船会社3社がEVの船積みを停止、原因は未確定のまま
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 2026年9月9日にコロン島へ向かう途中で炎上したMV June Asterの事故を受け、Montenegro Shipping Lines・Island Water・Starhorse Shipping Linesの3社がEVとハイブリッド車の船積みを止めました。死者77人、生存43人、行方不明8人です。
- この動きの意味
- 船に積まれていた車両にEVが1台ありましたが、海事産業庁は原因がEVだとする結論は出ていないとしています。規制ではなく、事業者の自主的な措置です。
- 今後の注目点
- エネルギー省と海事産業庁が作る安全基準の中身。現行規則にEVの船積みを禁じる定めはありません。
2026年9月9日、パラワン州コロンへ向かっていた旅客貨物船 MV June Aster が炎上しました。沿岸警備隊の集計で、死者77人、生存43人、行方不明8人です。
積んでいたもの
- 電気自動車 1台
- オートバイ 5台
- フォークリフト 1台
- ピックアップトラック 1台
- そのほかの貨物
生存者は、火災の前に貨物甲板から大きな爆発音を聞いたと話しています。沿岸警備隊は貨物室が火元とみていますが、原因の最終判断は出ていません。
3社が自主的に止めた
- 9月16日Montenegro Shipping Lines
全航路の旅客船・貨物船で停止
- 9月17日Island Water
旅客船で制限
- 9月18日Starhorse Shipping Lines
恒久的な方針ではなく予防措置
いずれも規制ではなく、事業者の自主的な判断。
Montenegro Shipping Lines の9月16日付の通達は、EVとハイブリッド車を「一切乗船させない」としました。理由は「火災、爆発、熱暴走、その他の潜在的な危険性を最小化するための予防的な安全措置」です。
Island Water は9月17日付で、旅客船への持ち込みを「海上安全基準と危険管理」を理由に制限しました。
Starhorse Shipping Lines は9月18日、国内のRORO船は電池の危険を「まだ扱える態勢にない」とし、恒久的な方針ではなく予防措置だと説明しています。
当局は原因を認めていない
海事産業庁(MARINA)は9月19日、MV June Asterに積まれていたEVが火災の原因だと立証する最終的な所見はまだないと述べました。
エネルギー省(DOE)も、EVが原因だと決めつけないよう促しています。捜査はその関連を確定していません。
現行のフィリピンの規則に、国内船へのEVの積載を禁じる定めはありません。3社の措置は規制ではなく、事業者の判断です。
基準づくりに入った
DOEは9月17日、安全上の懸念を認めたうえでMARINAと調整に入ったと表明しました。MARINAは9月18日、EVとハイブリッド車を国内旅客船で安全に運ぶための科学的根拠にもとづく基準をDOEが作る方針を支持しています。
日系企業にとっての読みどころ
フィリピンは7,000超の島から成り、島をまたぐ輸送はRORO船が担います。EVをRORO船に積めないという状態は、首都圏以外へのEV販売や配送を直接止めます。
影響が出る事業は具体的です。
- 地方向けのEV販売・納車
- EVを使った地方の配送事業
- 電池を積んだ機器の島間輸送
フィリピンはEV輸入のゼロ関税を2040年まで延ばす要望を審議中で、EV国内生産の優遇策に600億ペソを置いたばかりです。普及を促す政策と、運べないという現実が同時に走っています。
読みどころは、原因が確定する前に業界が先に動いたことです。基準ができるまでの間、各社の判断がばらつく期間が続きます。船会社ごとに扱いが違う前提で、輸送計画を立てる必要があります。
SOURCES / 出典
- The Philippine StarメディアPossible EV link in June Aster fire prompts ferry bans, safety reviewphilstar.com
- Newsbytes.PHメディアShipping lines ban EVs, hybrids from ferries after deadly Coron ship firenewsbytes.ph
参考(本文の補足)
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