デジタル化する小規模銀行に資本金10億ペソ、中央銀行が通達
KEY POINTS
- ニュースの要点
- フィリピン中央銀行(BSP)が9月21日付の通達1240号で、技術主導の事業形態を採る貯蓄銀行・地方銀行・協同組合銀行に対し、デジタルバンクと同じ最低資本金10億ペソ(約24億9,000万円)と健全性規制の順守を求めました。
- この動きの意味
- 対象は、実態としてデジタルバンクのように営業している銀行や、リスク管理と資本の水準が事業の性格に見合わなくなった銀行です。買収によって技術主導の形態に移る場合も含まれます。
- 今後の注目点
- 貸出か預金の残高が2四半期続けて30%を超えて伸びた銀行も、同じ規制の対象になります。通達から6か月が猶予期間です。
フィリピン中央銀行(BSP)が、小規模な銀行のデジタル化に規制をかけました。9月21日付の通達1240号です。
何が求められるのか
| 対象 | 貯蓄銀行、地方銀行、協同組合銀行 |
| 条件 | 技術主導の事業形態を採る場合 |
| 最低資本金 | 10億ペソ(約24億9,000万円) |
| そのほか | デジタルバンク向けの健全性規制 |
| 猶予 | 通達の通知から6か月 |
BSPは「これらの要件は、銀行が安全かつ健全に営業することを確かにするためのものだ」としています。
誰が対象になるのか
3つの経路があります。
- 実態としてデジタルバンクのように営業していると判断された場合
- リスク管理と資本の水準が、その銀行のリスクの性格に見合わなくなった場合
- 買収によって技術主導の事業形態へ移る場合
もう一つ、数値の基準があります。
貸出または預金の残高が、2四半期続けて30%を超えて伸びた場合です。デジタル基盤を持つ小規模銀行が急成長したら、自動的に規制の網に入ります。
追加でかかりうるもの
BSPは、必要と判断すれば次のことも求められるとしています。
- 新しいデジタル商品・サービスの展開や販促の制限
- より厳しい報告義務
- マネーロンダリング対策と不正防止の体制強化
免許を増やす道も示した
同時にBSPは、既存の貯蓄銀行・地方銀行・協同組合銀行を転換する形で、デジタルバンク免許を追加で発行しうるとしています。
現在、デジタルバンク免許を持つのは6行です。
- GOTyme
- Maya Bank
- Overseas Filipino Bank
- Tonik Bank
- UNObank
- UnionDigital Bank
BSPは、デジタルバンクと「デジタル中心の」従来型銀行の間で公平な競争条件を作ることを目的に挙げています。
日系企業にとっての読みどころ
この通達は、昨日報じたBillEaseの動きと正面からぶつかります。
BillEaseは2025年11月に地方銀行の過半を取得し、2026年9月に自社名へ改称しました。資本金は6月に5億ペソを入れ、年内にさらに5億ペソで10億ペソ超にする計画です。通達1240号の10億ペソという線は、その計画とちょうど重なります。
つまり、地方銀行を買ってデジタル化するという経路に、値札がついたということです。免許は買えるが、資本金はデジタルバンクと同額を積む必要がある。新規免許を待たずに参入する道は残りましたが、費用は同じになりました。
フィリピンで金融サービスを検討する企業にとって、実務上の含意は単純です。小規模銀行の買収を安い抜け道として考えるなら、10億ペソという前提を置く必要があります。
1ペソ=2.49円で換算しています(2026年9月4日時点)。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアBSP tightens capital, prudential requirements for tech-driven small banksbworldonline.com
- GMA News OnlineメディアBSP sets P1-B capital requirement for banks shifting to digital modelsgmanetwork.com
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