フィリピンのBPO業界が米国依存を下げにいく、日本も狙う4市場に
フィリピンのIT-BPM業界団体IBPAPが、助言会社・不動産開発会社・銀行・投資誘致機関を集めた連合を立ち上げ、米国以外の市場から企業を誘致します。狙うのはオーストラリア、日本、中東、英国の4市場。背景にあるのは、業務の米国内回帰を求める2つの法案です。狙う顧客は銀行・保険・医療の中堅企業で、2028年に売上505億ドル・雇用214万人を目指します。
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フィリピンのIT-BPM業界団体IBPAPが、助言会社・不動産開発会社・銀行・投資誘致機関を集めた連合を立ち上げ、米国以外の市場から企業を誘致します。狙うのはオーストラリア、日本、中東、英国の4市場。背景にあるのは、業務の米国内回帰を求める2つの法案です。狙う顧客は銀行・保険・医療の中堅企業で、2028年に売上505億ドル・雇用214万人を目指します。
HSBCは、フィリピンのサービス輸出産業がAIの影響下でも底堅く、雇用も伸び続けていると分析しました。一方で業界団体IBPAPは2028年の売上目標を、2022年に掲げた590億ドルから433億〜505億ドルへ下げています。雇用目標も250万人から185万〜214万人へ。崩壊は起きていないが、描いていた成長の絵は縮んだ、という状態です。
多国籍企業がフィリピンに置く自社の業務拠点(GCC)で働く人が、2026年に約28万9,000人になる見込みである。2025年は約200拠点で約27万人だった。ColliersとIBPAP、ZMG Ward Howellの共同調査による。担うのは経理、リスク管理、データ分析、サイバーセキュリティ、技術開発など、外部委託とは違う領域である。
オーストラリアで一般診療や在宅介護を手がけるKairos Careが、フィリピンでIT-BPO拠点を開く検討に入った。8月13日にフィリピン経済区庁(PEZA)と協議し、事務処理をフィリピンへ移す構想を示した。大学との連携による人材確保も検討する。
EYの共通業務拠点EY GDS フィリピンが、今後2〜3年でおよそ2,000人を増やす計画を示しました。現在はマニラとセブで6,000人超。伸びる分野として、監査・技術コンサルティングに加え、AI、データ、サイバーセキュリティ、デジタル工学を挙げています。
Philip Morris Internationalの共通業務拠点PMIBSが、マカティの8 Rockwellに増床しました。80人超を新たに採用し、規模は500人超。財務・人事・ITなど約600の業務を160市場に提供しています。同社にとって世界で2番目、アジアでは最初の拠点です。
フィリピンのIT-BPM業界団体IBPAPのJack Madrid氏が、2026年の売上目標420億ドル(約6兆5,500億円)を達成できると述べました。牽引役は自社運営の拠点であるGCCで、国内は200社超。ただしインドの約2,200社とは10倍以上の差があります。
顧客対応ソフトのPleased.comが、ボニファシオ・グローバル・シティに本社を開きました。4年前に欧州で創業し、これまで全社を遠隔で運営してきた会社が、初めて物理的な拠点を置いた先がマニラです。1年で100〜110人、うちエンジニアを年内に50人採る計画です。
Visaが、マニラ首都圏パサイのSMモール・オブ・アジア地区にある事務所を、約4,000平方メートルから9,000平方メートルへ移します。入るのはFour E-com Centerで、管理・財務・技術の機能を24時間体制で1か所にまとめる「Visa Philippines Solution Center」を置きます。多国籍企業が自社の業務拠点をフィリピンに集約する動きの一例です。
Savills Philippinesによると、オルティガスセンターの第2四半期のオフィス純成約面積が約1万4,800平方メートルとなり、第1四半期の約2,800平方メートルから5倍以上に増えた。BGCとほぼ同じ水準で、マカティの9,500平方メートル、ケソン市の8,800平方メートルを上回る。賃料はBGCの3分の2以下で、業務受託とテクノロジー企業が需要を支えている。
オーストラリアのOrigin Energyで約90万人の顧客情報が抜き取られた事件について、豪当局は経路をマニラのコールセンターまでたどった。捜査はコールセンター業務を請け負うAccentureのマニラ拠点の元従業員に結びついている。昨年のQantasに続く2件目で、アナリストはフィリピンのIT-BPM業界の評判リスクだと指摘する。業界団体は2028年の従事者見通しをすでに185万人へ下げている。
フィリピンのコールセンターが選ばれてきた理由は、英語が通じて安いことです。業界団体自身の資料がそう書いています。ところがそこに届いているのは、世界の銀行と医療のユーザーからの問い合わせでした。選ばれた理由と任されている中身が噛み合っていません。2年で2度、オーストラリア企業の顧客情報がマニラを経路に抜かれ、アナリストは「顧客はリスクを拠点の所在地で値付けする」と言います。
ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)が年次協議を終え、フィリピンの2026年の実質GDP成長率見通しを4.1%から3.4%へ引き下げた。政府目標の3.5〜4.5%を下回る。2027年も5.5%から4.8%へ下げており、政府が掲げる5〜6%に届かない。投資の落ち込みと高いインフレが理由である。
フィリピンのIT-BPM業界団体IBPAPが、Celeste Ilagan氏を最高経営責任者に指名した。10月11日に就任し、2021年から率いてきたJack Madrid氏を引き継ぐ。同団体は2028年の売上目標を590億ドルから433億〜505億ドルへ、雇用目標を250万人から185万〜214万人へ下方修正している。
フィリピン経済区庁(PEZA)が承認した投資額が、2026年1〜8月で2,164億7,000万ペソ(約5,628億円)となり、前年同期の2.05倍になった。196件で、雇用2万6,994人、輸出見込み66億ドルを伴う。投資元はフィリピン国内が最多で、オランダ、韓国、シンガポール、台湾が続く。日本は上位5位に入っていない。
Knight Frankの集計で、マニラの一等地オフィスの入居コストが1平方フィートあたり年27.87ドルとなり、アジア太平洋の24市場で3番目に低い水準となった。賃料は前年同期比0.9%減。一方Colliersによれば、4〜6月期の成約面積は前期比24%減で、地方は2022年以来もっとも弱い上期だった。
不動産大手CBREの調査で、ケソン市のオフィス38万4,300平方メートルのうち55%が未契約と分かった。46%は築5年未満、83%はPEZA認定を受けた床で、条件は悪くない。BGCやマカティではIT-BPMの縮小・移転で空室が増えており、企業は郊外の業務地区へ動いている。
フィリピンの平均年収は約67万円。日本の478万円と並べると7.1倍の差がある。ただしこの平均は、日本企業が採用する層の給料ではない。フィリピン統計庁の2024年調査から、職業別の給料ランキングTOP10、産業ごとの相場、日本を上回る速さで進む最低賃金の引き上げを整理する。