7〜9月の農漁業生産が5%減、コメとトウモロコシが2割近く落ち込む
KEY POINTS
- ニュースの要点
- フィリピン統計庁(PSA)によると、7〜9月の農漁業の生産額は2018年価格で3,894億ペソと、前年同期から5%減りました。生産額の半分を占める作物が9.3%減り、なかでもコメ(もみ)が17.8%減、トウモロコシが17.4%減でした。
- この動きの意味
- 主食のコメと、飼料に使うトウモロコシが同時に2割近く落ちています。10月の物価上昇率が7.8%まで上がるなか、国内で作る食料が減っていることを示す数字です。
- 今後の注目点
- 10〜12月期の統計でコメとトウモロコシの生産が戻るか、不足分をどれだけ輸入で補うかが次の判断材料です。ペソ安が続くなかでは、輸入で補う分だけ食料の値段にも響きます。
フィリピン統計庁(PSA)が11月6日に発表した統計によると、7〜9月の農業・漁業の生産額は、物価の変動を除いた2018年価格で3,894億ペソでした。前年同期の4,089億ペソから 5% 減っています。PSAは、作物と漁業の生産額が減ったことが原因だとしています。
| 部門 | 生産額(2018年価格) | 前年同期比 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 作物 | 1,977億ペソ | -9.3% | 50.8% |
| 養鶏 | 797億ペソ | +4.9% | 20.5% |
| 畜産 | 612億ペソ | +1.1% | 15.7% |
| 漁業 | 509億ペソ | -8.5% | 13.1% |
コメとトウモロコシが2割近く減る
作物の落ち込みを主に引き起こしたのは、コメ(もみ)とトウモロコシです。もみは17.8%減、トウモロコシは17.4%減で、BusinessWorldはいずれも過去最大の落ち込みだと伝えています。
漁業は量より額が落ちた
漁業の生産量は88万6,560トンで、前年同期の90万2,870トンから1.8%減でした。生産額の8.5%減に比べると、量の減り方は小さくなっています。
デイリー・トリビューンによると、落ち込みが大きかったのは商業漁業(一定規模以上の漁船による漁業)で、生産量は20.6%減の18万330トンでした。魚種別では、カツオが42.3%減、イワシの一種が26.4%減、ティラピアが15.4%減です。
一方、養殖は9.5%増の49万8,110トンで、漁業全体の生産量の56.2%を占めました。海藻が12%増、ミルクフィッシュ(バンガス)が6.1%増と伸びています。
物価との関係
畜産では養豚が1.9%増え、養鶏は4.9%増と最も伸びた部門でした。ただ、こうした伸びは作物と漁業の減少を埋めるには足りませんでした。
10月の物価上昇率は7.8%と3年8か月ぶりの高さで、中央銀行はエルニーニョ現象(太平洋の海水温が上がり、フィリピンでは高温と少雨をもたらす)が食料価格を押し上げる可能性を警告してきました。主食のコメの生産が2割近く減ったことは、食料の値段を見るうえで押さえておくべき数字です。
本記事の金額は物価の変動を除いた2018年価格の統計値で、前年比の読み取りが主眼のため円換算していない。目安として1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)。
SOURCES / 出典
- ビジネスワールド(BusinessWorld)メディアAgriculture Q3 output down 5% led by crops, fisheriesbworldonline.com
- デイリー・トリビューン(Daily Tribune)メディアFarm, fisheries output sinks 5% in Q3tribune.net.ph
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