メラルコ系とPLDT系が組む、発電所付きデータセンターを検討
KEY POINTS
- ニュースの要点
- メラルコの発電会社MGEN(Meralco PowerGen)と、PLDT系のVITRO REITが、再生可能エネルギーと発電設備を組み合わせたデータセンターの開発を共同で検討する覚書(MOU)を結びました。共同で事業可能性調査を行います。
- この動きの意味
- 調査の対象は、候補となる立地、発電容量、再エネ資源、接続の要件、データセンターの仕様、そして事業の組み立て方です。MGENが立地の選定と電力供給の取り決めを、VITROが設計・立地調査・接続計画・ハイパースケーラーなど入居候補との折衝を担います。
- 今後の注目点
- 調査が実際の案件に進むか。候補地がどこになるか。VITROの新規株式公開の時期。電力の確保がハイパースケーラーの誘致にどこまで効くか。
メラルコの発電会社MGEN(Meralco PowerGen Corp.)と、PLDT系のVITRO REITが覚書を結びました。目的は、再生可能エネルギーと発電設備を組み合わせたデータセンターの開発を共同で検討することです。
何を調べるのか
共同の事業可能性調査が対象とするのは、次の項目です。
- 候補となる立地
- 発電容量
- 再生可能エネルギーの資源
- 接続の要件
- データセンターの仕様
- 事業の組み立て方(商業構造)
役割分担も決まっています。
| 当事者 | 担当 |
|---|---|
| MGEN | 発電設備と一体で開発できる立地の選定、電力供給の取り決めの評価 |
| VITRO | データセンターの設計と立地調査、接続の計画、ハイパースケーラーなど入居候補との折衝 |
「電力が立地を決める」
この提携の前提は、両社の言葉にはっきり出ています。
MGEN社長兼CEOのEmmanuel V. Rubio氏は「電力は、データセンターをどこにどう開発するかを決める決定的な要素になりつつある。互いの能力を持ち寄ることで、信頼でき、価格競争力があり、持続可能な電力をデジタル基盤の開発にどう組み込めるかを探ることができる」と述べました。
VITRO社長兼CEOのVictor S. Genuino氏も「電力のコストと信頼性の改善は、この協業の主要な目的の一つだ。エネルギーは、ハイパースケールとAIの投資を国内に呼び込むうえで決定的な要素であり続ける」としています。
2社が組む意味は、この一点に尽きます。フィリピンのデータセンター事業で最大の制約は、土地でも回線でもなく電力です。電力会社と通信会社がそれぞれの側から寄っていく形になります。
両社の規模
VITROはPLDTグループのePLDT傘下のデータセンター事業者で、全国11か所、合計でおよそ100メガワットの設備を運営しています(MGENによる)。
MGENはメラルコの発電部門で、2026年7月時点の純販売可能容量は従来型と再生可能エネルギーを合わせて5,069.7メガワット、蓄電池は56.4メガワット時です。中部ルソンでは2,000億ペソ規模の太陽光と蓄電池「MTerra Solar」の第1期が商業運転に入りました。同社はシンガポールでも670メガワットの水素対応発電所を着工したところです。
上場の時期がずれる可能性
VITROは新規株式公開を準備中です。当初は安定稼働中の8拠点を対象に、第4四半期の上場を目指していました。
上場日は10月12日とされていましたが、PhilSTARは関係者の話として後日に延期されたと報じています。BusinessWorldは第4四半期とのみ記しており、新しい日程は示されていません。
競争の構図
データセンターをめぐる動きは、この数週間で重なっています。Globeは2027年に最低10億ドルを投じ、合弁のデータセンター容量を3年で124メガワットへ引き上げる計画を示しました。そのGlobeが追う相手が、今回のVITROです。
電力側から見ると、データセンターは長期で大量に電気を買ってくれる顧客です。メラルコは2031年以降のベースロード電源900メガワットの調達を始めたばかりで、需要側の見通しを固める動きと読むこともできます。
本記事は覚書の内容を扱い、投資額の記載がないため為替換算を行っていない。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアMGEN, VITRO study renewable-powered data center developmentbworldonline.com
- PhilSTARメディアMGEN, VITRO to build RE-powered data centersphilstar.com
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