政府系ファンドの上半期の投資が188億ペソ。前年1年分の3倍を半年で
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 政府系ファンドのマハルリカ投資公社(MIC)の上半期の資本投下が188億ペソに達し、2025年の1年分である59億ペソを半年で上回った。219%増で、投下済みの累計は6月末で247億ペソになった。物流と電力への投資が中心である。
- この動きの意味
- 内訳は石油精製のPetronへの150億ペソの短期運転資金枠と、港湾運営会社Asian Terminalsの株式追加取得47億9,000万ペソで、この2件が大半を占める。設立から基盤づくりの段階を終え、実際に資金を出す段階に入ったことを示す。
- 今後の注目点
- 年間目標の350億ペソに届くか。控えている農業とミンドロの送電網への投資が実行されるか。投下可能な530億ペソがどこへ向かうか。初回のような資産売却が続くか。
フィリピンの政府系ファンド マハルリカ投資公社(MIC)の上半期の資本投下が 188億ペソ(約481億円)に達した。2025年の1年分である59億ペソ(約151億円)を、半年で上回ったことになる。219%増である。
投下済みの累計は、6月末で247億ペソ(約632億円)になった。
社長兼CEOの Rafael Consing Jr. 氏はこう述べた。「上半期の実績は、MICが基盤づくりから実際の資本投下へ急速に進んだことを示している。重要なインフラ、エネルギー物流、戦略的な商業案件に資金を振り向けることで、フィリピン国民のために持続的な財務上の見返りを届けながら、経済成長を積極的に支えている」
2件で、ほぼ全部
内訳を見ると、大きな案件2つで大半を占める。
- Petronへの短期運転資金枠150億ペソ
- Asian Terminalsの株式追加取得47億9,000万ペソ
2件の合計が197億9,000万ペソで上半期の投下額188億ペソを上回る。時期のずれか一部回収があると見られるが、公表資料からは特定できない。
- 石油精製のPetronへ150億ペソ(約384億円)の短期運転資金枠。原油と石油製品の輸入、運転資金に充てる
- 港湾運営のAsian Terminalsの株式を47億9,000万ペソ(約123億円)分、追加取得
エネルギーと物流という、輸入に依存する国の背骨にあたる2つに集中している。
初めての売却で、年25%
期中には 初めての資産売却も完了した。Makilala Mining へのつなぎ融資について、貸し手としての地位を譲渡する形で退いた。ペソ建てで年率およそ25%の利回りを得たとしている。
上半期の運用収益は全体で20億9,000万ペソ(約54億円)だった。
| 内訳 | 金額 |
|---|---|
| 評価益(未実現) | 14億5,000万ペソ(約37億円) |
| 配当 | 4億3,900万ペソ(約11億円) |
| 融資の利息 | 1億4,600万ペソ(約3億7,000万円) |
| 売却益(実現) | 5,600万ペソ(約1億4,000万円) |
7割が未実現の評価益である。売って現金になった利益は5,600万ペソにとどまる。
年間350億ペソを狙い、530億ペソを持っている
Consing氏は以前、今年の資本投下を 少なくとも350億ペソ(約896億円)とする目標を記者団に示していた。控えている案件として、農業とミンドロの送電網を挙げている。
投下に使える資金は 約530億ペソ(約1,357億円)あるとしている。
政府の資金繰りとの関係
MICの動きは、政府の側の状況と並べて見ると位置づけが分かる。
7月末の国の債務は19兆3,900億ペソ(約49兆6,400億円)と過去最高になり、9月に予定していた5年物の大型国債の発行を、インフレとペソ安を理由に見直しているところである。上半期のインフラ支出は40.8%減っている。
国が借りにくく、使えていない局面で、政府系ファンドが石油と港湾に資金を入れているという構図になる。
換算は1ペソ=2.56円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアMIC ramps up capital deployment to P18.8B in H1business.inquirer.net
- The Philippine StarメディアMaharlika investments hit P18.8 billion in 6 monthsphilstar.com
参考(本文の補足)
- Maharlika Investment CorporationMaharlika Investment Corporation
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