ルソン経済回廊にEUとスペインが加わり13か国へ、日本は創設国
KEY POINTS
- ニュースの要点
- フィリピン・米国・日本が2024年4月に立ち上げたルソン経済回廊に、EUとスペインが正式に加わりました。参加は13か国になります。EUは環境分野の6,000万ユーロとデジタル分野の2,000万ユーロを回廊の優先事項に合わせて配分します。
- この動きの意味
- 対象はスービック・クラーク・マニラ・バタンガスを結ぶ地域で、38件・200億ドル超の案件が並びます。日本は米国とともに創設に加わった3か国のひとつで、後から欧州勢が入る形になりました。9月10日には初の投資フォーラムが開かれています。
- 今後の注目点
- 38件のうち何件が実際に着工するか。スービック〜バタンガス鉄道が2027年に着工できるか。スペインが挙げた鉄道・造船・航空の分野で具体的な案件が出るか。参加国がさらに増えるか。
フィリピン・米国・日本の3か国が2024年4月に立ち上げた ルソン経済回廊(LEC) に、EUとスペインが正式に加わりました。参加は 13か国になります。
顔ぶれはこうです。
| 国・地域 | |
|---|---|
| 創設(2024年4月) | フィリピン、米国、日本 |
| その後の参加 | オーストラリア、カナダ、デンマーク、フランス、イタリア、韓国、スウェーデン、英国 |
| 今回の参加 | EU、スペイン |
対象は スービック・クラーク・マニラ・バタンガスを結ぶ地域です。並んでいるのは38件、総額200億ドル(約3兆1,200億円)超の案件で、エネルギー、輸送、デジタル接続、先端製造が含まれます。
EUが出すもの、スペインが出すもの
中身は性格が違います。
EUは資金の割り当てです。環境分野の計画に 6,000万ユーロ(約6,980万ドル、約109億円)、デジタル分野の計画に 2,000万ユーロ(約2,330万ドル、約36億円)を、回廊の優先事項に合わせて充てます。使途は、環境と循環型の開発、再生可能エネルギーと省エネ、安全なデジタル接続、技術革新、技能開発です。
EUのMassimo Santoro大使が、この配分を説明しています。
スペインが出すのは専門性のほうです。鉄道、モジュール型のインフラ、航空、造船、航空管制、再生可能エネルギーの接続といった分野で、官民の知見を持ち込むとしています。Miguel Utray Delgado大使が挙げました。
造船が入っている点は見ておく価値があります。フィリピンではすでに韓国のHD現代がスービックの旧韓進造船所を動かし、労働省と職業訓練センターの検討も始めています。セブには日本の常石造船の拠点があります。そこへスペインが加わる形になります。
中心にある2つの案件
記事で名前が挙がった案件は2つです。
Pax Silica。タルラック州カパスのニュー・クラーク・シティに置く、AIと先端製造の拠点です。面積は1,620ヘクタール。完全稼働から10年後には年間1,800億ペソ(約4,480億円)の売上と、約20万人の雇用を生むと見込まれています。
スービック〜バタンガス鉄道。着工は2027年が目標です。回廊の両端を結ぶ路線にあたります。
「13か国」の意味
財務相でLEC議長のFrederick Go氏は、参加国の拡大がもたらすものとして「専門性、技術、資本、そして世界的な事業網」を挙げました。9月10日には初のLEC投資フォーラムが開かれています。
見方は分かれます。参加国が3から13へ増えたことは、関心の広がりを示します。一方で、参加すること自体は投資ではありません。1〜6月の海外直接投資は17.8%減で、新規進出を検討するEU企業は8%と東南アジアで最下位でした。
枠組みに入る国の数と、実際に入る資金の額は、別の指標です。確かめるべきは38件のうち何件が動くかになります。
換算は1ドル=155.9円(2026年9月4日時点)、1ペソ=2.49円で計算した目安である。ユーロ建ての金額は、出典が示すドル換算値を経由して円にした。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアLuzon Corridor gets backing of EU, Spainbusiness.inquirer.net
- PhilSTARメディアSpain, EU join Luzon Economic Corridorphilstar.com
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