三井住友ファイナンス&リース、RCBCのリース子会社への30%出資を完了
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 三井住友ファイナンス&リース(SMFL)が、RCBCが100%保有していたリース会社RCBC Leasing and Finance(RLFC)の株式30%の取得を2026年8月25日に完了した。第三者割当増資による取得で、出資比率はRCBC 70%・SMFL 30%となり、RLFCはSMFLの持分法適用関連会社になった。
- この動きの意味
- 三井住友銀行はすでにRCBCに24.46%出資しており、今回はグループのリース会社が同じ銀行のリース子会社に入る形になる。銀行の顧客基盤とリース会社の与信ノウハウを組み合わせて設備投資需要を取りにいく構図で、日本の金融グループがフィリピンで銀行以外の入り方を増やしている一例である。
- 今後の注目点
- RLFCが挙げた製造・建設・IT・再生可能エネルギー・医療・物流・自動車リースのどこから伸びるか。SMFLが日本の顧客企業のフィリピン拠点にリースを供給する動きが出るか。取得額は公表されておらず、開示されるかどうか。
三井住友ファイナンス&リース(SMFL)が、フィリピンの商業銀行 RCBC(Rizal Commercial Banking Corporation)のリース子会社 RCBC Leasing and Finance Corporation(RLFC)の株式 30% を取得した。当局の許認可などの条件を満たし、2026年8月25日に取得が完了している。RCBCは8月27日にフィリピン証券取引所へ開示した。
契約締結は2025年8月20日で、完了まで1年かかったことになる。取得は第三者割当増資による。RLFCはこれまでRCBCの100%子会社で、取得後の出資比率はRCBC 70%・SMFL 30%となり、RLFCはSMFLの持分法適用関連会社になった。取得額は公表されていない。
銀行に24.46%、リース会社に30%
RCBCはユチェンコ財閥(Yuchengco Group)系の商業銀行で、三井住友グループとの関係は今回が最初ではない。三井住友銀行(SMBC)はRCBCの株式24.46%を保有し、フィリピンにおけるパートナー行と位置づけている。今回はグループのリース会社が、同じ銀行のリース子会社に資本で入った形になる。
RLFCは1957年設立でマカティに本社を置き、ファイナンス・リース、オペレーティング・リース、企業向け融資を手がける。ルソン・ビサヤ・ミンダナオの3地域に5拠点を持つ。
RLFCの Jayson L. Mendoza 社長兼CEOは、今回の出資が今後3〜5年の事業拡大を支えるとして、製造、建設、IT、再生可能エネルギー(電気自動車や太陽光パネルを含む)、医療、物流、自動車リースを成長分野に挙げた。「この出資は今後の機会に向けて我々を有利な位置に置き、事業を前に進める能力を強化する」と述べている。
SMFL側の狙いは、高い経済成長と金融サービス需要の拡大が見込まれるフィリピンで事業基盤を広げることにある。SMFLの営業・マネジメントの知見を、RCBCの顧客基盤とRLFCの既存の営業体制に組み合わせる。SMFL自身は、三井住友フィナンシャルグループと住友商事が共同で保有する会社である。
同じ日にもう1件
SMFLグループは同じ8月27日に、フィリピンでもう1つの出資を開示している。子会社の SMFLみらいパートナーズ が、PetroEnergy Resources からアクラン州の風力発電会社 PetroWind Energy の株式35%を17億ペソ(約44億円)で取得することで合意した。こちらもユチェンコ財閥系の企業である。
リースと再生可能エネルギーという別々の領域で、同じ日に同じ財閥グループとの取引が2件動いた。1件ずつでは見えにくいが、SMFLがフィリピンで面を広げようとしていることは読み取れる。
RLFCの設立年は、SMFLの発表資料とBusinessWorldが1957年、Philippine Daily Inquirer が1987年と食い違っている。本記事はSMFL自身の発表に従って1957年とした。
本記事のペソ建て金額は 1ペソ=約2.6円(2026年8月21日時点のレート)で換算した。
SOURCES / 出典
- 三井住友ファイナンス&リース企業公式一次情報RCBC Leasing & Finance Corporationの株式取得完了についてprtimes.jp
- PSE Edge / Rizal Commercial Banking Corporation企業公式一次情報Material Information/Transactions(SMFL completes 30% equity stake in RCBC Leasing)edge.pse.com.ph
- BusinessWorldメディアSMFL seals acquisition of 30% stake in RCBC Leasingbworldonline.com
- Philippine Daily InquirerメディアSumitomo Mitsui seals 30% stake in RCBC Leasingbusiness.inquirer.net
参考(本文の補足)
- BusinessWorldPetroEnergy to sell 35% Nabas wind stake to Japan firm for P1.7 billion
- SMFLみらいパートナーズSMFLみらいパートナーズ 会社サイト
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTS600社が使ったSalariumは2023年にサービスを無期限停止、倒産も解散もしていない
フィリピンで勤怠から給与の振り込みまでを1つで担っていたSalariumは、2019年時点で約600社が使い、2021年までに2万社へ広げると語っていた会社でした。2023年8月に利用企業が資金を引き出せなくなり、12月31日にサービスを無期限で停止します。ただし倒産も解散もしていません。法人はいまも登記に残ったままです。何が起きたのかをたどります。
2025年のフィリピン最大の資金調達は5億円。それを超えるお金が国外から来る理由
Forbes Asiaの「100 to Watch」に、フィリピンから2社が入りました。並べてみると、フィリピンで大きな資金を集めた会社には共通点があります。お金を出しているのが、ほぼ全部フィリピンの外の投資家です。理由は起業家の考え方ではなく、国内のベンチャーファンドの大きさにありました。
マニラで見つけた課題を4か国に広げたKitaが、シードで約7億円を集めた理由
新興国の貸し手向けに与信審査を自動化するKitaが、シードで450万ドル(約7億円)を調達しました。創業者はマニラ出身で、フィリピンの貸し手と働くなかで課題を見つけています。ただし会社はサンフランシスコにあり、稼働しているのはフィリピン・インドネシア・メキシコ・米国の4市場。公開されている顧客6社のうち、フィリピンの貸し手は1社です。この設計の違いが、値段の付き方を変えています。



