IT-BPM業界団体のトップにCeleste Ilagan氏、2028年目標は下方修正済み
KEY POINTS
- ニュースの要点
- フィリピンのIT-BPM業界団体 IBPAP が、Celeste Ilagan 氏を最高経営責任者に指名した。10月11日に就任する。2021年から同団体を率いてきた Jack Madrid 氏を引き継ぐ。
- この動きの意味
- 引き継ぎの局面が難しい。同団体は2028年の業界目標を、売上で590億ドルから433億〜505億ドルへ、雇用で250万人から185万〜214万人へすでに下方修正している。生成AIが業務の一部を置き換えることを織り込んだ数字である。
- 今後の注目点
- 下方修正した目標が維持されるか、さらに動くか。AIを前提にした業務の再設計がどこまで進むか。オフィス床の需要にどう跳ね返るか。
フィリピンのIT-BPM業界団体 IBPAP(IT and Business Process Association of the Philippines)が、Celeste Ilagan 氏を最高経営責任者に指名した。就任は 10月11日。同団体初の女性最高経営責任者となる。
2021年から率いてきた Jack Madrid 氏を引き継ぐ。
業界の内側から上がってきた
Ilagan氏は投資委員会(Board of Investments)でキャリアを始め、初期のIT-BPM投資の誘致に関わった。IBPAPでは 2019年から2022年まで理事を2期 務めたあと、2022年に執行側へ移り、政策・規制担当の責任者を経て最高執行責任者になっていた。政策、投資家対応、人材育成を見てきた。
IBPAP会長の Ayhee Campos 氏はこう述べている。
Celeste の経験と業界への深い理解は、AIがもたらす機会と混乱 を乗り越えていくうえで、継続性と強い指導力の両方をもたらす。
引き継ぐのは、下方修正された目標
交代の局面が難しいのは、業界の見通しがすでに切り下がっているためである。
| 2028年の目標 | 従来 | 現在 |
|---|---|---|
| 売上 | 590億ドル(約9.4兆円) | 433億〜505億ドル(約6.9兆〜8.0兆円) |
| 雇用 | 250万人 | 185万〜214万人 |
売上で最大 157億ドル(約2.5兆円)、雇用で最大 65万人分 の引き下げになる。生成AIが定型的な業務の一部を置き換えることを織り込んだ数字である。
この修正は、当媒体が伝えてきたオフィス市場の状況とも重なる。8月24日にはケソン市のオフィスの55%が未契約であること、8月25日にはマニラの一等地オフィスがアジア太平洋で3番目に安いことを伝えた。人が増える前提で建てられた床が、増えない前提に切り替わりつつある。
円換算は2026年8月21日時点のレート(1ドル=159円、1ペソ=2.6円)による目安です。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアIBPAP names first female CEObusiness.inquirer.net
- PHILIPPINES STARTUPメディアケソン市のオフィスは55%が空き。新しくてPEZA認定でも埋まらないphilippines-startup.biz
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTSマニラで見つけた課題を4か国に広げたKitaが、シードで約7億円を集めた理由
新興国の貸し手向けに与信審査を自動化するKitaが、シードで450万ドル(約7億円)を調達しました。創業者はマニラ出身で、フィリピンの貸し手と働くなかで課題を見つけています。ただし会社はサンフランシスコにあり、稼働しているのはフィリピン・インドネシア・メキシコ・米国の4市場。公開されている顧客6社のうち、フィリピンの貸し手は1社です。この設計の違いが、値段の付き方を変えています。
2025年のフィリピン最大の資金調達は5億円。それを超えるお金が国外から来る理由
Forbes Asiaの「100 to Watch」に、フィリピンから2社が入りました。並べてみると、フィリピンで大きな資金を集めた会社には共通点があります。お金を出しているのが、ほぼ全部フィリピンの外の投資家です。理由は起業家の考え方ではなく、国内のベンチャーファンドの大きさにありました。
3年で10社が上場廃止になったフィリピンで、2026年の新規上場がゼロである理由
2023年からの3年で、フィリピンの上場企業10社が取引所での売買をやめました。サンミゲル系、SM系、パンギリナン系、ゴコンウェイ家。この国を代表する資本ばかりです。一方、2026年は1月から8月まで、新しく上場した会社が1社もありません。それでいて、取引所で集まったお金は過去最高に向かっています。この3つが同時に起きる理由を、8月の3つの出来事からたどります。



