体の発起人 Mark Jansen Magsano 氏は「もはや否定も糊塗もできない明白な事実がある。デジタルの市場は、危険で規制されていない模倣品の24時間営業の市場になった」と述べた。
危険な品目として挙げたのは、偽の 医薬品、ビタミン、サプリメント、化粧品である。有害な化学物質を含みうるとしている。
すでに動いてはいる
この要求が難しいのは、プラットフォームも当局も、すでに数字が出るほど動いているためである。
| 主体 | 対応 | 期間 |
|---|---|---|
| Lazada | 模倣品の自主的な削除率 85.5% | 2024年6月〜2025年5月 |
| Shopee | 削除率 93.6% | 同上 |
| 貿易産業省 電子商取引局 | 削除命令171件・是正命令67件 | 2025年6〜12月 |
| 同 | 削除命令 268件・是正命令105件 | 2026年上半期 |
| 知的財産権に関する国家委員会 | 模倣品の押収額 186億4,000万ペソ(約485億円) | 2024年6月〜2025年5月 |
貿易産業省の削除命令は、半年で171件から268件へ増えている。それでも押収額が186億4,000万ペソに達するということは、削除と押収の速さより、流入の量のほうが大きいという主張になる。
Magsano氏の言い分もそこにある。「電子商取引のプラットフォームと政府機関がすでに行動を取っているのは明らかだ。しかしこれらの努力では足りない」
求めているのは、待たずに動くこと
団体が知的財産庁に求めた具体策は次のとおりである。
- オンラインの販売経路に対する 職権による調査(申立てを待たずに当局が動くこと)
- 削除命令と是正命令の発出
- 国家通信委員会と連携したサイトの遮断
- 繰り返し違反する事業者の 許可の取り消し
法務局に対しても、中止命令の発出、侵害品の差し押さえと廃棄、製造設備の没収、上限額の制裁金を求めている。
少額免税の議論と、同じ問題を別の角度から見ている
この動きは、前日に出た小売業界の要求と表裏になっている。
フィリピン小売業協会は、1万ペソ以下の輸入品を非課税にする少額免税の完全撤廃を求めたばかりである。そのときの会長の言い分はこうだった。「基準額を下げても、フィリピンのほぼすべてのマーケットプレイスで売られている偽造品・模倣品の問題は解決しない」
小売業界は税の公平さと雇用を軸に、消費者団体は健康と安全を軸に、同じ「越境で入ってくる少額の荷物」を問題にしている。片方は入口の税制を、もう片方は流通後の取り締まりを標的にしている。
日本の事業者にとっては、どちらの方向に制度が動いても、フィリピン向けの直送に影響が及ぶ論点である。
換算は1ペソ=2.6円(2026年8月21日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアConsumer group presses IPOPHL on online fake goodsbusiness.inquirer.net
- Philippine Daily InquirerメディアRetailers renew push to scrap de minimis rulebusiness.inquirer.net
参考(本文の補足)
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