オルティガスのオフィス成約が5倍に。BGCと並ぶ1万4,800平米
KEY POINTS
- ニュースの要点
- Savills Philippinesの第2四半期のオフィス市場調査で、オルティガスセンターの純成約面積が約1万4,800平方メートルとなり、第1四半期の約2,800平方メートルから5倍以上に増えた。BGCとほぼ同じ水準で、マカティ中心業務地区の9,500平方メートル、ケソン市の8,800平方メートルを上回っている。
- この動きの意味
- オルティガスの平均賃料は1平方メートルあたり月690.90ペソで、BGCの1,094.30ペソの3分の2以下である。BGCで大きな連続した区画が減って賃料が上がるなか、割安な地区へ需要が回っている構図が見える。
- 今後の注目点
- オルティガスの伸びが第3四半期も続くか。BGCの空室率7.4%がさらに下がるか。ケソン市の高い空室率が改善するか。業務受託とグローバル拠点の出店が続くか。
Savills Philippines の第2四半期のオフィス市場調査で、オルティガスセンターの純成約面積が第1四半期の約2,800平方メートルから 約1万4,800平方メートル へ、5倍以上に増えた。
Savills Philippines調べ。純成約面積は、新たに埋まった面積から空いた面積を差し引いたもの。
BGC(ボニファシオ・グローバル・シティ)とほぼ同じ水準で、マカティ中心業務地区の9,500平方メートル、ケソン市の8,800平方メートルを上回った。
Savillsの説明はこうである。「この地区は業務受託とテクノロジーの企業を引きつけ続けている。首都圏全体の人材とインフラに便利にアクセスできる中心的な立地から恩恵を受けている」
賃料はBGCの3分の2以下
なぜオルティガスに回ったのか。賃料を並べると理由が見える。
| 地区 | 平均賃料(1平方メートル・月) | 空室率 |
|---|---|---|
| BGC | 1,094.30ペソ(約2,850円) | 7.4% |
| マカティ中心業務地区 | 991.60ペソ(約2,580円) | — |
| オルティガスセンター | 690.90ペソ(約1,800円) | — |
| グレーター・オルティガス | 666.70ペソ(約1,730円) | 11.7% |
BGCは最も高く、空室率も7.4%まで下がっている。Savillsは BGCの上位ビルで大きな連続した区画が取りにくくなり、賃料に上向きの圧力がかかっていると指摘した。
オルティガスの賃料はBGCの3分の2以下である。同じ首都圏で、上が詰まってきたぶんが割安な地区へ流れているという読み方ができる。
実際に動いた大口の契約も、業務受託系だった。SM Prime のメガタワーで約2,300平方メートル、Robinsons Land のロビンソンズ・サイバーゲート・センター3で約2,100平方メートルのIT-BPM向け賃貸である。
支えているのはBPOとグローバル拠点
需要の担い手について、他社の見方も一致している。
JLLフィリピンの調査・アドバイザリー責任者 Janlo de los Reyes 氏は、7月の四半期説明会でこう述べた。「今後、BPOとGCC(グローバル・キャパビリティ・センター)が今後数年の需要を牽引すると考えている。BPOとGCCが首都圏で拠点を開き、規模を広げることへの関心の動きは、まだ多く見えている」
一方、サントス・ナイトフランクのシニアディレクター Morgan McGilvray 氏は、地区の序列をはっきり言い切っている。「マカティ、タギッグ(BGC)、いまはこれが1級の地区だ。ほかの4つの地区は、実のところ2級である」
「BPOが支える」という前提は、いつまで続くか
この市場の前提を整理しておく必要がある。オフィス需要を支えているのはBPOとグローバル拠点だが、その産業自体は人が減る前提に切り替わっている。
業界団体は2028年の従事者見通しを250万人から185万人へ下げており、今年の196万人から2年で11万人減る計算になる。フィリピンのコールセンターについては、英語と安さで選ばれてきた場所に世界の銀行と医療のユーザーの問い合わせが集まっている構図を別稿で整理した。
床の側の数字も、地区によって割れている。ケソン市のオフィスは55%が空いており、マニラの一等地オフィスはアジア太平洋24市場で3番目に安い。上位地区が締まる一方で、2級とされた地区には床が余っている。オルティガスの5倍という数字は、市場全体の回復ではなく、その中間にある地区の巻き返しとして見るほうが正確である。
首都圏全体では、成約が5倍で空室率は19.0%
同じ報告書は首都圏全体の数字も示している。純成約面積は第1四半期の2万5,700平方メートルから12万9,000平方メートルへ増え、空室率は20.0%から 19.0% に下がった。平均賃料は1.8%上がって1平方メートルあたり月854.5ペソ(約2,220円)となり、長く横ばいだったあとで初めて意味のある上昇になったとしている。
ただしSavills自身が釘を刺している。2026年下半期から2027年にかけて約33万7,000平方メートルの新規供給が控えており、第3四半期には空室率が再び20%を超えうるという見立てである。オルティガスの1万4,800平方メートルは、首都圏全体の12万9,000平方メートルのうちの約11%にあたる。
換算は1ペソ=2.6円(2026年8月21日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアSavills: Ortigas office take-up jumped fivefold in Q2bworldonline.com
- Savills Philippines, Inc.調査・レポート一次情報2Q 2026 Metro Manila Office Briefingsavillsph.com
参考(本文の補足)
- Savills PhilippinesSavills Philippines
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