1〜9月の財政赤字が1.3兆ペソ、計画より8%多く年間上限の8割に
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 財務省国庫局によると、1〜9月の財政赤字は1兆3,030億ペソで、前年同期の1兆1,170億ペソから16.6%増えました。計画の1兆2,060億ペソを974億ペソ上回っています。
- この動きの意味
- 歳入は目標をわずかに下回り、歳出は計画を上回るという形で赤字が膨らんでいます。利払いが16%増えて歳出の重荷になっており、中央銀行が利上げを続けるなかで、この負担は軽くなりにくい状況です。
- 今後の注目点
- 10〜12月に年間上限の1兆6,600億ペソに収まるか。インフラ支出の遅れが取り戻されるか。内国歳入庁の税収が目標との差(2.68%)を縮められるか。
フィリピンの財務省国庫局(Bureau of the Treasury)が10月22日に公表したデータで、2026年1〜9月の財政赤字は 1兆3,030億ペソ(約3.2兆円)になりました。前年同期の1兆1,170億ペソから16.6%増え、同じ期間の計画(1兆2,060億ペソ)を974億ペソ、率にして8.08%上回っています。
年間の赤字上限として政府が5月に決めた1兆6,600億ペソ(GDP比5.4%)に対しては、9か月で 78.6% を使ったことになります。
9月単月は前年並み
9月だけをみると、赤字は2,489億ペソ(約6,200億円)で、前年同月の2,481億ペソとほぼ同じでした。歳入が12.95%増の3,182億ペソと、歳出の伸び(7.04%増の5,671億ペソ)を上回ったためです。ただし8月の1,613億ペソからは54%膨らんでいます。7月までの動きは前回の記事で伝えています。
歳入は目標に届かず、利払いが重い
1〜9月の中身を、計画(目標)と比べると次のとおりです。
| 項目 | 1〜9月 | 前年同期比 | 計画との差 |
|---|---|---|---|
| 歳入 | 3兆5,350億ペソ | 4.99%増 | 0.95%下回る |
| 内国歳入庁の税収 | 2兆4,420億ペソ | 5.12%増 | 2.68%下回る |
| 関税局の税収 | 7,562億ペソ | 7.77%増 | 1.03%上回る |
| 歳出 | 4兆8,380億ペソ | 7.90%増 | 1.33%上回る |
| うち利払い | 7,721億ペソ | 15.95%増 | — |
関税の収入が目標を超えたのは、国庫局によるとペソ安と原油高で輸入品の課税額が膨らんだことが一因です。一方、所得税や付加価値税を集める内国歳入庁は目標を下回っています。
利払いを除いた赤字(プライマリー赤字)も、1〜9月で5,312億ペソと前年同期の4,514億ペソから17.7%増えました。
RCBC(大手銀行)のチーフエコノミスト、Michael Ricafort氏はBusinessWorldに対し、2025年後半からの政府支出の遅れで成長が鈍ったことが財政の苦しさの一因だと指摘しています。インフラを中心に支出を取り戻せば成長率を5%前後に戻し、税収も増やせるとみています。
換算の基準は1ペソ2.49円(2026年9月4日時点)です。
SOURCES / 出典
- ビジネスワールド(BusinessWorld)メディアPhilippine budget deficit widens slightly in Septemberbworldonline.com
- マニラ・タイムズ(The Manila Times)メディアBudget shortfall widens in Sept to P249Bmanilatimes.net
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