9月の新車販売は5.8%減の3万5,722台、電動車は4倍の8,959台に
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 9月の新車販売は3万5,722台で前年同月比5.8%減、1〜9月では30万7,060台と10.2%減りました。一方、電動車は8,959台と前年の4倍で、9月の販売の約4分の1を占めました。
- この動きの意味
- 燃料の値上がりで車全体の需要が落ちるなか、同じ理由で電動車への乗り換えが進んでいます。とくに電気自動車とプラグインハイブリッドが前年の8倍、20倍と急増し、ハイブリッド中心だった電動車の中身が変わりつつあります。
- 今後の注目点
- 年末商戦で前年割れが縮むか。電動車の比率が4分の1を超えて伸び続けるか。集計に入っていないBYDを含めると電動車がどこまで広がっているか。
フィリピン自動車工業会(CAMPI)とトラック製造業者協会(TMA)の集計で、9月の新車販売は 3万5,722台 でした。前年同月の3万7,915台から5.8%減っています。8月の2万9,612台からは20.6%増えました。8月は天候の影響で販売が落ちていました。
加盟していない会社の分も含めると9月は4万240台で、今年3番目に多い月でした。
車全体は減り、電動車は4倍
| 区分 | 9月 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 全体 | 3万5,722台 | 5.8%減 |
| 乗用車 | 7,799台 | 1.9%減 |
| 商用車 | 2万7,923台 | 7.2%減 |
| 電動車 | 8,959台 | 約4倍 |
フィリピンでは、ピックアップトラックやSUVなどの多くが「商用車」に分類され、販売の8割近くを占めます。商用車のうち、ミニバン型のアジア向け多目的車は17.9%減の6,518台と落ち込みが目立ちました。
電動車(ハイブリッド、電気自動車、プラグインハイブリッド)は8,959台で、前年同月の2,237台から4倍になりました。9月の販売の約4分の1にあたります。ただし、この集計には工業会に加盟していない中国のBYDの販売が入っていません。
CAMPI・TMAの集計。BYDは含まない。前年比はハイブリッド2.2倍、電気自動車8.1倍、プラグインハイブリッド20.8倍。
伸びが大きいのは電気自動車とプラグインハイブリッドです。電動車のうちハイブリッドの比率は9月に43.9%まで下がりました。
1〜9月は10.2%減
1〜9月の販売は30万7,060台で、前年同期の34万1,753台から10.2%減りました。乗用車は9.3%減の6万2,829台、商用車は10.9%減の24万4,231台です。2025年は通年で49万1,395台と過去最高でした。
電動車は1〜9月で5万4,372台と、前年同期の2万676台の2.6倍です。内訳はハイブリッド2万7,694台、電気自動車1万6,006台、プラグインハイブリッド1万672台でした。
7月時点でも全体は減り、電動車だけが伸びる構図でした(7月の記事)。
日本勢が上位5社のうち4社
1〜9月の販売上位は、トヨタ(15万1,457台、8.1%減)、三菱自動車(5万125台、23.4%減)、スズキ(1万3,767台、16%減)、フォード(1万704台、35.9%減)、ホンダ(1万89台、17%減)の順です。トヨタは販売の49.32%を占めます。上位5社はいずれも前年を下回りました。
燃料高が両方の理由に
大手銀行RCBCのMichael Ricafort主任エコノミストは、燃料の高止まりと雇用の弱さが車の需要を押し下げていると見ています。そのうえで、燃料高が続けば電気自動車やハイブリッド、バイクの販売は伸びるとしています。
CAMPIのJose Maria Atienza会長は、年末に向けた例年の販売の流れから、2026年は通年でも好調な実績を出せる位置にあると述べています。
SOURCES / 出典
- フィリピン・スター(The Philippine Star)メディアVehicle sales slip 6%, but xEVs zoom in Septemberphilstar.com
- ビジネスワールド(BusinessWorld)メディアPhilippine vehicle sales down 6% in Septemberbworldonline.com
- GMAニュース(GMA News)メディアPH auto sales bounce back in September after August slowdowngmanetwork.com
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTSフィリピンの電気代が東南アジアで一番高い、直撃するのは半導体と精密電子の工場
フィリピンの平均電力価格が2026年6月に1キロワット時12.43ペソとなり、シンガポールを抜いて東南アジアで最も高くなりました。この高さが最も重くのしかかる日系企業は、半導体と精密電子の製造業です。単価が原価に乗るうえ、停電が頻発する地域では自家発電を持たされ、製造コストがさらに上がります。しかも影響は、進出をやめた素材・部品産業という形でも現れています。
フィリピンの物価は日本の3分の1?牛乳もクルマも日本より高い【2026年9月】
PHILIPPINES STARTUP編集部の私は、マニラに住んでいたことがあります。週2回外食して、プール付きのマンションに住んだら、生活費は東京とほとんど変わりませんでした。むしろ高い月もありました。100品目を東京と比べたら、「日本の3分の1」に当てはまったのは19品目だけ。牛乳もガソリンもクルマも日本より高い。日本人が住むBGCとマカティの家賃、必要な月額、そして物価上昇がいま企業に何を起こしているかまで書きました。
フィリピンの法人税ゼロは、もう大手日本企業の得になっていない
フィリピンの経済特区に入ると数年間は法人税がゼロになります。ところが日本は2024年4月から、税負担の軽い海外子会社の分を親会社に課税し始めました。フィリピンには自国で先に取る制度がないため、免除された分は日本に納めることになります。下院の調査によれば、売上上位1%の法人の実効税率の中央値は5〜6%しかありません。



