地熱で世界2位に戻るには126億ドル要る。エネルギー省長官が言及
KEY POINTS
- ニュースの要点
- エネルギー省のSharon Garin長官が、地熱発電で世界2位の座を取り戻すには2,100メガワットの新設が必要で、約126億ドルの投資を集める必要があると述べた。1メガワットあたり600万ドルかかる計算である。バタンガスで開かれた国際地熱会議で記者団に語った。
- この動きの意味
- 政府は掘削費を折半する制度に600億ペソの追加投入を検討しており、アジア開発銀行やランドバンクとの新たな協議に応じる用意があるとした。現在この制度には107億ペソが実行可能な状態にあり、12件の案件が対象として選ばれている。
- 今後の注目点
- 600億ペソの追加投入が実現するか。ADB以外の資金提供者が現れるか。選ばれた12件が実際に掘削へ進むか。2,100メガワットの目標に向けて着工する案件が出るか。
地熱発電で 世界2位の座を取り戻すには、126億ドル(約2兆160億円)が要る。エネルギー省の Sharon Garin 長官が、バタンガスで開かれた第7回フィリピン国際地熱会議の場で記者団に語った。
必要な新設は 2,100メガワット。1メガワットあたり 600万ドル(約9億6,000万円) かかる計算である。
長官の言葉は率直だった。「かなり高い」
掘削費の折半制度に、600億ペソを足す案
この投資を呼び込むために動いているのが、掘削のリスクを政府が引き受ける制度である。
先週、17社が申請の意思を示したと報じられた フィリピン地熱資源デリスキング施設(PGRDF)が、それにあたる。政府が探査掘削の費用を折半し、掘削が失敗した場合は融資を返済不要の補助金に切り替える仕組みである。
いま動いている規模と、検討中の規模はこうなっている。
追加投入は検討段階で、決定していない。現在の107億ペソは実行可能な状態にある額。
現在この制度には 107億ペソ(約274億円) が実行可能な状態にあり、政府はさらに 600億ペソ(約1,536億円)の追加投入を検討している。Garin長官は、アジア開発銀行(ADB)やランドバンクといった金融機関との新たな協議に応じる用意があるとした。
「うまくいって、きちんと運営されれば、できる。そうするつもりだ」(Garin長官)
さらにこう続けた。「もし成功すれば、ADBだけでなく、もっと多くのところが手を挙げると思う」「きちんとやって、その多くが成功すれば、他の資金を得るのに苦労はしないだろう。この取り組みには、正しい案件を選ばなければならない」
現時点で、この制度の初回の予算から恩恵を受けうる 12件の案件が選ばれている。案件名は公表されていない。
1坑あたり1,000万〜1,200万ドル
制度が要る理由は、掘削の費用にある。
業界関係者によれば、探査と掘削の段階が最も危険で、1坑あたり1,000万〜1,200万ドル(約16億〜19億円) を用意する必要がある。しかも 商業的に使える資源が出る保証はない。
先週の報道では1坑あたりの費用について、600〜800万ドル(約9億6,000万〜12億8,000万円)という数字と1,000〜1,200万ドルという数字の両方が出ていた。今回の記事は後者を採っている。
いま3位、狙うのは2位
フィリピンは現在、米国とインドネシアに次ぐ世界3位の地熱発電国である。2023年時点の設備容量は1,952メガワット。今回の2,100メガワットという目標は、いまある容量をもう一つ作るのに近い規模にあたる。
背景には電力の逼迫がある。ビサヤの系統には赤色警報が繰り返し出ており、石炭の輸入の95%はインドネシア産である。Moody'sは先日、データセンターの建設について、フィリピンは対象7市場のうち電力の確保とエネルギー安全保障の制約が最も深刻だと評価した。
電源を増やせるかどうかが、他の産業の上限を決めている。その中で、天候に左右されず24時間動く地熱は数少ない国産のベースロード電源にあたる。
換算は1ドル=160円、1ペソ=2.56円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアPH needs $12.6B to reclaim No. 2 geothermal spot—DOE chiefbusiness.inquirer.net
- The Philippine StarメディアPhilippines starts hunt for P788 billion geothermal power wealthphilstar.com
参考(本文の補足)
- Department of Energy (Philippines)Department of Energy
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