フィリピンの金融システムの資産が38.6兆ペソで過去最高、デジタル銀行は51%増
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 中央銀行の速報によると、フィリピンの銀行と銀行以外の金融機関の総資産は8月末に38兆5,610億ペソ(約96兆円)でした。前年同月比11.15%増で、6月末の過去最高を更新しました。2桁の伸びは2か月連続です。
- この動きの意味
- 伸びが最も速いのはデジタル銀行(51%増)と農村・協同組合銀行(47%増)ですが、デジタル銀行は銀行全体の0.7%の規模です。お金はなお9割超が大手銀行に集まっており、新しい銀行は小さな土台から急速に伸びている段階です。
- 今後の注目点
- 10月の0.5ポイント利上げの後も、9月以降の速報で2桁の伸びが続くか。7つ目のデジタル銀行の参入と、最低資本金の規則で、デジタル銀行と地方の銀行の伸びがどう変わるか。
フィリピンの銀行やそれ以外の金融機関が持つ資産の合計(金融システムの総資産)が、8月末に 38兆5,610億ペソ(約96兆円)となり、過去最高を更新しました。中央銀行(BSP)の速報値で、前年同月から11.15%増えています。
これまでの最高は6月末の38兆3,910億ペソでした。前年比の伸びが2桁になったのは2か月続けてです。2025年末の37兆1,300億ペソも、8か月で上回りました。総資産には預金・資本・債券などが含まれ、中央銀行自身の資産は含みません。
伸びが速いのはデジタル銀行と地方の銀行
BSPの速報値。BusinessWorld、PhilSTARの報道から作成。
| 種類 | 8月末の総資産 | 前年比 |
|---|---|---|
| 銀行全体 | 32兆1,690億ペソ | 12.5%増 |
| うち大手銀行 | 29兆7,780億ペソ | 11.8%増 |
| うち貯蓄銀行 | 1兆5,420億ペソ | 11.8%増 |
| うち農村・協同組合銀行 | 6,239億ペソ | 46.8%増 |
| うちデジタル銀行 | 2,252億ペソ | 51.1%増 |
デジタル銀行(店舗を持たずアプリで営業する銀行)の総資産は、1年で1,490億ペソから2,252億ペソ(約5,610億円)に増えました。伸びは種類別で最も速い一方、銀行全体(32兆1,690億ペソ、約80兆円)に占める割合は0.7%にとどまります。銀行の資産の9割超は、大手銀行に集まっています。
農村銀行・協同組合銀行は、都市の外で農家や小さな事業者を相手にする銀行です。こちらも46.8%増の6,239億ペソ(約1兆5,500億円)と大きく伸びました。
PhilSTARによると、BSPは最近7つ目のデジタル銀行の免許を認めました。また、デジタル銀行に近い形で営業する貯蓄銀行・農村銀行・協同組合銀行には、最低10億ペソの資本金を求める規則を設けています。
銀行以外の金融機関(証券会社、質店、消費者金融、保険会社、社会保障機構など)の総資産は、3月末時点で6兆3,920億ペソです。8月末の数字はまだ出ていません。
利上げで伸びは鈍るとの見方
Reyes Tacandong & Co.のJonathan Ravelas氏は、融資と預金の増加、銀行の利益の積み上がりが総資産を押し上げたと説明しています。UnionBankのチーフエコノミスト、Ruben Carlo Asuncion氏は、今後も増え続けるものの、金利の上昇やインフレで借入の需要が落ち、伸びは鈍る可能性があるとみています。
BSPは10月、予想を上回る0.5ポイントの利上げで政策金利を5.5%にしました。9月以降の速報で、2桁の伸びが続くかどうかが次の手がかりになります。
換算の基準は1ペソ2.49円(2026年9月4日時点)です。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアPhilippine financial system resources jump to new high as of Augustbworldonline.com
- PhilSTARメディアFinancial system resources hit record P38.6 trillion in Augustphilstar.com
- The Manila TimesメディアFinancial system's resources risemanilatimes.net
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