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9月の銀行貸出は11.4%増で4か月ぶりの速さ、物価高でも借入需要は続く

FinTech

KEY POINTS

ニュースの要点
中央銀行(BSP)の速報によると、大手銀行(ユニバーサル銀行・商業銀行)の9月末の貸出残高は15兆2,650億ペソで、前年同月比11.4%増でした。8月の11.0%から加速し、5月の12.1%以来の速さです。
この動きの意味
10月の物価上昇率が7.8%に達し、中央銀行が利上げを重ねるなかでも、企業と家計の借入は減っていません。企業向けは電力、製造業、不動産などで伸び、個人向けではクレジットカードが22.8%増と高い伸びを保っています。
今後の注目点
エコノミストは2桁の伸びは続くものの、10〜12月には企業も家計も借入に慎重になるとみています。クレジットカードと給与担保ローンの残高が増えるなかで、個人向けの不良債権比率がどう動くかもあわせて見る必要があります。

フィリピン中央銀行(BSP)が11月5日に公表した速報によると、ユニバーサル銀行・商業銀行(大手の銀行)の9月末の貸出残高(逆現先取引を除く)は15兆2,650億ペソでした。前年同月の13兆7,040億ペソから 11.4% 増えています。

月前年同月比
2026年5月12.1%
2026年7月10.4%
2026年8月11.0%
2026年9月11.4%

8月の11.0%から加速し、5月以来4か月ぶりの速さです。BSPは「企業と消費者からの持続的な信用需要を映している」としています。

企業向けが加速、個人向けは横ばい

区分9月末残高前年同月比8月の伸び
居住者向け合計14兆9,520億ペソ+11.7%+11.3%
うち事業活動向け12兆8,370億ペソ+11.0%+10.6%
うち個人向け2兆1,150億ペソ+16.2%+16.2%
非居住者向け3,133億9,400万ペソ-0.6%-1.5%

事業活動向けの貸出が伸びた業種として、BSPは電力・ガス・蒸気・空調、製造業、不動産、運輸・倉庫、卸売・小売と自動車の修理、金融・保険を挙げています。

個人向けの中身

個人向け(住宅ローンを除く)は8月と同じ16.2%増でしたが、品目ごとの動きは違います。

品目9月末残高前年同月比8月の伸び
クレジットカード1兆3,440億ペソ+22.8%+23.3%
自動車ローン5,420億3,200万ペソ+5.0%+5.8%
給与担保の一般消費1,938億400万ペソ+17.5%+11.6%

クレジットカードと自動車ローンは伸びがやや鈍り、給与を担保にした消費者ローンだけが大きく加速しました。クレジットカードの残高は個人向け全体の6割強を占めます。

マネーサプライは鈍化

同じ日に公表されたマネーサプライ(M3、世の中に出回るお金の量)は、9月に9.3%増の20兆7,020億ペソで、8月より伸びが鈍りました。民間と政府の借入は12%増えたものの、外貨建ての対外資産が減って相殺した形です。

エコノミストの見方

UnionBankのチーフエコノミストRuben Carlo Asuncion氏は、物価高とペソ安のなかでも借入需要は底堅いとしつつ、貸出の伸びは2桁を保ちながら「10〜12月には企業も家計も追加の借入に慎重になり、やや鈍る可能性がある」と述べています。Manila Timesに対しては、銀行の貸出は値上がりした運営コストを賄う運転資金や家計の資金需要に支えられているとの見方を示しました。

背景には、10月の物価上昇率が7.8%に達し、中央銀行が10月に政策金利を5.5%へ引き上げたことがあります。金利が上がっても借入が減っていないことは、借りたお金が投資だけでなく、値上がりしたコストの穴埋めにも回っている可能性を示しています。

本記事の金額は兆・千億ペソ単位の金融統計で、前年比の読み取りが主眼のため円換算していない。目安として1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)。

SOURCES / 出典

  1. ビジネスワールド(BusinessWorld)メディア
    Philippine bank lending jumps 11.4% in Septemberbworldonline.com
  2. マニラ・タイムズ(The Manila Times)メディア
    Bank lending expands but M3 growth slowsmanilatimes.net

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#銀行貸出#中央銀行#金融統計#クレジットカード#マネーサプライ#企業融資

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