8月の海外送金は30億3,500万ドル、伸び2%未満が3か月続く
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 海外で働くフィリピン人が銀行経由で送った現金は、8月に30億3,500万ドルで前年同月比1.9%増でした。伸び率が2%を下回るのは6月から3か月連続で、金額は5月以来の低さです。
- この動きの意味
- 送金はフィリピンの個人消費を下支えする外貨の流れです。金額の水準は保たれていても伸びは細っており、物価上昇が続くなかで家計の実質的な余裕は広がっていません。
- 今後の注目点
- 例年送金が増える年末に伸び率が2〜3%へ戻るか。通年で中央銀行の見通し366億ドル(2.7%増)に届くか。
海外で働くフィリピン人が銀行経由で送った 現金送金は、8月に 30億3,500万ドルでした。前年同月の29億7,700万ドルから 1.9%増です。中央銀行(BSP)が10月15日に公表しました。
伸び率は7月と同じで、6月の1.7%(4年あまりで最も低い伸び)から3か月続けて2%を下回りました。金額は、7月の32億4,000万ドルから6.3%減り、5月以来3か月ぶりの低さです。
8月と1〜8月の数字
| 項目 | 8月 | 1〜8月 |
|---|---|---|
| 現金送金 | 30億3,500万ドル(1.9%増) | 234億2,400万ドル(2.2%増) |
| うち陸上で働く人 | 24億400万ドル(2.2%増) | 187億5,000万ドル(2.3%増) |
| うち船員 | 6億3,100万ドル(0.8%増) | 46億7,000万ドル(1.9%増) |
| 個人送金 | 33億7,200万ドル(2.0%増) | 260億9,800万ドル(2.3%増) |
個人送金は、銀行以外の経路や現物での送金も含めた広い数字です。中央銀行は、季節要因を除いた個人送金も8月にわずかに増えたとしています。
1〜8月の送金元は、米国が 39.8% で最も多く、シンガポール(7.1%)、サウジアラビア(6.3%)、日本(4.9%)、英国(4.8%)と続きます。ただし中央銀行は、送金を中継する銀行の多くが米国にあるため、米国からとして記録された送金のすべてが米国で稼がれたわけではないと断っています。
伸びが細った理由
エコノミストの見方は、次の3つに分かれます。
- 海外への派遣の鈍化と世界経済の不透明さ:UnionBankのチーフエコノミストRuben Carlo Asuncion氏
- 送り先の国の物価高と生活費の上昇:アテネオ大学経済研究所の上席研究員Ser Percival Peña-Reyes氏
- 台風と洪水による休業・休校:RCBCのチーフエコノミストMichael Ricafort氏
一方でRicafort氏は、フィリピン国内の物価高が、家族を支えるための送金を続けさせているとも指摘しています。8月の国内の物価上昇率は6.1%で、中央銀行の目標3%を6か月続けて上回っていました。
年末に戻るか
送金は例年、クリスマス前の第4四半期に増えます。Asuncion氏は、この季節要因で中央銀行の通年見通しには届きうるとみています。Ricafort氏は、残りの月の伸び率を2〜3%と予想し、ペソ安がドル建ての送金の目減りを防ぐとしています。ペソは10月15日に初めて1ドル63ペソを超えました。
中央銀行の見通しは、2026年通年の現金送金が 366億ドル で、2025年の356億ドルから2.7%増です。1〜8月の伸びは2.2%なので、残り4か月で伸びを上げる必要があります。
金額はすべてドル建ての中央銀行統計のため、円換算はしていません。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアPhilippines' cash remittance growth below 2% for third monthbworldonline.com
- フィリピン・スター(The Philippine Star)メディアRemittances rise 2% to $3.37 billion in Augustphilstar.com
- GMA NewsメディアCash remittances rose to $3.035B in August 2026 -- BSP datagmanetwork.com
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