フィリピンの銀行の1〜9月純利益が過去最高の3,155億ペソ、伸びは4.2%
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 中央銀行(BSP)の速報で、フィリピンの銀行全体の2026年1〜9月の純利益は前年同期比4.2%増の3,154億7,000万ペソでした。同じ期間として過去最高です。
- この動きの意味
- 稼ぎの85%は貸出と運用の利ざやで、そこは13.5%伸びました。一方で手数料以外の非金利収入が減り、経費も約1割増えたため、最終利益の伸びは小さくなっています。ペソ安と物価高のなかでも、銀行の本業の稼ぐ力は落ちていないことが分かります。
- 今後の注目点
- 大手行の決算では貸倒れへの備えを積み増す動きが出ています。10〜12月に物価高とペソ安が個人や企業の返済にどこまで響くか、不良債権比率と引当金の推移が次の判断材料です。
中央銀行(BSP)の速報によると、フィリピンの銀行全体の2026年1〜9月の純利益は 3,154億7,000万ペソ(約7,900億円)でした。前年同期の3,026億2,000万ペソから4.2%増え、同じ期間として過去最高です。集計には商業銀行、貯蓄銀行、地方銀行・協同組合銀行に加え、デジタル銀行も含まれます。
利ざやは13.5%増、ほかの収入は減った
伸びを支えたのは、貸出や債券運用で得る利息と、預金などに払う利息の差額(純金利収入)です。
| 項目 | 2026年1〜9月 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 純金利収入 | 9,791億ペソ | 8,624億ペソ |
| 非金利収入 | 1,781億ペソ | 1,874億ペソ |
| 営業収益(合計) | 1.16兆ペソ | 1.05兆ペソ |
| 経費(非金利費用) | 6,385億ペソ | ― |
| 純利益 | 3,155億ペソ | 3,026億ペソ |
受け取る利息は9.8%増の1.34兆ペソだったのに対し、払う利息は0.7%増の3,564億ペソにとどまりました。受け取る利息が増えた一方で、払う利息はほとんど増えなかったため、純金利収入は13.5%伸び、営業収益の約85%を占めています。
一方、手数料や売買益などの非金利収入は5%減りました。手数料収入は7%増の1,443億ペソ、売買益は314億ペソと伸びましたが、ほかの項目の落ち込みを埋めきれていません。
経費が利益の伸びを削った
営業収益が1割伸びても純利益の伸びが4.2%にとどまったのは、経費も9.8%増えて6,385億ペソになったためです。Manila Timesによると、内訳は人件費が2,061億ペソ、その他の管理費が2,450億ペソでした。税引前利益は3,893億ペソで、ここから法人税など739億ペソを引いた額が純利益です。
銀行全体の規模も大きくなっています。PhilSTARによると、9月末の総資産は前年比9.8%増の31.6兆ペソ、貸出残高は11.4%増の18.13兆ペソ、預金は7.5%増の22.64兆ペソでした。
個別の銀行では明暗が分かれている
業界全体では最高益でも、個別の決算には差があります。最大手のBDOは1〜9月の純利益が横ばい、フィリピン国立銀行(PNB)は15%増だった一方、EastWest銀行は貸倒れへの備えが重荷になって24%減でした。
9月の銀行の不良債権比率は3.27%と9か月ぶりの低さでしたが、9月の物価上昇率は7.2%と3年半ぶりの高さでした。返済が苦しくなる借り手が増えれば、利ざやの伸びを引当金が食う形になります。
換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安です。
SOURCES / 出典
- フィリピン・スター(PhilSTAR)メディアPhilippines banks keep profit streak in 9 monthsphilstar.com
- マニラ・タイムズ(Manila Times)メディアPH banks post record net profit in Jan-Septmanilatimes.net
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