PHILIPPINES STARTUP

公共交通の燃料補助が2027年予算案でゼロ、運輸省が50億ペソを要求

Logistics

KEY POINTS

ニュースの要点
フィリピン運輸省(DOTr)が、公共交通の運行委託事業(Service Contracting Program)に2027年で50億ペソ(約125億円)を要求しました。予算管理省が作った国家歳出計画では配分がゼロです。
この動きの意味
この仕組みは、政府が運行事業者と運転手に直接支払うものです。燃料代の上昇を運賃に転嫁する圧力を下げる狙いがあります。
今後の注目点
配分ゼロは運行委託だけではありません。公共交通近代化計画、EDSAバス専用路、歩行・自転車の事業も同じです。上院で戻るかどうか。

フィリピン運輸省(DOTr)が、2027年の予算をめぐって上院に復活を求めています。対象は運行委託事業(Service Contracting Program)です。

要求額と現状

要求額50億ペソ(約125億円)
国家歳出計画での配分ゼロ

運輸長官の Giovanni Lopez 氏は、上院財政小委員会の審議でこの事業を説明しました。50億ペソという額は、全国で実施して可能な限り多くの輸送団体と利用者を対象にするという計算にもとづくとしています。

仕組み

運行委託は、政府が運行事業者と運転手に直接支払う仕組みです。

通常、燃料代が上がれば、事業者はそれを運賃に乗せようとします。運行委託はその費用を政府側が負担することで、運賃への転嫁圧力を下げることを狙います。

背景には燃料高があります。9月19日時点で、翌週にディーゼルが1リットルあたり最大9.50ペソ、ガソリンが5.50ペソ上がるとの見通しが出ていました。

ゼロなのは運行委託だけではない

2027年の国家歳出計画(NEP)で配分がつかなかったDOTrの事業は複数あります。

  • 公共交通近代化計画(PUV Modernization Program)
  • 運行委託事業
  • 歩行・自転車の事業(Active Transport)
  • EDSAバス専用路

Lopez長官は9月18日、次のように述べています。

我々の国家歳出計画については、予算がついていない。しかし議会で予算審議があることを忘れてはならない

続けて「最終的に、予算をつけるかどうかは立法府の権限のうちにある。我々はこうした事業の必要性を訴え続ける」としました。

日系企業にとっての読みどころ

直接の取引相手でなくても、影響は従業員の通勤に出ます。

運行委託がなくなれば、燃料高がそのまま運賃に乗ります。首都圏の製造拠点やBPO拠点で働く人の多くは、ジープニーやバスで通っています。運賃の上昇は、実質的な賃下げとして効きます。

もう一点、EDSAバス専用路の配分もゼロである点は物流にも関わります。首都圏の主要幹線の輸送能力に投資がつかなければ、渋滞の改善は遠のきます。

ただし、これは確定ではありません。Lopez長官が言うとおり、予算は議会が決めます。歳出計画でゼロだった事業が審議で復活するのは、フィリピンでは珍しいことではありません。見るべきは11月から12月の成立予算です。


1ペソ=2.49円で換算しています(2026年9月4日時点)。

SOURCES / 出典

  1. Daily Tribuneメディア
    DOTr seeks P5-B subsidy to cushion fuel price blowtribune.net.ph
  2. The Philippine Starメディア
    DOTr pushes for EDSA busway budgetphilstar.com

SHARE

#運輸省#予算#公共交通#燃料#上院#ジープニー

同じカテゴリーのNews

RELATED

この動きを読み解くInsights

INSIGHTS