ACENがザンバレスの太陽光と蓄電池に92億ペソ、子会社2社へ融資
KEY POINTS
- ニュースの要点
- ACENが完全子会社のSanMar SolarとGIGA ACE 8に、合計92億4,000万ペソ(約230億円)の融資枠を9月3日付で設定した。前者は最大60億ペソでサンマルセリーノの蓄電池、後者は最大32億4,000万ペソでパラウィグの300メガワット太陽光と送電線・変電所に充てる。
- この動きの意味
- 資金の重心が発電から蓄電へ動いている。出力50万キロワット・容量100万キロワット時という組み合わせは、およそ2時間分にあたる。日没とともに止まる太陽光を、需要が伸びる夕方に届けるための設備である。
- 今後の注目点
- 蓄電池の運転開始時期が示されるか。パラウィグ2の商業運転がいつ始まるか。送電線と変電所が予定どおり完成するか。他社が同じ規模の蓄電池に投資を広げるか。
アヤラ財閥系の再生可能エネルギー会社 ACEN が、完全子会社2社に合計 92億4,000万ペソ(約230億円)の融資枠を設定した。9月3日付の契約で、資金はいずれもザンバレス州(ルソン島西岸、マニラ首都圏の北西)の事業に充てられる。
| 借り手 | 融資枠 | 使いみち |
|---|---|---|
| SanMar Solar | 最大60億ペソ(約150億円) | サンマルセリーノの蓄電池設備 |
| GIGA ACE 8 | 最大32億4,000万ペソ(約80億円) | パラウィグの300メガワット太陽光と送電線・変電所 |
親会社が銀行の代わりに子会社へ貸す形である。8月にはパンガシナン州の75メガワット太陽光でRCBCから23億ペソ(約57億円)を借りているので、外部からの借入と自己資金を使い分けていることになる。
太陽光に電池を足す、という部分が本題
60億ペソが向かうサンマルセリーノの設備は、出力50万キロワット・容量100万キロワット時の蓄電池である。すでにある太陽光発電所と組み合わせて、発電と蓄電をひとつの設備として運用する。
容量と出力の関係はこう読む。50万キロワットで送り出し続けると、100万キロワット時はおよそ 2時間でなくなる。つまりこの電池は、長時間の備蓄ではなく 夕方の数時間を埋めるための設備である。
太陽光の弱点はここにある。フィリピンの電力需要は日が落ちてから伸びるのに、太陽光は日没とともに止まる。昼にあふれた電気をためて夕方に出せれば、太陽光は「昼だけの電源」から抜け出せる。ACENが電池に60億ペソを回したのは、発電量を増やすためではなく、発電した電気を使える時間帯にずらすためである。
太陽光側は、同社で2番目に大きい発電所群になる
もう一方の32億4,000万ペソは、パラウィグ町(サラサ地区とブラウェン地区)の 300メガワットの太陽光と、それに付く送電線・変電所に充てられる。パラウィグ2と呼ばれる事業で、総事業費は約160億ペソ(約400億円)、年間の発電量は450ギガワット時超を見込む。ACENが国内に持つ大規模太陽光では2番目の規模になる。
発電所を建てても送電線がなければ電気は届かない。融資の対象に送電線と変電所が明示的に含まれている点は、この国で発電事業を進めるときの実際の障害がどこにあるかを示している。
業績は上向いている
ACENの2026年上半期は、電力販売収入が225億1,000万ペソ(約560億円)で前年同期の153億ペソ(約380億円)から増え、純利益は 39億ペソ(約97億円)と前年同期の7億6,300万ペソ(約19億円)から5倍を超えた。
MGENのMTerra Solarが第1期の商業運転に入るなど、ルソン島では大規模太陽光の稼働が続いている。次の競争軸は発電量そのものではなく、夕方に電気を出せるかどうかに移りつつある。ACENの今回の資金配分は、その方向に沿っている。
換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアACEN lends units P9B for solar farm, BESSbusiness.inquirer.net
- PhilSTARメディアACEN extends over P9 billion financing to solar unitsphilstar.com
参考(本文の補足)
- ACEN CorporationACEN
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