SMFLみらいパートナーズ、アクランの風力発電会社の35%を17億ペソで取得へ
KEY POINTS
- ニュースの要点
- PetroEnergy Resources(PERC)の取締役会が、風力発電会社PetroWind Energy(PWEI)の普通株684万株(35%)を、三井住友ファイナンス&リース子会社のSMFLみらいパートナーズへ17億ペソ(約44億円)で売却することを承認した。9月2日にタームシートを結び、その後に株式譲渡契約などを交わす。
- この動きの意味
- PERCは数週間前にタイのBCPGから40%を19億ペソで買い戻して単独保有にしたばかりで、そこへ日本のパートナーを入れる。タイ資本から日本資本へ、フィリピンの再生可能エネルギー案件の出資者が入れ替わる動きである。
- 今後の注目点
- 9月2日のタームシート締結と、その後の株式譲渡契約が予定どおり結ばれるか。フィリピン競争委員会の審査が必要になるか。開発中のナバス2(13.56MW)がエネルギー規制委員会の適合証明を得て商業運転に入る時期。
ユチェンコ財閥系の上場エネルギー会社 PetroEnergy Resources(PERC)は8月27日、取締役会が風力発電会社 PetroWind Energy(PWEI)の普通株684万株、出資比率にして 35% を SMFLみらいパートナーズ(SMFL Mirai Partners)へ 17億ペソ(約44億円) で売却することを承認したと開示した。
両社は9月2日にタームシート(主要条件を定めた覚書)を締結し、その後に株式譲渡契約と株主間契約を結ぶ。PERCは「取引の完了は、確定契約の締結、前提条件の充足、必要な社内および規制当局の承認の取得(必要な場合はフィリピン競争委員会の承認を含む)を条件とする」としている。
取引後の出資構成はこうなる。
- PetroGreen EnergyPERCの完全子会社
- SMFLみらいパートナーズ今回取得する分
- PetroEnergy ResourcesPERCの直接保有分
PERCの直接保有分と子会社PetroGreen Energyの保有分を合わせると65%で、経営権は引き続きPERC側にある。
タイ資本が抜けた数週間後に日本資本が入る
この再編は、直前の動きとセットで見ると意味がはっきりする。PERCは2026年8月上旬に、タイの BCPG が保有していたPWEI株40%を 19億ペソ(約49億円) で取得し、買い取りを完了したばかりだった。PERCはこの買い戻しについて「所有構造を簡素化し、再生可能エネルギー事業への直接的な経済的関与を高めるという戦略に沿う」と説明していた。
その単独保有の状態を数週間で解いて、35%を日本のパートナーに渡すことになる。タイ資本から日本資本へ、同じ案件の出資者が入れ替わったと読める。
SMFLみらいパートナーズは三井住友ファイナンス&リースの完全子会社で、不動産、環境エネルギー、サーキュラーエコノミー(資源循環)、地方創生などを手がける。親会社の三井住友ファイナンス&リースは、同じ8月27日に、やはりユチェンコ財閥系のRCBCのリース子会社への30%出資完了も開示している。1日で同じ財閥グループとの取引が2件動いた。
対象はアクラン州ナバスの49.56MW
PWEIが持つのは、アクラン州ナバスとマレーにまたがる風力発電所である。第1期のナバス1(36MW)は2015年に商業運転を開始した。拡張分のナバス2(13.56MW)は最終段階にあり、国家送電網会社(NGCP)から系統接続の最終承認を取得済みで、エネルギー規制委員会(ERC)の適合証明を待っている。両方あわせて49.56MWになる。
アクラン州はパナイ島の北西部にあり、ボラカイ島への玄関口として知られる。
PERC自体の業績は伸びている。2026年上半期の親会社株主帰属純利益は3億2,800万ペソ(約8億5,000万円)で前年同期の2億5,100万ペソ(約6億5,000万円)から30.54%増えた。連結純利益は4億9,800万ペソ(約13億円)へ7%増、売上高は21億6,000万ペソ(約56億円)へ8%増である。再生可能エネルギー事業の拡大と石油事業の好調が理由とされる。PERC株は8月27日、前日比変わらずの4ペソで引けた。
ナバス2の出力は、The Philippine Star が13.56MW、BusinessWorld が13.2MWと報じている。ナバス1の36MWと合わせた合計49.56MWと整合するのは13.56MWのため、本記事はこちらを採った。
本記事のペソ建て金額は 1ペソ=約2.6円(2026年8月21日時点のレート)で換算した。株価は換算していない。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアPetroEnergy to sell 35% Nabas wind stake to Japan firm for P1.7 billionbworldonline.com
- The Philippine StarメディアJapan firm buying 35% stake in PetroWind Energyphilstar.com
参考(本文の補足)
- SMFLみらいパートナーズSMFLみらいパートナーズ 会社サイト
- 三井住友ファイナンス&リースRCBC Leasing & Finance Corporationの株式取得完了について
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTSキャストの高齢化が進んでいる?日本におけるフィリピンパブの歴史と現状を解説します
こんにちは!しゅんP(@i_sh69)です! 本日は日本におけるフィリピンパブの歴史とその現状について調べていきたいと思います! 皆さんはフィリピンパブに行かれたことはありますか? 若い世代の方々はあ
グローバルに活躍するビジネスパーソン必修の「ポータブルスキル」とは?
こんにちは!しゅんP(@i_sh69)です! 皆さんは「ポータブルスキル」をご存じですか? ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても通用する「持ち運び可能な能力」のことを指すんですね。 この概念は
外国人労働者が多くいる会社はどこ?日本企業における外国人労働者の雇用事情を調査します
どうも、しゅんP(@i_sh69)です! 今回は日本企業の外国人労働者活用について調べていきたいと思います! 以前、日本国内の外国人労働者の実態と、フィリピンのポテンシャルについて詳しく調べました。



