ステーブルコインを知るフィリピン人は4割、Visaは国内導入の時期を示さず
KEY POINTS
- ニュースの要点
- Visaの調査で、ステーブルコインを聞いたことがあるフィリピン人は約4割、仕組みをある程度知っている人は約2割でした。Visaはフィリピンでステーブルコインを使った送金を始める時期は決まっていないとしています。
- この動きの意味
- フィリピンは海外からの送金を受け取る人の比率が調査6市場で最も高い国ですが、ステーブルコインへの信頼は現金や通常のデジタル送金に遠く及びません。送金の主役は当面、通常の通貨を使うデジタル送金です。
- 今後の注目点
- Visaが6か月以内に始めるとする提携先経由の送金サービスの相手。BPIのアプリでの海外送金が2027年1〜3月期に始まるか。Visaと規制当局・銀行の協議がステーブルコインの具体的な用途に進むか。
決済大手のVisaは10月22日の記者説明会で、海外送金に関する調査「Money Travels 2026」のフィリピン分を公表しました。ステーブルコイン(米ドルなどの通貨と価値が連動するよう設計された暗号資産)を聞いたことがある人は約4割にとどまり、仕組みをある程度知っている人は約2割でした。
同社は、フィリピンでステーブルコインを使った送金を始める時期は決まっていないと説明しています。東南アジア地域でVisa Direct(後述)を率いるQinwen Xiao氏は「消費者や企業、金融機関がいつステーブルコインを採用するのか、時期はお示しできない」と述べ、導入は地元の金融機関、規制当局、消費者の準備しだいだとしました。
4割が「聞いたことはある」、使った人は2%
調査は2026年2月24日〜3月18日に、フィリピン人3,101人を対象に行われました。ステーブルコインをどれだけ知っているかの回答は次のとおりです。
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| 聞いたことがない | 58% |
| 聞いたことはあるが何も知らない | 21% |
| 少し知っている | 11% |
| ある程度知っている | 7% |
| よく知っている | 3% |
PhilSTARによると、海外送金サービスを使ったことがある回答者のうち、ステーブルコインで送金したことがある人は2%でした。
信頼の度合いを尋ねた設問でも、ステーブルコインでの送金は、現金での送金や通常のデジタル送金を大きく下回りました。ただしPhilSTARとBusinessWorldが報じた割合は互いに一致せず、設問の定義を確かめられなかったため、ここでは順位だけを示します。
フィリピンは「受け取る側」の市場
調査はフィリピンのほか、オーストラリア、中国本土、日本、インド、シンガポールの計6市場で行われました。過去12か月に海外から送金を受け取った人は、フィリピンで45%と6市場で最も高い比率です。
送金の理由では「生活必需品の支え」(34%)と「家族や文化的な義務」(33%)が、いずれも6市場で最も高くなりました。いちばん早く受け取れる手段としては、モバイルウォレット(44%)と銀行口座への直接送金(31%)が上位です。改善してほしい点の首位は手数料の高さ(37%)でした。
フィリピンへの海外送金は8月まで3か月続けて伸びが2%未満と、量の伸びは鈍っています。
Visaが先に広げるのは通常の通貨の送金
Visaは、銀行や送金会社が相手の口座・カード・電子財布へ国際送金できる基盤「Visa Direct」を持っています。PhilSTARによると、フィリピンのJeffrey Navarroカントリーマネージャーは、提携先を通じたVisa Directの新しいサービスを6か月以内に国内で始めたいと述べました。これはステーブルコインではなく、通常の通貨で送るサービスです。
すでに提携しているBPIは、アプリから海外へ送金できる機能を2027年1〜3月期までに導入する計画です。Navarro氏は、海外への送金は中小企業の支払いや留学費用を中心に伸びる余地があるとも述べています。
世界ではVisaはステーブルコインの利用を進めており、10月15日にはステーブルコインを使った資金の事前手当てのサービスを試験から商用に移したと発表しています。フィリピンについては、銀行やフィンテック企業、規制当局と用途の検討を続けるとしています。
SOURCES / 出典
- フィリピン・スター(PhilSTAR)メディアVisa: No firm timeline for stablecoin adoption in Philippinesphilstar.com
- ビジネスワールド(BusinessWorld)メディアStablecoin awareness, trust remain low in PHLbworldonline.com
参考(本文の補足)
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